「今年のノヴィータについて」代表取締役から表明する記事を年始にアップするようになって4年目です。間もなく迎える設立20周年に向けて、2024年は、ノヴィータのバリューに向き合い、土台を固める年でした。
ノヴィータのバリューに向き合った2024年
三好
2023年秋にコーポレートサイトをリニューアルしたのですが、その時、ノヴィータで行っているサービスを5つの事業に整理し直しました。整理直後だったという流れもあり、2024年は、社内の様々な取り組みを通して事業内容も掘り下げ、事業の強み、そしてノヴィータのバリューに向き合うことになりました。
インタビュアー
各事業の掘り下げで見えた、強みやバリューを教えてください。
三好
Web制作・運用事業は、特に制作視点で管理やルールを徹底し、確実に対応できることが強みです。大手企業や特定業界における、情報発信の信頼性や確実性が重要となるサイトでは、特に価値提供ができるかと思います。「発信を強化したい」方からの支持が高いWordPressなどCMSにおいて、運用更新面やセキュリティ面も鑑みながら新規構築し、確実な運用まで対応できることも強みです。こちらはメディア運営事業のバリューと重複します。
また、サイトの要求定義・要件定義が曖昧な場合、「この状況から制作までまるっと任せたい」という場合にも、Web技術をふまえて想定できる課題に先回りし、解決を試みることができます。
バナー・ランディングページ(LP)制作をはじめとしたWeb広告の制作も行っており、こちらはノヴィータ設立当時からの主力サービスです。調査・分析を行ったうえで、購入までの全体の流れを踏まえて情報の優先順位を決定し、デザインやコーディング等制作の品質管理まで一貫して対応しています。
人材支援事業は、昨今様々なところで課題になっている人材不足において、短期的・長期的に解消したいという方からお引き合いを多くいただいています。ただ人材を仲介するだけではなく、面談立ち会いや定期面談設定を手厚くするなどして業務開始後も継続的なサポート体制を実現し、クライアント様からもパートナー様からも、前向きな評価をいただきます。
駐在帯同経験者に特化した人材紹介を行う「CAREER MARK」では、事業化から4周年を迎え、サービスとしてより成長させるために中身や見せ方の最適化に取り組みました。労働人口減、中小企業の人材不足が深刻な社会背景の中、「履歴書の職歴が長期間空白」であることを気にせずポテンシャルや意欲を評価くださる企業の方に向け、「柔軟性・適応力・変革力が高い人材(駐在帯同経験者)」の採用という選択肢を考えていただけるよう、企業向けへの訴求を強化しました。
地域共創事業で取り組んでいるデジタルマーケティング講座は、2023年度と同様、2024年度も3自治体で開講しました。この講座は、パソコンやスマートフォンを使って商品やサービスなどを紹介し、売上を増やす「デジタルマーケティング」の基礎から実践までのスキルを身につけるもので、在宅勤務のニーズや女性活躍推進の機運などからお問い合わせも増えています。ノヴィータも3自治体で実施していることで、地域性への対応例が増え「地域に根づいた」支援の幅を広げられるようにもなってきました。内閣府地方創生推進室が主催する「地テレ共創ハブ(仮称)」という審査制の官民共創マッチングプラットフォームに参加させていただくこととなり、各地域のためにできることがないか、自治体の方、民間企業の方と関係を深めています。
講座修了生のデジタル人材受け入れなどにおいてはノヴィータの働き方改革の経験などを活かすことができると考えており、今後ノヴィータならではの部分がもっと出せるかもしれません。事業継続支援事業のバリューにおいても同様で、ノヴィータの多様な働き方とチームワーク、それを実現する経営やバックオフィス等について、ぜひ提案していきたいと考えています。
インタビュアー
事業で出せる価値やノヴィータのバリューについてよくわかりました。社内でディスカッションを増やし、提供サービスにおけるバリューの言語化をしていたとのことでしたが、どのようなことをしたのでしょうか。
三好
例えば、顧客インタビューの機会を増やし、NOVILOGやコーポレートサイトに事例や実績を多数掲載しました。
ノヴィータの主力事業であるWeb制作・運用事業は、設立時からの主力事業です。なので時代とともにご依頼のニーズが変わり、それに伴って提供する内容も少しずつ変化しています。過去のご提供内容も含めて掘り下げながら、「何ができるのか」「何が価値なのか」を整理し、現在の提供内容に共通するものは記事化して、実績ページの充実化に取り組みました。
また、顧客インタビューも兼ねて、我々の至らなかった部分について振り返るためにお時間をくださったお客様もおり、振り返る視点が社内のみでなかったことでいつもより学びが得られる振り返りができました。お客様と、このような関係性を築けていることがとてもありがたいです。
新規事業「CAREER MARK」の提供開始が2020年、「デジタルマーケティング講座」の提供開始が2021年と、いずれもサービス提供開始から時間が経ち実績も増えてきましたので、お客様にインタビューし事例記事を複数掲載することに取り組みながら、顧客像や強みについて深めていくことを行いました。
