NOVILOG

株式会社ノヴィータが運営するブログメディアです。メンバーのこと、文化や価値観、ノウハウ、様々な活動などについて発信します。

WordPress構築を「フロントエンドチームの強み」にするための学習と整備

こんにちは、フロントエンドチームの磯部です。普段はフロントエンドエンジニアとしてクライアントサイトのコーディングを担当しています。

ノヴィータでは提供価値を向上させクライアントの満足を高めるため、各チームそれぞれが目標を設定し、達成に向けた取り組みを行っています。フロントエンドチームでは「受注率・リピート率の向上」と「高付加価値の創出」を目標にしており、具体的な取り組みの一つとしてWordPressの学習をすることとなりました。

WordPressとは、世界中で使用されているCMS(コンテンツ管理システム)です。CMS自体は他にも有名なところでMovable Typeや、はてなブログMediaなどもありますが、WordPressは世界のCMSの43%を占めるほど普及しています。

Web制作を行っていると、CMSを利用する案件の相談を一定数受けます。その多くは「WordPressを利用したい」などであり、以前から肌感覚でも需要を感じていました。一方で、知識や技術がないと、作りたいサイトの仕様やデザインに近づけることができなかったり、技術的な問題が発生しやすかったりするものでもあります。

今回はフロントエンドエンジニアのチームが、チーム全体でWordPressの学習・整備を行った目的や方法をご紹介します。WordPressに興味や技術スキル不足を感じている方、案件を受ける体制に不安を感じている方、個人ではなくチーム全体での学習に課題を感じている方はぜひ読んでみてください!

学習の背景

フロントエンドチームは「受注率・リピート率の向上」と「高付加価値の創出」という2つの目標を中心に、その達成を目指す取り組みを行ってきました。具体的には以下の4つを実施し、私たちの強みを発見するところから始めています。

【1】競合調査とアンケートで、分析に必要なデータを集める
【2】簡単な3C分析でチームを取り巻く環境を言語化しておく
【3】VRIO分析でチームの強みの言語化を試みる
【4】SWOT分析で言語化した強みをどのように活かすのか確認する

【1】のアンケートで得られた結果はこちらの記事で紹介しています。
改めてフロントエンドの価値とは何か?を深堀りできた取り組みですので、興味のある方はぜひご一読ください!

https://blog.novitanet.com/entry/2024/09/19/080000

 

調査分析の結果、ノヴィータのフロントエンドチームの競合優位点の一つに「高品質なWordPressサイトを納品できる」が挙げられることがわかりました。この強みをさらに深めることで付加価値を高められると考え、フロントエンドチームはWordPressの学習と整備を身につけるという目標を立てました。

ですが、これまで案件で得た知見は実際の案件で必要になった情報が中心で、決して体系的とはいえませんでした。さらにWordPressは歴史も長く、継続的にアップデートされており、情報を仕入れることや内容の理解は自己学習となり、メンバー全員で共通の強みとは言えない現状もあったのです。

学習の実際のステップ

チーム全体:ゴールとロードマップの設定

学習を始めるにあたり、この取り組みのゴールを「WordPressが得意であるとチーム全体で言えるようにすること」としました。その中で「WordPressが得意」な状態とは何かを言語化にし、共通認識をつくりました。

「WordPressが得意」とは、下記が達成できている状態であると定義しています。

  • ①構築実績/カスタマイズ実績が豊富にあり、いつでも営業に使える状態
  • ②品質担保の仕組みが他社より充実しており、実際に品質が高い

②の「品質が高い」についてはノヴィータのターゲットがどのような所にあるかを踏まえ、クライアントになりうる中小企業が魅力的だと感じられる更新性の高さやSEO、表示速度といった部分に焦点を置いています。

目指すべきゴールが定まったことで、どのように取り組みを進めて行くかを検討し、4つの段階をロードマップとして設定しました。

  • STEP1. 学習を行い知識と技術を身につける
  • STEP2. 業務フロー化とドキュメントの整備を行う
  • STEP3. 実績を溜める / 集約する
  • STEP4. 営業活動(得意だというアピール)を行う

スキルに応じたチーム分けとそれぞれの目標設定

「STEP1.学習を行い知識と技術を身につける」を開始するにあたって、チームメンバーそれぞれの習熟度は異なっていることを考慮する必要がありました。そこで、自身のレベルに合う目標を決めて学習を行えるように、メンバーを初心者と中級者の2つのチームに分けました。

  • 初心者チーム:書籍等で軽く知識はあるものの実際にWordPress案件に携わったことがない、または全く知らないレベル
  • 中級者チーム:WordPress案件をいくつか対応しているが、上流工程にはあまり携わっていないレベル

それぞれの学習目標は以下のように設定しました。

 

■初心者

新規・改修問わずWordPress案件ができるようになる・学習を行い、知識と技術を身につける

書籍や動画講座をもとに基礎知識を身につける
・WordPress改修などの小規模案件に関わる(実績を積む)

