NOVILOG

株式会社ノヴィータが運営するブログメディアです。メンバーのこと、文化や価値観、ノウハウ、様々な活動などについて発信します。

プログラミング未経験者がGASを学んで得たもの〜DX化の本当の価値とは〜

ノヴィータの松浦です。
現在は、社内情報システム・セキュリティ、新規事業のプロジェクトマネジメント、総務、会長の業務サポートなど、さまざまな役割を担当しています。フルフレックス、フルリモート体制勤務により、仕事と家族との生活を両立させるライフスタイルを実現しています。

私が担当している業務などについて紹介されている記事がありますので、あわせてご覧ください。

今回は、私がGAS(※)に取り組んだことで得たスキルや気づきについてご紹介します。

プログラミング未経験のなかでGASを学んだ結果、業務効率化を実現しただけでなく、副次的なメリットも多く得ることができました。
この記事では、私がGASを学ぶまでの背景から実際の取り組みをまとめました。そして一連のプロセスで気づいたDX化の本質的な価値について感じた見解を述べています。

※GAS:Google Apps Scriptの略称であり、Googleのサービスを自動化するスクリプト言語のことを指す。JavaScriptがもとになっているため汎用性が高く、スプレッドシートやフォームなどの拡張機能として利用できる。

GASを学ぶまでの背景と掲げたゴール

私は現在、社内で複数の業務を兼任しています。その一つが社内の情報システム・セキュリティですが、ノヴィータに入社するまでは全くの未経験領域でした。

上長からの勧めで経験値アップを図るために、入社後1年が経過した2021年から関数をはじめとしたGoogleスプレッドシートの各種機能の独学を開始しました。その延長として翌年の2022年から、GASに取り組むことになったのです。

私がGASに取り組むにあたって設定したゴールは大きく2つありました。

1つ目は、基礎的なコードを理解し、私が自分でコードを書けるようになること。
2つ目は、毎月手作業で行っている社内の月次セキュリティチェック運用の取り組みを自動化することです。

そして具体的な成果として下記の「3つのUP」を目指しました。

  • スキルUP
    情報システム・セキュリティ担当としてのスキルの幅を広げる
  • 効率UP
    すでに定型化されている業務をさらに短時間にする、かつさらなる負荷圧縮を目指す
  • 生産性UP
    効率UPによって得られた時間を他業務に充てる

このように明確な目標を設定した上でGASに取り組みました。

実際のGASの取り組み

GASでの実際の取り組みは、大きく4つの段階を踏みました。

1.座学 2022年2〜6月

まずは座学です。
上長による週1回の講義と初期トレーニングを通して、プログラミング言語(Javascript)の基本学習をしました。

夜に時間が取れる時は、ネット記事やYouTubeで分からない箇所を調べるなどして復習をし、なんとか食らいついたのを覚えています。

2.練習 2022年7〜9月

座学を経て、練習を繰り返す段階に入りました。
上長によるオリジナルのお題を通して、自分でコードを書く練習をしました。たとえば、今年の干支の値をスプレッドシートにプログラミングで返したり、かけ算の九九テーブルをスプレッドシートにプログラミングで表したりするなど身近なテーマだったのでゲーム感覚で取り組むことができました。

3.実践 2022年9〜12月

続いて実践です。
社内セキュリティチェック運用の自動化の準備に着手し、大きく以下3つのフェーズで動きました。

  1. 設計:運用フロー(全社へメール周知→未回答者へリマインド→不合格の場合は対象社員にアラートメール送信→月末に回答ログ保存→年度末にアーカイブ)をアクションごとに事細かに洗い出し、5W1Hで言語化する。
  2. 実装:設計で言語化したことをソースコードで表現する。
  3. 検証:正常に動作するかを繰り返し実施する。

