NOVILOG

株式会社ノヴィータが運営するブログメディアです。メンバーのこと、文化や価値観、ノウハウ、様々な活動などについて発信します。

地方のDX推進とシビックプライド創出のカギは「自立したデジタル人材」

地方自治体がDX推進を進める前に、ぜひ知っておいてほしい前提条件

はじめまして、ノヴィータの笈田と申します。
簡単に自己紹介をしますと、私は兵庫県神戸市在住、大学生と高校生の2人の子どもを持つ母でもあります。出産後も、家族を大事にしながら自分のやりたいことも大切にできる仕事のスタイルを模索し続け、自宅近くにある企業などでパートや派遣社員として働いていましたが、家族も自分も大切にできる「在宅勤務」ができる企業を探し始めました。

そして2018年、兵庫県神戸市に在住しながら東京本社のノヴィータに業務委託として参画し、同年末には正社員になりました。ノヴィータでは採用業務のほか、新規事業開発および、兵庫県豊岡市の事業所マネジメントを担当。現在はフルリモート勤務をしながら、地域共創事業担当者として日々奮闘しています。

今回は、地方在住であり、地域共創事業に携わっている当事者である私が、仕事で様々な地方自治体職員の方とお話する中でお聞きした内容をご紹介します。
DX推進・女性活躍を推し進めたいとお考えの地方自治体担当者の方は、まずはご一読いただけますと幸いです。

DX推進で地方自治体が考える成功事例とは何なのか?

社会でDX推進と女性活躍推進が取り上げられる中、新型コロナの影響もあって、地方自治体や中小企業のDX推進がより明確に打ち出されるようになりました。事実として、総務省が地方自治体のDX化に向けた予算にも表れています。

コロナ禍以降、リモートワークやDX推進が急速に進んだ結果、東京を始めとする大都市圏では、育児中の女性が仕事と家事を両立しやすくなったり、産休・育休などライフイベントで仕事の現場から離れてしまった女性も、リモートワークの導入でより働きやすくなったりなど、仕事環境が整いやすくなってきました。環境が整えられれば、地方でも女性の労働力活用を取り入れることが可能になったと思います。

ノヴィータでは、女性就労問題、帰郷率向上に向けた取り組みとして、地域共創事業や地方での働き方を考えた「デジタルマーケティング講座」の提供を自治体と協力して行っております。

こちらは、在宅勤務を行いながらデジタルの技能でビジネスに貢献する人材を育成するもので、講座の開催実績としては、兵庫県豊岡市でノヴィータが委託を受けて実施した「働きたい女性のためのデジタルマーケティングセミナー」などがあります。セミナー内容は、インターネットの仕組みを学ぶことや情報端末を使い商品やサービスを周知する方法など、デジタルマーケティングの基礎から応用まで習得できるものです。

この活動が、内閣府男女共同参画局の「女性デジタル人材育成プラン事例集」で紹介されました。「地方でもDX推進・女性活躍推進に取り組める」という事例となり、地方自治体担当者からノヴィータへ多くのお問合せをいただいています。

そんな中、仕事を通じて出会った、某地方自治体職員の方からこんな話を伺いました。

「私は東京で働いていましたが、生まれ故郷のまちが好きで、ここで子育てがしたくて戻ってきました。今、自治体がデジタル人材を育てようと職業訓練を積極的に開催していますが、結果として、都会にあるデジタルの仕事の一部を、切り出した単純作業として請け負う人を増やすにとどまっていることが多いように感じます。本来、住まう人のことを考えるという自治体が、求めている市民像に照らし合わせてみても、こういう状況を積極的に増やすために人材育成セミナーと名づけて開催することは、目指すべきものとおそらく違うのではないか?という疑問があるんです」

なんとも核心をつく話でした。

ある程度のデジタルリテラシーを持ち合わせる人が、自分の時間の都合に合わせて、自宅でネット環境のもと仕事を受注・納品し、代金を支払ってもらう。デジタルのニーズの高まりにより、このような仕事は増えています。
作業内容が明確で、場所を問わない仕事であれば、地方に住んでいたとしてもすべて自宅で完了することができます。多くの案件がありマッチングのサイトなどもあるため、稼働時間に合わせて仕事も得やすく、収入の確保もしやすいという多くのメリットもあります。

しかしその一方で、言われた指示に沿った比較的簡単なアウトソーシング業務が多くあるという性質から、従事した人数を増やしやすいことが特徴として挙げられます。「自治体で開催したデジタル系のセミナーによって、これだけの人数がデジタルを活用した仕事に就けるようになった」という、成功事例として取り上げやすいということです。

自治体は、地域住民の方をはじめ、いろいろな関係者がいらっしゃるので結果は常に求められますし、短期・中期・長期の視点を組み合わせて行政を行わなければいけないと聞いています。ですが、このケースにおいて数値で計れる実績は、「在宅対応可能な都心部の仕事の一部を請け負った人がどのくらい増えたか?どのくらい稼働できているか?」ということにすぎません。
結果を数字で表しやすい・人数を増やしやすいですが、中長期の視点でデジタルを使いこなして働き手としての自立を考えられるような仕事の領域には至らないのではないかと考えています。

