NOVILOG

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中小企業の文書管理のコツは、ゴールを決めること

 

こんにちは、経営企画室の長山です。普段は主にバックオフィス業務に携わっています。

先日、社内で「文書管理」をテーマにした発表を行ったところ、このテーマは多くの中小企業に必要な考え方だと好評いただきました。そこで今回は、実際に行った発表を元に「中小企業における文書の管理と保存」についてお伝えします。

適切な文書管理は難しく気力も必要ですが、ぜひ参考にしてみてください。

 

文書管理をする理由

会社を経営していくうえで、文書を適切に保存し管理していくことは重要です。ですが重要なのはわかっていても、実践できていないという方も少なくないと思います。そもそもなぜ文書を管理する必要があるのか、その理由から再確認していきます。

ここでの文書は、主に申請や届け出などの手続きで発生する書類のことを指します。社内でこうした手続きが発生した際に作成した書類を保存することが文書管理です。

文書管理が適切になされている場合、社内の担当者が得られるメリットには「過去に対応した類似する作業を参照できる」というものがあります。また、予め保存・管理方法を決めておくと、実際の作業段階でも業務プロセスが見通しやすくなり、作業を円滑に進める助けになります。
さらに申請者や、複数人で分担して作業を行う場合など、作業関係間で保管場所の認識を合わせておくことで、更新作業や確認が円滑に進む体制が構築されます。その結果、業務理解やフォローにかけるコスト軽減が可能です。

もし手続きに対して問い合わせがあっても、スムーズな対応が可能だったり作業者以外でも確認が行えたりというメリットもあります。

文書によっては、法律で文書保管の期間を義務付けられているものもあります。内容によりますが、「総務にかかわるものは2〜5年間」「経理は7年間」「会社法にかかわるものは10年間」と定められているのです。

他にも、ノヴィータでは代表・監査役・情報システム部門・管理部門と会話を重ね、個人情報が含まれる文書の管理方法を定める個人情報プロジェクトを行っています。

このように現在のノヴィータでは文書を適切に保存・管理していこうという意識を多くのメンバーが持っていますが、全社リモートワークとなったタイミングで、改めて文書の保存・管理の課題整理が必要となりました。
そこでどのようなステップを踏んで改善策を打ち立てたかについて続いて説明をしていきます。



文書保存・管理の課題と改善策

文書管理というとこれまでは紙での管理が基本でしたが、最近ではデータ保存が可能なものも増えてきました。ここでは「住所変更手続き」を例に、課題から改善までを見ていきます。

課題・現状把握

住所変更手続きを行う際、大きく4つのステップがあります。

  • 申請書類の準備
  • 社内確認
  • 保険組合への届け出
  • 手続き完了後の文書保存

このうち健康保険組合への届け出は、紙での提出が現状では必須です。ですが、届け出の申請様式はExcelで、代表の押印は不要となっています。つまり、ここでは紙とデータの両方の使用が必要です。

要検討事項

紙での提出が必須という現状に対して、「出社を前提とした作業・保存をしなければならないのか」という課題から、2つの要検討事項を導き出しました。

1つ目が「すべての作業の工程を紙前提にしてしまうと、関係者の出社に合わせた進行になり、届け出が後ろ倒しになる」懸念です。ノヴィータはリモートワークを全社的に取り入れており、私たちバックオフィス担当者も出社は週1日程度で日々の勤務は基本が在宅です。そのため紙を前提にした作業進行は、作業者の出社日の調整を挟まなければならず、リアルタイムでのやり取りが進まないのです。

2つ目が「そもそも申請書類の準備や社内確認は紙でのやり取りが必要なのか」というものでした。健康保険組合への提出方法は独自に変更できるものではありませんが、社内でのやり取りは違います。
住所変更手続きの場合は、申請様式がExcelかつ押印が不要のため、社内では紙を前提とする必要がありませんでした。

