NOVILOG

株式会社ノヴィータが運営するブログメディアです。メンバーのこと、文化や価値観、ノウハウ、様々な活動などについて発信します。

右腕になりたい〜経営にも労働環境改善にも寄与するバックオフィスは「後方」支援ではない〜(No.14 長山裕美さん)


「テトリスとかぷよぷよとか、パズルゲームが好きなんですよ」

ノヴィータの管理部門を率いる長山さんへ情報整理について尋ねると、返ってきたのはこの朗らかな回答だった。

「『決まった場所に全部の書類が揃っています』とか『タスクチェックリストを作って全部チェックが入って完了してクロージング』とか、爽快感があるんです。『揃えて消して綺麗にする』パズルゲームとどこか共通しているかもしれません。趣味の領域みたいな感じです」

長山さんのチームが担当しているのは労務、法務、総務、営業事務、そして経理と非常に多岐に渡る。この文字列を見ただけで業務量の多さを想像して気が遠くなる方もいるかもしれない。
長山さんはこれら管理業務の可視化やフロー化に尽力し、ノヴィータの業務効率化や労働環境改善に貢献してきた人物だ。

「経理も担当しているので自分たちは最終的なお金周りという、会社や事業として最後のポジションにいるんですよね。受注、制作、納品、検収、請求、入金、というゴールまでの工程が一つでもつまずくと最後まで辿り着けない。最後、きちんとクローズまで滞りなく流れるように情報整理をするのが好きなんです」

気負いすぎず業務に携わる一方で、責任を持って担当領域に向き合う姿勢が頼もしい。
今回は長山さんの人となりを通して、管理部門をデザインする重要性を伝えていきたい。

活躍か、「甘やかし」か。全力を尽くしていた営業アシスタント時代

まずはノヴィータ以前の長山さんについてお伺いしてみたところ、学生時代にはデザインを学んでいたそうだ。ただデザインの仕事は自分には向いていないと感じ卒業後は派遣会社に登録、ノヴィータ入社前にいくつかの会社で事務職を経験している。
製造業の資材課で材料調達をしていた時は仕入れ先との電話応答、納期調整依頼や発注書送付などを担当。後に営業アシスタントにならないかと声をかけられ、営業部へ転属。雇用形態も派遣社員から正社員に変化した。
業務の幅は更に広がり、品質不具合への対応や環境調査依頼、国内外の工場とのやりとり、大手クライアントとの取引にまつわる事務など様々な業務を経験。現在、さまざまな管理業務を広範にカバーしている長山さんの基礎はこの時に作られていったのだろう。

「ただ、当時は営業をダメにするアシスタントとも言われていました。何でも引き受けてやってあげてしまうと、逆に甘やかしみたいになってしまう。自分だけではどうしようもなくなった時にだけ営業さんに交渉を依頼したり。今振り返るとやりすぎでした。もっと営業さんに任せてもよかったかもしれません」

入社当時の後悔を繰り返さないために役立った業務フロー化

その後、また別の企業での事務などを経て長山さんはノヴィータに入社することとなる。
今でこそ管理部門のリーダーとして活躍する長山さんだが、もちろん最初から今と同じ状況だったわけではない。2016年のノヴィータ入社当時は悔しい思いをしたこともあったそうだ。

「私が入社して1,2年くらいまでは、会社として、メンバーそれぞれのライフステージの変化に対応しきれていなかった時期でした。『あの時こうしてれば会社は変われたかもしれない。あの人が辞めなくても済んだかもしれない』と今でもたまに考えます。
あの時の後悔を繰り返さないよう、自分の知識とスキルの及ぶ範囲であれば全力を尽くしたいといつも思っています」

歯がゆい思いをしていたのは長山さんだけではなかった。
社長の三好もメンバー全員の業務効率化を図り、それぞれのワークライフバランスを整え安心して働ける状況にしたいと考えていた。
そのために必要なのは、一人一人が抱え込みがちな業務を分解して上手くタスク分担すること。各個人でバラバラに行っていた請求処理や労務手続きを一本化し専任者に寄せていけば、もっとみんなが働きやすくなるはずだ。
三好の思いを汲み、長山さんは管理部門のワークフローを一本化する作業も支えていくこととなる。その過程で重要だった事柄について尋ねてみた。

「IT関連、機器設定などは自分だけではどうしても限界があるので寺瀬と役割分担できたことは大きいですね。複合機入れ替え手続き一つとってもドライバー導入、PC接続、スキャンデータの保管方法など、きちんと設定したり、手順化しなければいけなかったりすることはたくさんあります。寺瀬がいれば今のメンバーにとって一番使いやすい形での設定ができて、宝の持ち腐れにならないようにしてくれる。それは自分1人ではできない

その一方で自分にしかできない、自分の得意分野に改めて気付かされることもあったそうだ。

「特に契約や支払い周りは、監査役とのやりとりなど請求業務も担当していた私が適任でした。一人で全部抱え込まずに『ここまでは寺瀬、ここからは長山』という感じでスムーズに手続きが回るようになった最適な形が見つけられました。2017年頃、機器入れ替えやツール契約などのタイミングがきっかけだったと思います」