初期段階は「分からないことが分からない」という状態に陥り、その上で何が分からないのかを質問されて余計に頭が混乱し、まさに人生で初めて沼にはまる経験をしました。

4.導入 2023年1月以降

座学、練習、実践経て、実際に導入するに至りました。
2023年1月からは、社内セキュリティチェックの半自動化に成功しました。一部のタスクは目視確認する必要があるため手動のままであるものの、それ以外はすべて自動運用しています。

GASへの挑戦によって得られた大きなメリット

GAS挑戦によって直接的に得られたことは、基本的なコードの理解と最低限の表現ができるようになったことです。結果として、大きく業務効率化を図ることができました。
具体的には、ひと月あたり計60分間要していた業務が、GASによって半自動化されたことにより、業務時間を実に4分の1(ひと月あたり計15分間)まで削減することができました。

また、副次的に得ることができたメリットもあります。GASの一連の過程から、単にプログラミングの世界の話だけではなく、日常の仕事全般に活かせるスキルを得ることができました。

今回私が副次的に習得できたスキルを4つ、具体例とあわせてご紹介します。

1.言い換える力

何かを言語化するとき、一つの思考にとらわれずに複数の表現パターンを持つ重要性と価値を実感しました。実際にビジネス文書やSNS上の告知文など、活かせる場面は幅広いです。

例)「毎月末にメールで周知する」の「毎月末」をコードではどう表現するか?
月末=>月の最終日=>30日、31日の時もある、2月は28日、閏年は29日もある・・・全てをコードで表現するには複雑すぎる。
コードでは「月の最終日ということは、その翌日は必ず翌月の1日」であることを表現する。

2.シミュレーションする力

物事の「分岐」を意識する力を得ることができました。
先を見越して、条件や想定とは異なる結果になった場合の策まで考えておく。そうすることで、事前準備の質が上がり、想定通りにいかなかった場合の初動を早くできます。

例)「毎月末にメールで全社員に通知する」は単純に「月末と判断できたら通知する」とコードでも書けばよいと思っていた。しかし、月末に該当するのは、毎月が約30日程度ある中でたった一日しかない。月末でない、残りの約29日にあたる場合はプログラミング上で何をしたら良いかの指示まで表現しておく必要がある。

3.一つずつ問題を潰す力

何か問題にぶつかったとき、原点に立ち返って課題点を明確にする力です。社内やお客様とのコミュニケーションのズレが発生したときにも活かせます。

例)一発で100%完璧なコードはとても書けないため、一行ずつ確認し、どこまでは機能していてどこからが怪しいのかを地道に確認する。なお、これはかなり地道で辛い作業になります......

4.構造を意識する力


誰から見ても理解しやすい構造になっているかを意識できるようになりました。
情報過多の現代、社内のみならず対社外においても、ちょっとした視認性の差異が相手の印象や行動に少なからず影響を与えます。だからこそ、ビジネス文書やメール、チャットツール上の体裁、メルマガの校正などに役立っています。

例)インデントや行間のズレ、スペースの有無、箇条書きの有無など

GASを通じて気づいた「DX化の本質的な価値」

「DX化」というと、業務にまつわる何かしらのSaaSの導入であると捉えられがちです。しかし私はそうは思っていません。

DX化とは、従来は手作業で行っていたものを自動化していくことこそが本質であると考えています。
サービスやツールの導入はあくまで一つの手段であり、「なぜ・どの業務を・どのように自動化するのか」といった本質を捉える重要性を、私はGASへの取り組みから学びました。そして、業務効率化を図るプロセスでさまざまなスキルを習得できたことも、DX化の大きな価値だと実感しています。

私は現在、兼任担当しているキャリア支援事業のサービス申し込み処理の自動化(HTMLメール送信含む)に目下取り組んでいます。今後も、社内でアナログ対応しているメール送信やファイル管理など、社内の情報システム・セキュリティ担当として自動化に寄与できる幅を広げられたらと思っています。

最後に、プログラミングの「プ」の字も分からない超初心者に対して根気強く教えてくださった上長、そしてこのようなスキルアップの機会を提供してくれた会社には、心から感謝しています。

 

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