上記を通じ、チーム全体のロードマップのうち以下を達成する
STEP1. 学習を行い知識と技術を身につける
STEP3. 実績を溜める / 集約する

■中級者

制作のフロー化 / ルール作りなどを行って、品質担保の仕組みを作る・誰がやっても同じような成果物が出せるようになるための下地を作る

・最終的に、チェックリスト、要件定義書、テスト項目のフォーマットの3つについて作成完成を目指す
・これまでの実績をまとめていつでもアピールできる状態にしておく
・クライアント企業名やサイトに実装した機能などを一覧化する
・実案件を積極的に請けていき、実績として溜めていく
・LPなどを用意しておいたほうが良いため作成を検討する
・営業リストを作って営業をかける

上記を通じ、チーム全体のロードマップのうち以下を達成する
STEP2. 業務フロー化とドキュメントの整備を行う
STEP3. 実績を溜める / 集約する
STEP4. 営業活動(得意だというアピール)を行う

 

それぞれが実際に目指す目標が明確になったので、それ以降は隔週で定例会議を行い進捗を確認することになりました。

実際にやってみた

■初心者チーム

初心者チームは以下のことを実践しています。

▼実践内容
・WordPress のテーマ作成の基礎のインプット(今回はUdemyの動画講座を受講しました)
・Localを利用して開発環境を整える / WordPressをインストールしてみる
・動画講座を参考に実際にテーマを作成してみる
・書籍を中心に本格的なテーマ作成の学習を行う
・PHP / DBの基礎的な学習
・改修などの小規模案件に関わってみる

教材選定は下記のポイントに留意しつつ、初心者チームにいるメンバー自身で行いました。選んだものをリーダーがチェックし、差し支えないと判断されたもので学習を進めています。

▼教材選定のポイント
・プラグインのみで構築する書籍は避ける
→実際の案件でもプラグインは使用するが、運用・セキュリティ面から多用しないポリシーとしており必要最低限しか使用しないため
・実際に手を動かしながら学習を進められる内容・レベルかを確認
・書籍の刊行日等をチェックし、古い情報ではないか確認

▼チーム全体としての学習サポート
・隔週の定例会議では、学習進捗だけでなく書籍や動画のわからなかった部分をサポートをする
・定例会議以外でも質問できる社内環境であるよう努める

■中級者チーム

中級者チームは段階を8つに分けて取り組んでいます。これまで制作対応をしてきた経験を活かして、品質担保しやすくなるための仕組みづくりを行うことで、手を動かす部分以外の配慮事項にも目を向けられるようにしました。

  1. これまでのWordPress案件のリストアップと情報整理
    →案件ごとに要件シートを作成・管理していたが、フォーマットが決まっていない状態だった。現状把握のために案件で活用したシートをリストアップし、どんな情報があるのか、足りないのかを整理した
  2. WordPress案件の凡その業務フローの整理
    →一般的なWEB制作のフロー等も調べつつ、これまで対応してきたWordPress案件の受注〜納品までの流れを思い出し、フローを書き起こした。書き起こしたフローはさらに、「いつ・誰が、何のために・何をする」について深堀りを行い、その結果、工程ごとに必要となる情報・シートが見えてきた
  3. ヒアリングシートの整備
    →ヒアリングすべき項目の洗い出しとシートへの反映を行った。項目の要否は定例会議でチェックを行い、採用となったものをフォーマットへ反映。案件によっては、ディレクターがヒアリングを行うこともあるため、使いやすさを考えディレクターが使用しているヒアリングシートのフォーマットをベースに項目の編集・追加を行った
  4. 要件定義書のフォーマットの整備
    →要件定義書自体は既に作成・使用しているものがあるため、今回作成したヒアリングシートを元に、既存の要件定義書に追加する項目がないかを確認した
  5. テスト項目書のフォーマットの整備
  6. 運用マニュアルのフォーマットの整備
  7. 営業活動のための整備
  8. 営業活動の実施

初心者チーム、中級者チームそれぞれでまだ取り組みを継続中ですが、中級者チームで整備したヒアリングシートは案件での活用が始まっています。今回の整備により、要件の聞き漏れもなく、スムーズな進行につながり好評価をいただいています。

最後に

企業のWeb活用において、CMSは不可欠になりつつあります。特にWordPressは、最も有名であり導入規模も世界有数で、学習教材などもたくさんあるため、知識がない状態から新規に学習しながらの制作導入を検討されている企業の方もいるかもしれません。

ですが、信頼性の担保も重要である企業サイトにWordPressを導入し、かつ長く運用していくうえでは、ノウハウをもったパートナーにしっかり伴走・構成してもらうことは重要であると考えています。CMSを検討の際は、WordPressが得意なノヴィータにぜひ相談してみませんか?

 

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