NOVILOG

株式会社ノヴィータが運営するブログメディアです。メンバーのこと、文化や価値観、ノウハウ、様々な活動などについて発信します。

伴走型営業、深掘りする  〜大規模クライアントへの課題提起からオウンドメディア立ち上げまでを振り返る〜


こんにちは、ノヴィータ営業部長の鶴岡です。

営業経験は20年以上。日々、「顧客の本当に必要なものは何か?」を考え、提案するのを信条として仕事をしています。

さて、営業というと「リード獲得していかに効率よく発注までもっていくか」という短期目標に目が向きがちですが、大規模組織や慎重派なクライアントが相手の場合、予算獲得前~予算獲得~発注まで年単位で時間がかかることも珍しくありません。

クライアントの根本的な課題解決に取り組むには、提案側にも長期的視野が必要ではないか。真に「クライアントの課題解決をする」とは、どういうことか。

今回はこのお話をしたいと思います。

時間がかかることを理由に、課題解決の根本検討を避けていないか

「本当はもっとこのあたり、どうにかしたほうがよさそうだよなあ」

営業職に限らずエンジニア職でもバックオフィス職でも、仕事中にこう思うこと、ないでしょうか。
社内の課題であれば上長に相談して解決へと向かうでしょうが、相手がクライアントとなると社外のことなので、そう簡単には話が進みません。

また、クライアント自身がその課題に気付いていなかったり、気付いていてもその内容を明確にできていないこともあります。そんな時、相手の悩みの根源に寄り添って言語化を手伝うのも営業の大事な役割の一つです。
自社商材の提案、成約はもちろん営業の至上命題です。しかしそれにとどまらず「顧客の悩みを解決する」ことこそ営業の醍醐味、営業の真髄だと私は考えます。

「そうはいっても設定目標はある。そんなじっくり話を聞き続けるのは難しい」という声も聞こえてくるような気がします。
ノヴィータでももちろん設定目標は存在しますが、既に記事でお伝えした通り、「短期案件と長期案件をうまく組み合わせて目標を達成する」「お客様に向けて、介在するからこその価値を提供する」ことを大切にしています。

今回は、焦らずクライアントの声をじっくり聞くことで得られることもあるという一例を紹介していきたいと思います。
何万人も所属メンバーがいる大規模組織に対し、全くゼロの状態からオウンドメディア立ち上げまで漕ぎつけた時の話です。

ビジネスの始まりは劇的とは限らない、できることから始めよう

きっかけは、そのクライアントが他社と異業種コラボをしているのに気付いたことでした。

「コラボしているサービスは自分以外にも愛用していた社員がおり、できればご一緒して関わってみたい。すぐに仕事にならなくても弊社もなにか関わりが持てるのではないだろうか?」

我ながら安直な考えだったかもしれませんが、ビジネスの始まりというのは常に劇的なものとは限りません。思いつきをどうやって実現させるか考える……これも仕事で面白いところの一つです。

運も味方してアポイントを取ることに成功し、初回ご訪問ではノヴィータがどんな会社か知ってもらうところから始めました。
WEBサイト制作、WEBマーケティング、システム開発、人材サービス……何かお役に立てることはないか。まずはノヴィータ自身のプレゼンを行い、興味を持っていただけたことでやりとりが始まることになりました。

クライアント自身も気付いていない課題を探すべく深掘りする

しかし、長かったのはそこからです。
様々提案をしてみましたが実現には至らず、そもそもクライアントの課題が何か掴みきれなかったり……。

大事にしたのは「クライアントの会話の壁打ち相手になる」ことです。それにより「悩みの根源に寄り添い、隠れた課題の言語化を手伝う」ことが可能になります。

定期的に近況を聞いて、細かな課題を発掘していく。
ブレストやディスカッションの相手になる。
WEB会議もとても便利なものですが、対面でざっくばらんにブレストをすると、たくさんのヒントが得られます。雑談のしやすさはやはり対面が1番ですし。
また、最近ではブレストの相手をChatGPTにやってもらう人もいるようですね。使えるものはなんでも使う。素晴らしいことです。

武器である自社商材を携え、時に自社商材以外が最適である可能性を意識しながら、日々変わりゆくクライアントの要望と状況に応じた最適な提案をできるのは、我々営業しか存在しません。

そうやってクライアントと対話を重ね、ぼんやりとした課題を明確なものにしていくためには、すぐに何かが成約しなくとも、さまざまな角度から提案を続け、関係性を保ち続けるのも大事です。
課題が明確になっていなかった時は話を聞くだけでなく、「あれがダメならこれ」「これがダメならそれかな」とこちらからも提案し続けていました。