本来目指したいのは、地元民による地元民のためのデジタル人材育成

先ほど取り上げた自治体職員の方の言葉から推測するに、本当に言いたいことは「都会にあるデジタルの仕事の一部を、切り出した単純作業として請け負う」人を育成するためのセミナーではなく、「デジタルを使いこなして地域のビジネスに貢献する」人をデジタル人材と捉えて育成するということだと思います。

この方は、東京で仕事をした後、生まれ故郷が好きで戻った方です。だからこそ、地元の人による地元のためのデジタル活用人材育成を目指していて、「デジタルを活用でき、かつシビックプライドを持った人材育成」が叶うセミナー支援の開催を、切に希望されているのだと分かりました。

シビックプライドとは、「都市に対する市民の誇り」という概念として使われます。自分自身が関わって地域を良くしていこうとすることや、当事者意識に基づき、自身が住む地域への愛着や誇り、自分自身が関わって地域をより良くしていこうとする働きのことです。これにより、その地域への定住、企業進出を促すことにもつながると考えられます。

自分が住むところに誇りがあるからこそ、地域への貢献のひとつとして産業への貢献を考えるものと思います。すなわち、ビジネスを通した地域への貢献と活性化を考え、「地元の仕事は地元で行うことが重要」ということに目が行くのでしょう。

改めて思うことは、「DX推進の一環として、シビックプライドをもつ地元の方のためにデジタル人材を育てる」ためのセミナーが必要だということです。

豊岡で事業所を立ち上げた当時、雇用されたメンバー数人には「自立」を目指してもらっていました。数年後にはデジタルマーケティングを使って自分たちの仕事を自分たちで獲得するスキルを得ることを目指し、デジタルのスキル差もありましたがチームで支え合い、私がマネジメントに入りつつ、OJTで学んでいきました。手探りではありましたが、このやり方で半年後には初受注ができていましたし、数年経った今では、デジタルマーケティングを講座で教えながらノヴィータ本社のデジタルマーケティングに携わるなど、自立的に仕事を回すことができるようになりました
この経験を、カリキュラムに落とし込んだ内容が、ノヴィータが提供しているデジタルマーケティングスキル支援の講座になっています。

仕事の創出には、個人一人ひとりのやりたいことや実現したいことを前提に仕事を考えていくことを本質的には考える必要があります。目先の数値結果にとらわれず中長期視点を持って、デジタルを活用しクライアントの収益向上に貢献することを考えられる人材は、貢献できる範囲が広がるため本人の自信になるとともに、得たスキルを地域に活かしていくシビックプライドの考え方を持てるようになるのではとノヴィータは考えており、このことを根底に置いて講座を作っています。

ノヴィータではシビックプライドを大事にしたデジタル人材育成を支援しています

長い目で見ると、大都市圏から離れた地域の仕事は、デジタル人材育成をした地元の人の中から探し、デジタルツールを活用しながら「地元の仕事を地元で行う」ことが理想的であると考えています。適性が高い地元の人が担えるように、まずはデジタル人材育成から始め、育った人材がデジタルを活用して課題の解決を行ってもらう。その結果、地元の活性化にも寄与するのではないでしょうか。

また、「デジタル人材」を、産休・育休・介護などで仕事の現場から離れてしまった女性の中から担うことができれば、子育て中や家族のお世話で時間の制約がある女性の悩みを少しでも解消できることが見込めるはずです。

ノヴィータではこのような人材育成のための講座を用意しており、そこで学んで育っている人がすでにいます。前述した兵庫県豊岡市の事例では、受講後、修了生はEC販売に関わったり、サイト運用を受託したりと、リモートワークで働くことを実現している人も出てきています。就労に対する意識の変化が起こって、自分の仕事について考えるきっかけになったという話も聞きます。

もちろん、セミナーを受講したら魔法にかかったかのように結果がすぐに出て、デジタルマーケティングの仕事が完璧にできるということではありません。講座はあくまでスタートラインです。例えば就職したくても、受け入れる地元企業のご協力や体制がないと就職できない、などの課題もあります。
しかし、変化は一歩ずつからしか起こりえません。デジタルを活用したビジネス貢献とはどういうことかに気づき、それらに対応できるデジタルマーケティング人材を育成していくことで、いずれ地域の産業活性への影響や、シビックプライドの醸成にまで至ります。自治体が本来目指したい、住まう人のことを考えたDX推進に向けたデジタル人材育成は、今回ご提案した方法によって叶うのではないでしょうか。

私たちノヴィータは、地域共創事業において、今後も地元の人のためのデジタル人材育成の支援に力を入れていきますので、何か相談ごとがありましたら下記からお問合せください。

 

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