インタビュアー
2023年に行った「事業全体の整理」の続きとして、それぞれの事業ひとつひとつにおいてもさらに深堀りし、事業推進の土台を整えたのですね。
三好
事業推進でやるべきことがはっきり見えた1年でした。あわせて、リモートワーク・女性活躍の仕組みづくりの登壇掲載についても、引き続き多くお話をいただくことが多かったのですが、これらの発信についても「事業」という目線で捉え直すことが多かったです。
2024年にあった大きな変化、代表が1名体制に
インタビュアー
代表取締役が1名体制となったのも大きなできごとでしたね。
※ノヴィータは、創業者の小田垣栄司と三好怜子の共同代表体制にて2015年より経営を行ってまいりましたが、代表取締役を三好怜子1名とする体制の移行を行い、2024年3月に発表いたしました。
※体制移行のタイミングは2023年9月末。詳細はお知らせをご覧ください。
三好
ノヴィータといえば、創業者である小田垣の会社、というイメージが強い方もいるかもしれません。ですが、2019年より、私が経営の意思決定を行い、小田垣は財務状況の確認を行う体制をとっていました。ここ数年間は社内のリーダーシップを私がとっていたため、発表内容のインパクトほどには、社内では大きな変化はありませんでした。
ただ、このたびの体制変更をもって、経営における責任がより明確になりましたし、それについては身の引き締まる思いです。意思決定を迅速に行って事業の機動性を高めるとともに、執行への権限移譲をより一層進めていくという意思の現れでもあります。
インタビュアー
「執行への権限移譲」の姿勢は、2024年で変化を感じたひとつでもあります。それもあって社員の声を聞いていたのでしょうか。
三好
権限委譲を意識したこと、さらにこれまでのやり方を変えてさらによくしたいという思いもあり、様々な社員とのコミュニケーションを試行錯誤しました。2023年末に開催した2023年下期社員総会から対面参加・オンライン参加のハイブリッド開催となり、月1オフィス出社日なども実施。皆の集まりやすさを意識した場所にオフィスも移転しました。
様々なステークホルダーの話を聞き、事業に向き合って思ったのは、昔から行っている「Web制作・運用事業」「人材支援事業」の2事業があるからこそ、新規事業が推進できているということです。単に昔からの事業だから売上を上げやすいなどではなく、この2つの事業の特性などから、ビジネスの本質に向き合う機会になったり、遠隔でも事業に貢献できるようになったり、柔軟な働き方などが行えるようになったりするベースになっていて、これらはノヴィータが選ばれる会社になるためには大事にしていかねばならないと思ったのです。改めて2025年、「Web制作・運用事業」「人材支援事業」この2つの事業を今以上にしっかりやっていこうという思いが高まりました。
働きやすさと事業成長の両立に向けて
インタビュアー
ノヴィータの設立は2006年なので、あと1年ほどで20周年を迎えることになります。2025年はどのような年にしたいですか。
三好
「言語化をやりきり、再現性をやりきる」ことを通じてノヴィータのブランドを尖らせていく年にしたいと考えています。
とはいえ、言語化も再現性も、どれだけ「やりきった」と思ったとしても終わりがないものだという認識です。なので、終わりがなくてもやり続けることは大前提で、そのうえで取り組み続けることで「伝わり方」「再現性」をどこまでも研ぎ澄ませていく、というイメージをしています。
インタビュアー
昨年のインタビューでも、「言語化をやりきり、再現性をやりきる」ことについてテーマにあがっていましたね。やりきる、という部分にはそういう思いもあったのですね。
三好
全社リモートワーク体制に移行し、数字情報含めた社内の情報はほぼオンラインに集約されました。また、ノヴィータでは振り返りの習慣があり、その内容も基本的には開示されているので、オフィス等特定の場所にいなくても状況が見えます。
とはいえ、リアルの重要性も昨今実感しており、試行錯誤中です。
インタビュアー
どのように試行錯誤をしているのか教えてください。
三好
2017年からのリモートワーク、そして全社リモートの環境で新規事業にも取り組んできたことで、オペレーション的な部分、すなわち新規の取り組みにおいて「下支えの部分」がリモートでも一定できることがわかりました。
ただ、新規事業をはじめとして新規の取り組みは、対面でコミュニケーションしたり現地に訪問したりするような活動も重要です。新しいことには想定外がつきものですし、多くの方を巻き込む必要があり、それぞれと強い信頼関係も築いていかねければならないためです。この新規取り組み部分はリモートだとなかなか推進がしにくいため、現在は対面での活動もうまく併用するように心がけており、この動きを活発にして新しい取り組みをもっと発展させていきたいと考えています。
インタビュアー
先ほど話に挙がった、「Web制作・運用事業」「人材支援事業」この2つの事業を今以上にしっかりやっていこうという部分も、新しい取り組みに含まれるのでしょうか。
三好
