突然だが7年前、すなわち2015年、あなたは何をしていただろうか。
7年前は既に一定のキャリアを築いていた人もいれば、学生だったという人もいるだろう。
日本の元号はまだ令和ではなく、当然新型コロナウイルスも流行していなかった2015年。ここから、今日に至るまでコツコツ「楽しく」積み上げてきたらどうなるだろうか。
当時ノヴィータは創業10年目、社長交代という転換期を迎えていた。
その2015年に、ノヴィータの新卒第1期生として入社した屋良さんという社員を今回は紹介したい。
新人時代の記憶に残る、周囲の優しさ
インタビュアー
本日は、ノヴィータ社内で「明るい努力家」だと評判の、屋良さんのお話を聞きに来ました。
屋良
よくそう言われるんですけど、私は自分のことを「暗いな〜」と思ってたんですよ(笑)明るいと言われるようになったのは、採用が決まって上京してからです。優しい人がたくさんいる会社なので、引っ張られるように、だんだんと自分を出せるようになっていけたのかもしれません。
インタビュアー
確かにノヴィータといえば人思いな方が多い印象です。その入社当時の状況からお伺いできますか。
屋良
入社してまずはデザイナーとしてLPやバナー、ロゴやWEBサイトなどの制作を主に担当していました。
今振り返ると当時の自分は気持ちばかり先走っていて、いっぱいいっぱいでしたね。スキルアップのために無理矢理、膨大な量の仕事をやろうとしていました。
実力不足を他責にして辞めたくなった時に、「辞めたい理由を解決せずに転職しても、次の会社でまた同じ壁にぶち当たるよ」と言ってくれた先輩がいて踏みとどまれました。「実績を出せるようになって、惜しまれながら辞める方がいい」とも言われて、そのとおりだなと思いましたね。
インタビュアー
困難な状況でもしっかりと意見を伝えてくれる方がいたんですね。その先輩以外にもさまざまな方が屋良さんを気にかけてくれたとか。
屋良
自分はしんどい時、顔に出やすいらしくて(笑)先輩や同期がちょくちょく話を聞いてくれて発散できました。病気で休職したこともあるんですが、「待ってるからね」と言ってもらえて、休職中もこまめにサポートしていただけてすごくありがたかったです。
そうやっていつも「みんなが私のことを見ていてくれる」と思えるので、それに恩返しするために頑張れているところもあります。
初めて感じた「仕事の楽しさ」は、今にもつながっている
インタビュアー
仕事で初めてやりがいや楽しさを感じたのはどんな時でしたか。
屋良
制作したバナーがきっかけで売上がすごく伸びて、代理店の担当ディレクターさんが社内MVPをとったり、案件自体も表彰されたりした時ですね。
その案件では毎月売上報告をいただいてたんですが、それを元に振り返りのミーティングと改善を重ねていった末、得られた成果だったんですよ。「このバナーで過去1番の売上が出ました」と聞けた時に「よっしゃー!」って思いました。
売上という目に見える結果が出たことに加えて、自分の仕事が「他の方が表彰される助けになった」こと、それが強く心に残っています。
インタビュアー
コツコツと積み上げた努力の結実……嬉しさもひとしおですね。
屋良
バナー制作はとにかくたくさん経験していて。案件によっては毎週10本前後、さまざまなパターンを作ってABCテストなどで効果検証をしました。
インタビュアー
現在は前よりも上流工程のポジションで、制作の手前にある構成案を考える仕事が増えているとか。そこにこれまでの経験は活きているんじゃないでしょうか。
屋良
そうですね。これまで、さまざまなデザインを自分で作った経験があるからこそ「こうした方がいいんじゃないか」って引き出しがたくさんあって、構成案を考える基礎にできています。
入社当時と同じくLP制作に携わっていますが、今は私がデザイナーさんに依頼する側になりました。以前よりも頭を使って考える部分が増えた点は大変ですが、面白いです。
インタビュアー
とはいえ経験だけでは足りない場面も発生することと思います。勉強として今どんなことをしていますか。
屋良
解析ツールやWebマーケティングについて書籍や動画で勉強したり、上司が受講したセミナーの内容を共有してもらって参考にしたり……キャッチコピー作成の機会も多いのでコピーライティングについても勉強しています。
インタビュアー
言葉で説明すると一瞬ですが……それって結構やること多いですよね?