2年、3年と提案を継続し、クライアントの期待値が低から中、中から高に変わっていきます。今振り返ってみると、提案の継続を通して、「ノヴィータにお願いしてもいいかな」という状態へ徐々に進んでいったように思います。マーケティング用語でいう、ナーチャリングと呼ばれる状態だったかもしれません。

そもそも、クライアントから「もう来なくていい」と言われてしまったらそこでおしまいのはずなんです。長期間に渡ってやりとりを拒まないでいてくれたクライアントにも感謝しています。
長期継続案件に成長したのは、クライアントとの良い関係があってのことなのだと思います。

傾聴で掘り当てた課題が、やがて成約という実をつける

ここではすべてを書ききれませんが、オウンドメディア立ち上げに至るまでには数年を要しました。
何度も訪問し、ヒアリングをさせていただいてクライアントの希望や課題感がいろいろあると把握できていたものの、ノヴィータとして上手くお力添えができない日々が続いていたんです。

しかし、ある時のディスカッションで新しく見つかった課題が突破口となります。

「関係者を巻き込んだビジネス創出力が弱い」

解決のための仕組みをうまく機能させている競合も多い業界でしたが、クライアントの組織ではまだ課題となっている部分でした。
クライアントの状況では若手が活躍しやすい場は特になかったため、意見交換の場も兼ねて、若手に取材するオウンドメディアを立ち上げようという目標が定まっていきます。

光が見えた瞬間でした。

既存の公式サイトはやや形式ばった作りだったため、「オウンドメディアはもっと親しみが持てる作りにしたい」とのご希望でノヴィータが制作を請けることに。
オウンドメディア運営と言えば、ノヴィータの得意分野です。見せ方やサイト構築、取材方法などこれまでに培った知見を活かし、クライアントの要望を徐々に明確な形に作り上げていきました。

運営にあたっても一部支援を行いました。開始当初は大人数で運営していましたが、回を重ねるにつれ最適な手法が見えてきて、現在は取材など少数精鋭で行えるように落ち着いてきています。

今後は、さらなるコンテンツの充実、また、「自分もこのメディアに出てみたい」という問い合わせが増えることを目標としています。

課題を抱えるクライアントに、営業ができること

今回ご紹介したこの事例、初回ご訪問の時点ではこういったお付き合いになるイメージはまったくありませんでした。
何かしらアイテムを制作し納品する、場合によってはSESの業態でエンジニア契約を提案するなど、さまざまなパターンを想定していたものの、当初のイメージとは全く異なる結果に落ち着いています。

クライアントの言語化されていない悩みに寄り添って課題解決をしようと奔走した結果であって、予定外になったことは決して悪いことではありません。

同時期にお会いしたクライアントの中でも、成約していないところもあれば1年半で成約した企業もあります。
マーケティング、事業連携、DX等。可能な限り提案に手を尽くしてみても、やはりどうしても結果に結びつかない時もあります。
しかし、そこですぐ諦めたり「もう決まりようがない」と決めつけると全ては終わってしまいます。諦めず関係性を保ち続け、提案、対話を重ねることで、クライアントの力になれる瞬間が来る時があります。

クライアントも、そしてこちらも、日々状況は変わっていくものなのです。

昔は刺さらなかった提案でも今だったら刺さるかもしれない。あるいは、昔できなかったことが、今ならできるようになったからお役に立てるかもしれない。そう思えるタイミングは、諦めてしまった者には訪れません。年月を重ねないとなし得ないものもあるのです。

長きに渡りクライアントに寄り添い、課題を深掘り、言語化し、解決に導いていく。
そのイメージは短距離走ではなく長距離走に近く、しかも、走る距離が5キロなのか、10キロなのか、42.195キロなのかはやってみないと分からないものです。

先が見えない長距離走を続けるのは苦しい時もある。でも、やりきった後に無駄ではなかったと思える時がある。今回のクライアントのケースは、諦めないことの大事さを改めて私に教えてくれました。

伴走型営業は今日もクライアントを深掘りし、共に走り続けていきます。

 

ノヴィータのサービスにご興味がございましたらお問い合わせください!

docs.google.com

 

コーポレートサイトもぜひご覧ください。

www.novitanet.com

 

仲間を求めています! 募集中の職種はこちらから(Wantedly)

www.wantedly.com