「Web制作・運用事業」「人材支援事業」という2つの主力事業があり、これがあることで新規事業が生まれ育ってきたという関係性については先程説明した通りですが、ずっと取り組んできたメンバーからの見え方もあると思うので、社内でも認識をあわせたいです。この部分は、新しい取り組みといえるでしょうね。
もちろん、ライフイベントに合わせて働き続けることを目指すにあたり、リモートワークを柔軟に取り入れることが効果的なのは変わりません。コロナ禍が終わって出社回帰といわれますが、2択どちらかなど極端に考えたり、どちらかに完全に寄せるのではなく、選択肢を用意するとともに、出社や対面でできること、リモートでできることをもっと冷静に捉えることが重要と考えています。2つのメリット・効果・デメリットに向き合いながら、状況に応じて戦略的に組み立てていきたいのです。
20周年に向けて、土台に立ち返り、「種」を大きくする2025年に
インタビュアー
遠隔でビジネスに貢献するという働き方をはじめ、「Web制作・運用事業」「人材支援事業」がノヴィータにもたらしたものや、5つの事業のつながりについても2025年はもっと、発信していくことになるのではと思いました。
三好
「Web制作・運用事業」「人材支援事業」をはじめとした事業の推進にあたって「言語化をやりきり、再現性をやりきる」ことを取り入れたことにより、リモートワークをはじめとした柔軟な働き方が加速、そしてその働き方を活かした新規事業などを実現しました。言語化・再現性などに向き合い続けるのは決して楽なことではありませんが、メンバーが日々の運用を滞りなく対応してくれることで、新しい取り組みに注力することができています。
そのうえで、「儲かる種」をもっと大きくしたい、と思ったのが2024年でした。
インタビュアー
なるほど。その考え方について教えてください。
三好
現在、ビジネス環境は目まぐるしく変わっています。Web制作・運用の範囲において言うと、「工数を抑えながら制作するもの」と「人が思考して工数をかけ、高付加価値をつけて制作するもの」と二極化していますし、企画提案から分析の範囲を支援してほしいというご依頼も増えています。
ノヴィータではWebサイトの運用・広告の制作に多く携わっていますが、ずっと運用しているからこそ課題も見えてくるため、だからこそ最適なご提案をできると自負しています。また、運用しているサイトの分析をアウトプットし、具体的な次の提案や施策に落とし込み、制作まで一貫して対応できるのはノヴィータの強みです。
「自分たちでは出てこないアイデアの提案に期待している」「+αを提案してほしい」というお客様からのニーズを肌で感じます。サイト運用の中で、課題を見つけた時にすぐに最適な手法を選択してご提案できるかどうかは「先々のことまで見越しているか」に大きく関わっているため、日々の業務を確実にこなすだけではなく、「ビジネスにどう貢献しているか」紐づけて考えを深めていくために、組織を強化していきたいです。
インタビュアー
他の事業についてはいかがですか?
三好
「働き方を活かした新規事業」という話が出ましたが、人材支援事業・地域共創事業・事業継続支援事業などにおいて我々のノウハウは、中小企業向けにも提供できるものが多いということを改めて確信しています。例えば、リモートワーク・女性活躍の仕組みづくりは「CAREER MARK」「デジタルマーケティング講座」など多様な働き方の推進にあたってセットで必要になることが多くありますので、試行錯誤を続けてノウハウを深めるとともに、より一層積極的に発信していきます。
インタビュアー
「Web制作・運用事業」「人材支援事業」がノヴィータにもたらした「土台」に立ち返りながら、ブラッシュアップをしてさらに価値を高め、より選ばれるサービスを提供する、ということですね。
三好
コーポレートサイトに掲載している「多様な働き方を実現するノヴィータ」「課題解決方法を創造する」を構成する要素についてもより言語にし、細分化し、体系立てていくことを通じ、再現性をもっと追求して中小企業に向けて価値提供を目指します。
「言語化をやりきり、再現性をやりきる」のは目新しい理論ではなく、むしろ当たり前とも見えるはずですが、言うは易く行うは難しで実際にこれをやりきることはそんなに簡単なことではないと思っています。結果として、「言語化をやりきり、再現性をやりきる」ことにより、ノヴィータのブランドを静かに尖らせることにつながると考えます。
インタビュアー
ノヴィータ、および事業の方向性についてよくわかりました。最後にメッセージをお願いします。
三好
ノヴィータや各事業、そしてブランド観点でのやるべきことが改めて見えたのは、2024年をかけてノヴィータのバリューに向き合い、時に手法を変えたからです。
時代の変化、ニーズの変化が激しく、これまでのやり方が通用しないことも増えて苦しい1年でしたが、これまでの約20年間を今後の20年間につなげるためには欠かせない、重要な1年だったとも感じます。
2025年は全事業の連動性を更に高め、高い価値をもってお客様の課題解決に貢献していきます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
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