こうした検討事項に対して一つずつ改善策を立てていきます。

改善策

まずは私たちではコントロールできない条件を把握し、変更が可能な工程との線引きを行いました。例でいうと、健康保険組合への提出方法に該当します。届け出は紙での送付が現状は必須なので、出社日に対応する必要があります。
ただし、申請様式がExcelかつ押印不要という条件が揃っていたため、社内での書類作成・保管にはクラウドストレージを利用したり、社内確認の際はメールやSlackといったチャットサービスで行うことができました。

工程ごとの対応を洗い出すことによって、「健康保険組合へ届け出する前の工程は在宅ワークで行い、書類を送付するときだけ出社する」という、申請までのフロー改善ができたのです。

改善策を考えるポイント

文書保存・管理をする際には、作業手順の現状把握は欠かせません。まずは現状のフローを理解したうえで、「誰が」「いつまでに」「どの作業をするか」といった、手順の見直しと決定を行うのがポイントです。
その際には「手順や担当者の作業場所の見直しが必要かどうか」というレベルから関係者間で会話し、認識のすり合わせを行います。手順の決定後は、認識のすり合わせを会話だけで終わらせず、関係者全員が共通認識として運用できるようにチェックリストにまとめるといった方法で可視化していきます。

ここでのコツは、「手順や工程ごとに作業文書の保存方法や場所を決めておく」ことです。その作業は出社しないとできないことか、在宅でも対応できるのか考え、クラウドストレージのどの階層(フォルダ)に配置すべきかを判断しています。

データを保存する際は、以下3つを意識しています。

  • フォルダ名でステータス(進行度合い)がわかるように分類
  • ファイルのバージョン名は作業日ごとに更新する日付版で管理
  • 進行管理ツールで関係者間でステータスとファイルの置き場所を共有

少し配慮するだけでも、文書管理は一気にラクになります。最初から網羅しようとするのではなく、ルールを決めてから取り組むのが良いかもしれません。

文書を整理する際のイメージ

私たちが現在、文書を整理する際の仕分け方について紹介していきます。文書整理を行う場合、初めにその案件の作業頻度や規則性といった観点から、保存する場所の構成を考えます。

従業員の住所変更手続きの書類を保存する場合の仕分け方は以下のようになります。

  • 発生頻度…毎月の可能性は低いため「突発」
  • 規則性
    • 書類の種類は「住所変更手続き」
    • 閲覧頻度は「不定期」
    • 閲覧範囲は「手続きを行う部署のメンバーのみ」

これらの要件を満たし、手続きを行う部署が閲覧できる場所を決めます。またこの際、ファイル名のつけ方も考える必要があります。保存した書類を後で見返すことも想定し、下記の3点に留意したわかりやすい命名を心がけます。

  • どの人(取引先)の手続きなのか
  • どういった届け出の書類なのか
  • いつ頃提出(作成・契約)した書類なのか

初めは何から取り組めばいいのかわからないとなるかもしれませんが、一定のルールとして運用することで、現在は文書の整理から管理保存までを適切に行えています。

 

文書保存・管理業務で得られること

文書保存・管理を適切に行えるように環境を整備してきたことで、得られた学びや気づきがありました。それは、文書保存・管理について意識することで、毎日の少しの時間からすぐに実行できるということです。

紙・データともに、文書の整理整頓を後回しにすると後々に書類を閲覧したいときにデータを探す余計なコストがかかります。ですが文書を保存する期間や場所を事前に関係者間で定めておくことで、必要な時は決められた所を確認するだけで仕事が捗るようになりました。作業をした人でなくとも閲覧や編集が行えるため、生産性や作業効率も向上しています。

事業会社である以上文書管理は必ず行わなければなりません。ただ残しておくだけでなく適切な保存管理を行うには、環境の整備から必要な会社も少なくないと思います。
ですが工程ごとのゴールを決めて、少しずつでもルールの下で運用していくことで、行き届いた管理へ近づくことが可能になります。ぜひ、今回ご紹介したルールやポイントといった「コツ」を参考にしてみてください。

 

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