デザイナーに限らずノヴィータの社員は、個人で売上目標をもっています。
「デザイナーは、品質に集中し、売上数字を知ることは不要。売上は、営業や管理者だけが知っていればいい」
もちろん、そういう会社もあります。ゴール設定の違いなので、とにかく品質を評価する、という方法もあります。
ただ、ノヴィータのような中小以下の規模の小さな組織では、個々の能力が、組織に与える影響は大きい。だからこそ、どんな職種でも個人での数値目標は必要だと考えています。
今回は、ノヴィータでクリエイティブ部門の部長をやっている私、川村から、数値目標の必要性についてお伝えしたいと思います。
デザイン職など、物事を数値化できない定性的な評価をしがちな職種を抱えている中小企業管理職の方へ向けた記事になりますが、なぜ管理者が売上目標を個人に課しているのか?メンバー職の人もここを知っていると、今後の仕事での成長やチームメンバーとの関わり方が変わってくると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
なぜ、ノヴィータでは個人への売上目標があるのか
結論から言いますと、「個人が周りと協業することで、会社組織として、お客様へ最大の価値提供をするため」です。管理者側は「個人の役割を分担しそれぞれが得意を発揮することで、顧客に高付加価値なサービスが提供できる」と考えています。そのため、個人の能力を最大限活かすために、個人への売上目標を設定しています。
またノヴィータの文化でもあるのですが、ノヴィータは各個人のライフステージやイベントごとに柔軟な働き方(週3勤務やフルリモート勤務など)が可能で、それを実現するためには、組織内での業務の引き継ぎや切り替えがどうしても必要になるので、相互で補完し合うのが当たり前、と考えてもらえるようにしています。
個人の目標を達成できる人の中には、「なぜ、人の手伝いをしなければならないのか?」と疑問に思う人も出てきます。それでも「助けるっていう行為が発生するのは良いこと」とするのは、「相互で補完し合う」というノヴィータの文化があるためです。
個人戦をしたいなら、フリーランスになるか、他の会社への転職を推奨しています。
企業の社風に合う、合わないは人それぞれですが、一般的に「働きづらさ」のことを意外と多く聞くのは、相互補完の考えを持っていないからかもしれません。
会社組織で働く以上は、企業理念に共感できるかは、働くうえでポイントになってきます。管理側はメンバーに理解してもらうのはもちろんのこと、メンバー自身も納得したうえで業務を遂行すると、より働きやすくなると思います。
売上目標と算出方法の仕方
では、ノヴィータでは、どのように売上目標と算出方法を管理しているのか具体的に説明していきます。
ノヴィータの売上目標とは、給与グレードに応じた売上の目標金額を指しています。
- クリエイティブチームは、売上=自身の制作原価となっている
- 商材、サービスごとにプロセスが決まっていて、プロセスごとに原価が決まっている
- 案件発生時に各チーム(各メンバー)に見積り依頼をして原価を算出してもらっている
- 自身の制作原価の合算が目標に達しているかで評価している
という内容になっています。
売上目標の算出は、『商材、サービスごとに決められたプロセス』と、『プロセスごとに決められた工数』によって成り立っています。
プロセスとは、商材、サービスを提供するために必要な作業工程を書き出したもので、工数とは、プロセス完了をするまでの時間と費用を指しています。
商材、サービスが決まれば、非属人的にプロセスが決まり、時間と費用が算出されるわけです。
プロセス分解とプロセスごとの工数の算出方法は、
- 商材、サービスごとに、メンバーそれぞれが行っているプロセスを書き出す
- 書き出したプロセスを比較して、メンバー間で議論して、一つにまとめる(仮決めの状態)
- 仮決めプロセスで業務を行い、プロセスごとにかかった時間を記録する
- 記録された時間から、理想的な工数を求める
という手順で決めています。
もちろん、工数算出過程で、競合他社の工数や見積り金額などの市場価格も参考にしています。
ポイントは、完成形を求めないこと。60〜80点くらいで良いんです。そうじゃないと永遠に実行できません。
プロセスと工数は、市場や技術など、さまざまな要因で変動するものなので、定期的に見直して最適化していきます。
ノヴィータでは、業務のプロセス分解を行うことで、商材、サービスごとのプロセスと工数を社員間で共有可能な状態にしています。なので、いつでも誰でも作業工程や工数が把握できます。
管理者側も、目標設定に必要なプロセスや工数、稼働時間のログをつけてもらうことによって、定量的な分析が可能になります。さまざまなことが課題として浮き上がってくるので、解決、改善にも活用できます。
数値目標がないことのデメリット
「売上目標がある」ということはつまり、目標とプロセスと工数が定量的に管理されていることにつながります。
逆に個人に明確な数値目標がないと、
- 品質を上げるのに没頭して、制作時間を使いすぎる
- 属人的に進め方が変わり、制作時間と品質にバラつきがでる
こんなことが起こってしまいます。
結果、自分だけじゃなくてチーム、組織にも影響が出てしまう場合も…。
<チームへの影響>
- 提出時間から遅れる。関係者に迷惑をかける
- 品質が変わり社内チェックに時間がかかる
<自身への影響>
- 時間を使いすぎて多様なライフスタイルに適応できない
- まわりと比較できないので、自分の価値を見積もれない
<組織への影響>
- 会社、組織として品質が均一にならない
- 中長期的な見通しが立てられずスケジュールが引けない
例に挙げただけでも、いろんな場面で困ったことが起こります。
管理者側とメンバー側では見ている景色が違う
もし売上目標を設定することに反発があった場合は、そもそも管理者側とメンバー側では見ている景色が違うことを認識しなければなりません。
- 管理側=チームが大切→だから個人で目標を意識させる
- 管理される側=個人で目標を達成する→だからチームの貢献にもなる
この違いがあるのではないかと思っています。
もちろん、個人、チームでの目標達成のために「何がなんでも他人の分まで仕事して助けなければいけないよ」という考えではなく、管理者側も個人で超過達成している部分は、査定でしっかり評価しています。
だから、ノヴィータでは不満の声はあまり出ていませんが、出た場合は、その数値の達成は再現性があるのか、自分だけの成果なのか、という視点を理解してもらいます。
チームを構成しているのは、結局は個々人です。
だからこそ、それぞれが売上達成を意識するのが最も効果的で、それぞれが売上について考えていれば結果的に大きな反響が得られます。
ノヴィータは、お客様へ高付加価値を提供するためにチームで戦う会社です。中小企業の多くがそうであるように、限られた個人のスキルと能力を最大限に活用する必要があるため、上記の理由から個人での売上目標は必要だと考え実行しています。
メンバー側は、管理者に仕事をふられたら、意識的に「なぜこれをやるのか?」を考えてみてください。背景を理解するように努めると、自身の成長も見込めますし、個人の自己管理能力をあげて自身の働き方も選び取ることにもつながってきます。
以上が、ノヴィータの社員個々人が、売上目標を持っている理由になります。
自分のため、組織のため、顧客のためにも、数値目標が必要であることが伝わると嬉しいです。
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