社内体制改善に寄与したのはもちろんこれだけではない。

「あとはキャリアアップ助成金など、国が用意している助成金活用フローを確立させた流れも重要でしたね。助成金を軸として話すと『お金目的』という印象を与えかねませんが、メリットはそれだけではありません。
助成金の計画目標に「上長との面接試験の評価にて推薦状に基づき正規雇用へ転換する」ことを掲げているのですが、新入社員が入社してから正社員になる際の社内面談や書類起票時期など、それまで各チームのタイミングで行なってきて標準化できていなかった手続きを行う時期が明確になりました。『そろそろ入社してから6ヶ月だから面談してね』など、コミュニケーションのきっかけをしっかりと決める基礎になったんです。
事務手続きに関してはやはり全部繋がっていると感じます。きちんと整備することによってみんなも働きやすくなる」

働きやすい環境を用意したいという三好のビジョンを理解し、制度運用に携わってくれている長山さんの存在は、経営側としても何より有り難い。
ただ、ノヴィータではメンバー全員の働きやすい環境維持のため、労務の作業量がかなり多い。時短勤務やフルリモートワーク、それぞれのライフスタイルに合わせた働き方が20種類以上あるので、対応パターンがさまざまに分岐するためだ。
作業量の多さを問題視せず、長山さんが業務に邁進できる理由は何だろうか。

「ライフイベントは誰にでも起こる可能性がありますし、さまざまなケースがあります。妊娠出産だけでなく介護や傷病、または引っ越し、あるいは転属希望、副業希望などなど……。
実際に今誰かに傷病が発生したら、各種手続きだけでなく業務引き継ぎも必要になる。そういう時にワークフローが整理されてなくて不安になる人がいるのが私はすごく嫌なんです。「『休むんだね。戻ってくるの待ってるよ』って他人事みたいに言う人になりたくない。自分は、『きちんとその手続きを任され、責任を持って遂行する人』だと認識しています」

会社経営の肝は管理部門にある

ノヴィータでは会長の小田垣、社長の三好の2人共、「会社経営の肝は管理部門にある」と強く感じている。
管理部門をきちんとデザインして業務手順をフロー化、可視化すると実務が効率的に回るようになり、ひいては経営に関わる情報が収集しやすくなるためだ。

請求や労務ワークフローの一本化から5年以上が経過した。
他にも細かく羅列するとキリがないほどのさまざまな改善を経て、ノヴィータの状況は長山さんの入社時とは大きく変化している。
もしかしたら現在は、管理部門については円熟期と言えるかもしれない。「あの時に思い描いていた理想」に近づいていると言えるか……長山さんに尋ねてみた。

「そうですね。理想には近づいているかもしれません。ただやっぱり終わりはないです。
国の情勢によって法律が変わるとそれに合わせて就業規則やフロー整備、契約書の様式変更などもやらなければいけなくなる。今だったらインボイス制度対応などがありますね。
『会社がより長く続くためには』とか、『今働いてる人たちがより安心して笑顔で働いていくためには』というところを考えると、ずっとゴールはないと感じます

たゆまぬ改善を続けたきた方らしい、高い目標意識が窺える。しかし、ゴールがないということは、終わりなき疲弊の旅が続くということでもある。
長山さんの意欲の源泉は何なのか。

「昔は『必要とされる人間になりたい』『片腕、支えになりたい』という気持ちが大きくて頑張っていましたね。今もそういう気持ちは変わっていません。
でも自分が指導者や経営者など、主体になりたいわけではないんです。右腕や後ろのポジション、メインとなる人のすごく近いところで、自分だけでは行けない景色を見たい。そう思っています」

「すごく近い位置の右腕」……経営者視点の一つの到達点と言えるだろう。
「社員一人ひとりが経営者視点を持つべき」とは何十年も昔から聞いてきた台詞だが、指示されるでもなく、長山さんは自然とそこに到達していた。
このようなメンバーがいる組織は強い。長山さんはこれからも、その明快さと堅実な仕事ぶりで、ノヴィータの基礎を固め、足元を照らしていってくれるだろうと感じた。

<編集後記>

長山さんは会長の紹介で、外部企業の管理部門改善を手伝っていたことがあるそうだ。属人化していた業務の言語化と可視化により、効率化に成功。管理部門をデザインする重要性を再認識したとのこと。

「ただ、リモートで話すことが多くて、ちょっと心の壁を崩しにくかったなと思っています。『業務改善のために来た』ということで上から目線みたいな流れになることもあったけど、『こっちも昔はできてなかった』という話をもっと共有して話しやすい雰囲気を作ってもよかったかもしれません」

実務だけでなくコミュニケーション面に思いを馳せるところもノヴィータのらしさを感じさせる。ノヴィータのメンバーは皆、総じてホスピタリティやサポート力が高い。

「バックオフィスの仕事については『ここは私に任せて前に行って』という感じですか」と尋ねてみたところ、下記返答を頂いた。

私自身はバックオフィスだとは思っていないんです。どの業務もその会社のパーツとして全部必要なものの一つのはず。前とか後ろとか分けるのはちょっと違う気がするんですよね」

そう、管理業務は「バック」オフィスと言われがちだが、前線の一つなのである。各人が専門性を活かして活躍するという点ではフロントもバックも存在しない。

「みんながそれぞれの得意分野でちょっと前に出ていくと会社がうまく回っていくと思う。かといって自分の専門に固執しすぎず、広く他部署からも意見を聞いていきたいし、自分も適宜発言するようにしています」

ノヴィータの風通しのいい風土ならこれからも活発に意見交換し、改善を続けていくのだろう。
「バックオフィス」という区分を軽率に当てはめていたことを申し訳なく思うと同時に、自分も柔軟に周囲の意見を取り入れていきたいと思った。

(インタビュー・文 石林グミ)

 

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