屋良
多いです(笑)ただ、案件と連動して勉強するとすごく覚えやすいんです。仕事をしていて分からないところとか、その時必要な情報とかを探して勉強しています。
勉強すればするほど仕事に対する理解度が上がっていくのが自分で分かって達成感があります。「CVRって何だ?CPAって?」みたいな、専門用語に対し疑問だらけだった時と比べると今はスムーズに打ち合わせができて、そこも嬉しいんですよね。
インタビュアー
業務上、必要な学習に楽しんで取り組めるのはとても素敵ですね。努力が苦じゃないというか。
仕事が楽しくなる瞬間は、きっとくる
屋良
今日も最初に努力家って言ってもらえましたけど、私としては「努力しなくちゃ」という気持ちだけで動いてきたわけではないんです。
入社した時は自分の未熟さにヘコんでいたけど、諦めずに勉強してどんどん経験を積んでいくと自分に自信がついていきました。そうすると質問しやすくなって、当然仕事もしやすくなる。いい循環ができてくる。
その循環を作れた理由として1番大きいのは「育ててくれた人たちに恩返ししたい」という気持ちです。その一心でここまでやってこれました。
ご指導や励ましなど、本当にいろんな方が私のために時間を割いてくれたんです。私も同じように助けたり、声をかけたりできる人になりたいとずっと思っています。
インタビュアー
私は壁にぶつかるとすぐ諦めてしまう人間なので、屋良さんのその実直さが眩しいです……(笑)
屋良
いやいや(笑)もう入社して7年になりますが、私は今でも自分のことを「できる人間」とは思っていなくて。今ここに自分がいられるのは、育ててくれたみなさんのおかげです。
インタビュアー
今、7年前の自分に伝えられることがあるとしたら何を伝えますか?
屋良
そうですね……「もっとコミュニケーションをとってみてもよかった」と言いたいです。
入社時、仕事ができないことが引け目になっていて「こんなことを聞いて怒られたらどうしよう」とか「嫌われてるんじゃないか」とか、質問すらできず余計なことで悩みすぎていました。でも新人なのだから、知らないことが多いのは当然なんですよ。
だから自分で考えるだけ考えた後はもうその時の自分のレベルで質問するしかないし、分かる人に聞いちゃったほうが早い。過剰に悩んだり怖がったりするのはやめて、業務本体に時間をたくさん使った方がいいよ。そう伝えたいです。
以前、先輩からオススメされた「ゼロ秒思考」って本もすごくよかったですね。感情と技術と行動を分けて考えられるようになってスッキリしました。業務を通して身につけたロジカルシンキングは自分にかなり影響を与えています。
経験と知識を元に視野が広がって、面白さが分かるポイントが増えてきたのが現在です。
ちゃんとコツコツやっていれば、仕事は楽しくなってくるんですよ。
編集後記
屋良さんを知るノヴィータの人は皆、その明るさと努力について教えてくれる。
しかし「そんなことないですよ」と謙虚であり続けるのが屋良さん。本人が言わなくても、彼女が明るく、元気に、楽しく仕事をし続けていることは誰の目にも明らかだ。
ノヴィータという会社、組織自体に、彼女の成長を助ける土壌があり続けたからこそ産まれた結果だとも言える。
新緑の季節を間近に控えた今、これからも彼女がノヴィータでのびのびと活躍する姿を見られるのが楽しみだ。
(インタビュー・文 石林グミ)