NOVILOG

株式会社ノヴィータが運営するブログメディアです。メンバーのこと、文化や価値観、ノウハウ、様々な活動などについて発信します。

飄々と、そして社内システムには厚く(No.12 寺瀬功一さん)

 

「ノヴィータは以前からリモートワーク体制を整えていたので、コロナ禍において、出社か在宅かで困ることはなかったです。でも、やっぱりオフィスで直接メンバーと会わないと、課題を見つけにくくて歯がゆく感じることはあります」

こう語るのは、ノヴィータで情報システム管理を担当している寺瀬功一さんだ。
「情報システム管理」と聞くと「IT技術全般やセキュリティ対策に強い」という印象を抱く人が多いだろう。しかし寺瀬さんの業務はその範囲に留まらず、事業継続性の担保、就労環境の整備まで幅広い。

「社内環境を良くするため、自分ができることは何でもやろうと思っています」
役職名は会社によって異なれど、今の時代、情報システム管理をせずに回る企業はかなり少ない。
今回は、現代の企業運営に不可欠な業務を一手に担ってきた寺瀬さんをご紹介する。

 

最適なツールを選び出すための、姿勢と理解

今でこそ業務を分担するメンバーが存在するものの、寺瀬さんはこの5年ほどノヴィータの情報システム管理を1人で担当してきた。
主な業務としては社内システムや各種端末の運用・管理、ヘルプデスク、セキュリティ対策などが該当するが、寺瀬さんの近年の功績を説明するのに欠かせない要素がある。業務支援ツール選定と、「社内体制全般」への深い理解である。

ノヴィータでは社員一人一人の多様な働き方を実現するため、各業務を細かく切り分けてタスク分担し、チームワークで業務を遂行していく体制を構築している。どのように業務を切り分けていくかは各部署、各職種でそれぞれ異なるが、切り分けた後のタスク可視化、分担、進捗管理支援ツールを選定したのは寺瀬さんだ。
世の中には業務支援ツールが多数存在し、どれを選ぶか頭を抱える方も多いだろう。
ノヴィータの目指す姿を実現するために最適なツールを選べたのは、寺瀬さんの知見によるところが大きい。
このツールは与えられた業務をただ遂行するのではなく、自分で思いついたタスクを追加、可視化するのも容易だ。それはメンバー各自の提案を進んで取り入れていきたいノヴィータの社風と上手く噛み合っている。
そのツールに関しては寺瀬さんは他メンバーと共にユーザー会に1回目から参加、多彩な要望提案をしてツール改善に寄与しているそうだ。また、適切なツール選定には情報システムだけでなく社内のありとあらゆる部署への理解が欠かせない。

寺瀬さんは日々、広報、労務、経理、法務など多数のメンバーと対話を重ね、業務への理解を深め、ノヴィータの目指す多様な働き方を実現できる体制支援に寄与してきた。しかし、ただ話を聞いて理解を深めるだけで業務改善をできるわけではない。改善のために何をするべきか……ツール導入か、新アイテム調達か、あるいはメンバーへの教育か……。

同僚を顧客と見立て、顧客が本当に必要なもの、必要な手段を選び出す。
それは一朝一夕に実行できるものではない。
寺瀬さんのこれまでの経験がそれを可能にしたのだと言える。

 

「貢献できた」と強く実感できる仕事を求めて、開発から情シスへ

寺瀬さんは情報システム管理からキャリアをスタートさせたわけではなく、もともとはWEB業界のエンジニアとして受託開発や自社プロダクト開発などを経験してきた。
プログラミング、要件定義、各種設計、チーム管理、顧客折衝などなど、開発に関するスキルは一通り身につけているベテランだ。だからこそ情報システムに関するありとあらゆる知識を網羅的に身につけており、状況に応じた最適解を選ぶスピードも早い。

「自分ができることは何でもやる」

そのためにはエンジニア経験のないメンバーへのプログラミング教育を行うことさえある。プログラミングに初挑戦し、途中で挫けそうになったメンバーを激励。いくつかの作業を自動化させることに成功したそうだ。
必要な時に必要な言葉をもって、相手を励ますことができる。
それは、寺瀬さん自身も壁にぶつかった経験があるからこそなせる技なのだろう。

「自分自身を振り返って見ると、学生時代はスポーツ、20〜30代くらいは仕事で、『高みを目指そう』と思う気持ちが強かったです。それは悪いことではないんですが、高みを目指し続けるともちろん、挫折することもあります。
プログラミングやシステム開発でトップクラスを目標にし続けるのはかなり難しい。
そう気付いた時、自分の望むキャリアは変わっていきました」

