NOVILOG

株式会社ノヴィータが運営するブログメディアです。メンバーのこと、文化や価値観、ノウハウ、様々な活動などについて発信します。

チーム戦移行期を支えた、「予防力」と「切り出し力」 (No.10 藤村咲希子さん)

「入社当時はWEB制作の何たるかもほとんど知りませんでした」

2015年入社の藤村さんは、7年前を振り返るとこう語った。

「入社後から一貫して、自分なりに必死で頑張っているつもりでしたが、周りからはそつがなさそうに見えていたかもしれません」
その落ち着いた話し方からは、確かに「がむしゃらに、モーレツに働く」姿はイメージしにくい。しかし彼女こそが、ノヴィータの「チーム戦体制」への移行を支えた、影の立役者だった。

キーワードは「予防力」と「切り出し力」だ。

就活では自分の行くべき場所を決めかねていた

入社時はWEB初心者も同然だったと話していた藤村さん。
そもそも学生の頃は、WEBやIT業界に絞って就職活動をしていたわけではなかったそうだ。

「特に強いこだわりはなかったんですよ。どこに行っても多分やっていける気はしていて。今振り返ると「甘いな」と思うんですが(笑)その反面、就職活動だけではその会社にいる人のことはわからないと思っていたし、できるだけ会社にいる人のことを知った上で就職したかったので、『どこに行くべきか』自分でも決めきれないところがありました。
中途半端な気持ちのまま就活をしていても結局上手くいかないんですよ。そんな中、インターンをしていたノヴィータから何度も『おいでよ』と声をかけていただけたのはありがたかったです」

目の細かなザルでトラブルの芽を発見する「予防力」

インターンを通じて社内の雰囲気やメンバーの人柄に惹かれ、藤村さんはノヴィータに入社。WEBサイト制作の監督役、WEBディレクターとして働くこととなる。

入社から数年経ってから自分の長所に気付けた、エピソードを話してくれた。

「商品紹介サイトの定期更新で、ミスが続いている案件がありました。『リンク先の誤りなど細かなミスをクライアントから指摘されては謝罪、修正』という流れが頻繁に発生していたんです。
その案件で私はサブメンバーだったんですが、サブでもCCでメールのやりとりが見られて、仕事の流れは把握できる体制でした。だから、どこを直すべきなのか考えるためのヒントはたくさんありました。
それで、更新前のチェックリストをブラッシュアップすることを提案したんです。ざっくりしたリストだったので、ケアレスミスを減らせるよう修正項目を細分化して確認できるようにしました。ザルの目を細かくしていくような感覚でしたね」

結果、その案件ではミスが減少。その他の案件においても藤村さんは細やかな改善提案を行い、クライアントや先輩からの評価を高めていく。
藤村さんのこの丁寧さと慎重さはどこから生まれたものなのだろうか。

「実は改善提案を出せるようになる前、重要な書類の提出先を間違えるミスをしてしまったことがあるんですよ。幸い大事にならずに済みましたが、伝わってはいけない情報が書かれていたので、お客様に失礼なことをしてしまいました。その時は「『もうノヴィータさんじゃなくてもいいよね』って言われてしまったらどうしよう」とも考えて。失敗しないよう、特に慎重に仕事を進めるようになったのはそれ以降ですかね。
心配性で、 常に最悪のケースを想定してしまいがちなんです。なので、そもそも最悪のケースに至らないよう、ミスをつぶしていく体制を整えたところはあります。
細かな減点の積み重ねで少しずつ信頼を失ってしまうので、クオリティの担保は絶対大事にしたいと思っています」

社内の変化を支えた「タスク切り出し力」

藤村さんが入社した2015年は、三好さんが新社長となりノヴィータの就労環境整備に着手した時期だった。
個々に仕事をする個人戦体制を脱し、みんなでフォローし合えるチーム戦ができる会社を目指す中、藤村さんが改善提案をできた案件も、チーム戦に移行したメリットが表れた一例といえる。

そして2017年頃、チーム戦体制が整ってきた頃に藤村さんはもう一つの力を発揮する。 「タスク切り出し力」だ。

当時から現在に至るまで、ノヴィータにはさまざまな理由により時短で働くメンバーが多数在籍している。時短メンバーと円滑に仕事を進めていくためには、タスクを切り出す力が必要不可欠だ。
「AさんとBさんでこのサイトのトップページを作ってください」と指示するより「このサイトのトップページを作ります。Aさんはデザインを担当、Bさんは文章を担当」と細かく指示するほうが、各人のやることが明確で分かりやすい。このようにタスクを切り分けると、限られた時間内でそれぞれが最大限のパフォーマンスを発揮しやすくなる。藤村さんはこのタスク切り出し力が高く、多様性のあるメンバーがいるチームの潤滑油に。チーム戦を目指すノヴィータに欠かせない人材となっていった。