寺瀬さんが情報システム管理を希望したのには別の理由もあったそうだ。

「ノヴィータ入社以前は、大企業の社内システム開発などさまざまな仕事をしてきました。でも、外部の受託SEとしてそういう仕事をすると、お客さん側、利用するユーザーの顔を直接見られないんですよね。実際に話をするのは上層部の人やIT担当者で、実際そのシステムを利用する人間ではなかったりする。
自分が携わったシステムや改善案に対して同僚がスムーズに働けるようになるさまを直接見て、すぐにフィードバックが得られる。それを期待して情シスをやってみたいという気持ちが強まっていきました。
そんな風に自分が『貢献できた』と思える仕事をやりたいと思っていたところ、縁があってノヴィータに入社したんです。

入社後しばらくは受託SEをすることになり、かなり大変な仕事も経験しましたが……(笑)その後、当初希望していた情シスへと転身できました」

 

真摯で広範な情報収集能力をもって、業務改善の芽を見つけていく

入社当時、2015年頃のノヴィータは現在ほど社内体制が整備されていなかったため、採用時の希望と異なる業務を担当することもあったらしい。
寺瀬さんはそんな逆境をどうして乗り越えられたのか。

「意外と義理堅いんですよ。
ノヴィータを紹介してくれた友人の顔を潰したくない。そういう義理人情みたいな感情で動くところがあるんです。そんなこんなでいつの間にか、7年もノヴィータで働いていたことになりますね」

このように自分のことを「『意外と』義理堅い」と評す寺瀬さんだが、じっくりお話を聞いていくと「義理堅い」のは意外でも何でもないことがよく分かる。

真摯に周囲の声へ耳を傾け、改善に取り組んでいく。
高い目標を目の前にして、挫けそうなメンバーを鼓舞していく。
義理人情、人の気持ちを解さない人間にできることではない。

寺瀬さんはコロナ禍以前、出社しているメンバーの様子をよく観察していたそうだ。
「『この子、調子よさそうに働いてるな』とか『しんどそうだな』とか。そういうのが今は見えなくなってしまいました。なので、『どうしたの』とか声がけするのも勿論やりにくいです。
以前は、社内で上手く噛み合ってない会話を遠くから見て「これは双方もう少し伝え方を変えたほうがいいんじゃないかな」と思ったことなどを課題として、社内改善のきっかけにできることもあったんです。今は本当にそういうのが難しくなりました」

現在のノヴィータではメンバー間のコミュニケーションが取りやすいよう、多様な定例オンラインミーティングの機会も設けられている。しかし、実際に出社して顔を合わせた時とは得られる情報の質が異なる。
今後もこの点は課題となるだろうし、実際に各種ヒアリングを現在どのように行っているのか寺瀬さんに聞いてみると

「話を聞くのは意思決定者に絞っているため、そんなに広範にヒアリングしているわけではないです」
という回答も返ってきた。
しかしそんな中でも、寺瀬さんは多部門のメンバーと連携して新たな業務改善の芽を育てていっている。

「直接会う機会は減ったものの、支援ツール導入の打ち合わせなど各部署とオンラインでやりとりしているうちに、会話のふとしたきっかけから業務改善のポイントを発見できることもあります」

寺瀬さんが総務や経理と組織しているBCPチームでは、リモートワークをしている社員それぞれに防災リュックを配布を決定、これは既に実行されている。「全社員に安心して働ける環境を」という願いから生まれた施策である。
また、寺瀬さんはコロナ禍以前のオフィス移転の際、快適なオフィスチェア導入にも尽力したそうだ。

ただ「どこにいても働ける」設備を用意するだけでは、安心して働ける環境とはいえない。どこにいても働けて、かつ、「有事に備え、安心して仕事を継続できる」事業継続性、快適かつ健やかに働いていける就労環境整備、それらを意識して動く寺瀬さんの業務は最早情報システム管理者の枠に留まらない。社内システム管理と言っても過言ではないだろう。

飄々と、義理堅く、そして社内システムにも厚く。 
より良い環境構築のため、常に社内外へ様々なアンテナを張っている寺瀬さん。
その眼差しは、鋭くも温かい。 

 

編集後記

「高度に発達した科学は魔法と見分けがつかない」という言葉がある。
プログラミングもできず、セキュリティ対策の知識も乏しい人間からすると、情報システム管理者という仕事はまるで「魔法使い」のように見えることさえある。
取材中にそう伝えると、寺瀬さんはこう返してきた。

「そこまですごいわけじゃないです(笑)自分では『用務員のおじさん』みたいなものだと思っています」

終始控えめに語り、功績を自分から喧伝するようなことはなかったが、寺瀬さんのお話からは、「メンバーと会社のために最善を尽くし、合理的に支えていこう」という気概を窺うことができた。

 

(インタビュー・文 石林グミ)

仲間を求めています! 募集中の職種はこちらから(Wantedly)

www.wantedly.com