「入社後数年が経過すると、当然業務量が増えていきます。
そんな中、「自分でやった方が早い……けれども、少しだけでも手伝ってほしい」という状況が発生し、意識してタスクを切り出し他のメンバーに依頼するようにしていきました。

 【目の前に仕事があり、リソースが足りない人】と、【今、目の前に仕事が少なくて、リソースがある人】この人たちのリソースの隙間を埋めていく感覚でタスクを割り振っています」

タスク切り出し力はトラブル予防にも繋がる能力だ。
タスクを細分化できなければ、細やかな対応をしてミスを防ぐことはできないためである。

育成に正解はない、でも、相談する文化は継承したい

予防力と切り出し力を皮切りに、徐々にタスクマネジメント能力を開花させていった藤村さん。この春からWEBディレクターチームのリーダーとなり、後進指導も本格的に担うようになった。
ただ、教育方法については迷うところもあるようだ。

「『最初にAをします、次にBをします』という説明が最初から当たり前になっていると、何故その順番なのか、そのプロセスになっている理由を自分で考えるきっかけがなくなってしまいます。
虫食いのクイズみたいに途中ボカして言わないようにしたら考える力がつくかな、でも、方法は分かっているのにあえて提示しないのはどうなんだろう……とも思います。何が正解かはまだ分かりません。ただ、メンバーの成長には必要なステップなので手探りで進めているところです」

育成に正解はない。同意する人も多いだろう。
悩むこともあるものの、藤村さんには「話をする、相談する文化を継承したい」という強い気持ちがある。

「上長や部のメンバー、会社全体の努力もあって『相談する、チームで動く』という土壌が出来上がっています。それは是非受け継いでいきたいです。
リーダーになってまだ数ヶ月ほどしか経っていませんが、意識しているのは『話しかけやすさ』です。私が積極的に働きかけなくとも話しかけてもらえる状態にしたいんですけど、『いつでも話しかけやすい雰囲気を保つ』のも難しく感じています」

コロナ禍に先駆けて多彩な働き方を実現してきたノヴィータ。他社より早くトライしているからこそ、オンラインでは対面に比べ、「相談や雑談」がしにくい点を自覚している。藤村さんだけでなく他のメンバーも日々、やり方を模索している最中だ。
とはいえ、「多様な働き方が、働き続けやすさをもたらす」ことを知っているだけに、多様な働き方を諦める理由にはしたくないと考えたノヴィータではこの点をカバーするべく、ZoomやSlackでのオンライン朝会と終礼、定期雑談会など、コミュニケーションをとる機会を積極的に設けている。

評価を引き寄せた「頑張り」

今でこそチームリーダーにもなった藤村さんだが、新人時代は仕事をやめようかと考えたこともあったそうだ。
しかし、諦めず地道に仕事を続けているうちに、ノヴィータ社内でも案件を安全に運用していくことの重要性が再認識されていくようになった。クライアントとの関係維持には、トラブルのない運用で信頼関係を構築することが何より重要だ。
運用案件での尽力とディレクターとしての成長が認められ、社長賞の受賞経験もある。

「『私、頑張ってます!』って感じのアピールができるタイプではないんですよ。ずっと自分なりに頑張っているつもりでしたが、周囲には伝わりにくかったかもしれません。だから認められていると思えなくて、仕事を続けるか迷った時期もありました。でもやっぱり最初の数年でやめなくてよかったです。
『頑張っていればいずれ認められる』最近はそう思えています」

編集後記

今回、「予防は評価されにくい」という話を思い出した。
「既に発生してしまったトラブルやシステム障害への対処は目立つし評価されやすいが、未然に防がれたものは評価されにくい。発生していないからそもそも表に出ず評価しようがない」という説だ。

評価されにくい仕事を頑張っていても仕方ない。そう思う人もいるかもしれない。
ただ、評価されにくい仕事ではあっても世の中に必要な、大事な仕事なのだ。
ミスが発生しなかった仕事は、ミスを発生させなかった人のおかげで成り立っている。そうやってクライアントとの信頼関係が強固に築かれていく。

「藤村さんが活躍する時期と重なって、クライアントとの大きなトラブルが減っていった」という話を聞いたのが印象的だった。
細かなザルの目を通して丁寧に精製された素材が、隙間なく安全な運用体制を構築していく……。

 藤村さんは今日も、メンバーが安心して歩いていける「道」を作っている。

 

(インタビュー・文 石林グミ)

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