ノヴィータ広報担当 兼 NOVILOG編集長 中根です。
ノヴィータでは2024年、顧客インタビューを強化し、導入事例記事を多数掲載しました。
私自身がサービス提供に携わっている事例は少ないものの、だからこそ、社内で聞いていた内容のニュアンスがより明確になったり、知らなかった別のご意見を知ることができたりして、非常に有意義な機会をいただきました。
インタビューをお受けいただけるお客様からは率直なフィードバックをいただけることが多く、自社の価値を振り返るヒントをいただいています。
自分では思いつかない言葉やキーワードをインタビュー時にかけていただけることが多く、それそのものが発見になりました。
この取り組みもあり、2024年は自社のバリュー・サービスのバリューにしっかり向き合うことができたと考えています。
一例として、Web制作・デザイン制作を行った事例のインタビューでは、お客様とご一緒にKPT(Keep/Problem/Try)のフォーマットで振り返りを行ったことで、喜んでいただいたポイントのほか、日頃社内で振り返りを行うよりも広い視点で課題を見つめることもできました。
地域共創事業の事例インタビューでは、デジタルマーケティング講座をご発注くださった地域まで足を運んで取材。多面的にお話を伺えたことで、地域性の違いをも肌で感じることができ、事業で大事にしている「地域に根づく」を体感することができました。
2024年は、類似する別の機会に携わったことも含め、過去から比較して数倍の顧客インタビューに携わりました。
顧客へのインタビューで得られた「宝」
顧客インタビューに多数携わって、気づいたことがあります。
このように聞く機会自体が貴重で「宝」であるということです。それと同時に、聞けるお客様がいるということのありがたみも実感しました。
日々、お客様の様々な状況や課題に向き合い、サービスに努めているつもりですが、どうしても視点が一方的になりやすい部分はあり、反省することも多くあります。それでも日頃から「顧客に貢献する」という意識をもってサービスに努めることにより、信頼していただけて、このようにわざわざお時間をいただいたり、取材OKをいただけるのだろうと感じています。
また、取材の中で、ノヴィータのことも深くお伝えすることも多くありますので、気持ちを近づけられるようにするきっかけにできればと考えて顧客インタビューに取り組んでいます。「実はこんなことも考えている会社だったのか」「こんな取り組みで協業できそうなのか」など可能性を感じていただけるよう努めています。
お客様ご自身においても振り返る機会になっていたり、お互いが未来に向けて一緒に進んでいく関係でいられるよう様々なことを再確認する機会になっていたりもします。
今後のお取引やサービスの向上はもちろん、ご一緒している方々とより長い期間、より密なおつきあいを続けるためにも重要な取り組みだと考えています。
「導入事例記事」ありきだと陥る落とし穴
自社の「宝」になるような情報を多数聞いたからにはいろんなことに活かしたい、それを具現化するやり方を「広報」という職域で考えたその一つに、顧客にインタビューして作成する導入事例記事があります。
導入事例記事は、広報・マーケティングにおいて重要な施策のひとつと捉えられています。そのため、「自社のバリュー」「自社のサービスの貢献」を訴求する目的が先行して記事作成に至りやすいのではないでしょうか。
顧客とのコミュニケーションが加速する意味では、導入事例記事作成がきっかけであることは良いことです。場合によっては導入事例記事という目的だからこそお話を聞く機会をいただけたり、お聞きできる内容が深くなったりすることもあると思います。
ただ、アウトプットの導入事例記事ありきで考えてしまうと、自社都合の視点を入れることが多くなりがちではないかと感じます。
導入事例として記事を作成しても、広く見れる場所に置いたならば、立場の違う様々な方がご覧になります。「自社のサービスについてお伝えする」だけをイメージすると、課題部分の表現を中心に配慮がなくなりやすいです。
せっかく記事にするのなら、自社目線だけでなく「顧客の素晴らしいと思うところ」も散りばめ、課題解決のヒントを持ち帰ってもらえるようなものにすれば、皆にとってWin‐Winなコンテンツとなり、さらに存在意義が高くなると考えています。
顧客の声を多数伺う中で、今まで知らなかった顧客の状況に気づくことが多くありました。
単なる自社自慢で終わらせず、皆にとって「よい」コンテンツにしたいなら、事業理解も顧客理解も必要であり、用語知識も表現も重要です。平たく言うと「単に聞いたことを書けばいい」ではない、という考えを持つべきであるとあらためて実感しました。
導入事例記事作成で心がけていること
2024年に導入事例記事の作成やインタビューへ多数携わったことで、この思いを強くするに至りました。
双方の立場をふまえ、「顧客の事業を引き立てつつ、自社の貢献も伝える」この両方をなるべくとれるように作成しました。導入した後の変化を伝えるだけでなくて、ひとつの取り組み事例として捉え、うまくいくポイントを出すようにするとよいのかもしれません。
そのような記事の作成を目指し、準備や記事構成、ライティングも入念に行うようになりました。ここでは、私がコンテンツ作成で心がけていることをいくつかご紹介します。
取材はしっかり準備。書くことを仮で考えておく
当たり前ながら、導入前後の状況やご支援の内容、そして先方のビジネスなどを入念に調べ、事前にアウトプットイメージを持って取材に臨んでいます。
準備のうえでアウトプットを部分的に予想もしておくことで、場当たり的な取材進行が減りました。想定との差分で着地イメージを持ち続けてすすめられるためです。
こちらの書きたいことを優先して一方的に取材しているということではありません。アウトプットをよりよくするため「仮のアウトプットを定めておくことは重要」と考えているということです。
喜ばれているポイントを解像度高く記載
導入事例記事の訴求として重要な部分ですが、引き出すのにもコツがいると感じます。
・自分自身(自社)が何をできるのか
・それにより顧客にどう喜ばれたのか
上記を引き出したいところですが、取材時間は有限です。質問する自分自身が状況をあまりわかっていないと、周辺説明をしていただくことで時間を多く使ってしまいます。また、漠然としていると答えにくそうにされる場合もあります。
事前準備をしっかりしておくことで、ポイントを絞って端的に伺うことができますし、知っている情報をもとに質問してみて、深堀りをすることもできます。
事例の課題に言及する時は、内容や表現に配慮
導入に伴う変化の前後では、「顧客の課題や弱点」をセットで出すことになります。先程も記載した通り、「導入したことで自社をよく見せたい」という目線が強すぎると、自社都合での表現になってしまいやすいです。
顧客目線でどう見えるか、都合もありますし、表現には細心の注意を払うべきだと考えています。インタビュー時、伝わりやすさ優先でお話されることもあるので、内容によってはそのまま書くのではなく、広く見られてもよい表現に言い換えて書くこともあります。
タイトルにはお困りごとか解決方法を記載
記事タイトルが何であるかによって、「この記事で何が得られるか」を判断され、一読するしないを判断されてしまうほど重要な部分です。
コンテンツの中身のうち、「もともと困っていたこと」もしくは、「解決方法の一部」の中で、目を引く部分を書くようにすると、読んでもらいやすいのではないかと考えます。
ただし、先に書いた通り「顧客の課題や弱点」にふれる部分は十分な配慮が必要です。また、タイトルは文字数を端的にすることが多いため、変な伝わり方を加速させるリスクがあります。どの表現にすべきかはしっかり練った方がよいと思います。
「導入事例記事作成」で終わらない意義と重要性
導入事例記事作成とそのインタビューが、「顧客とのコミュニケーションとしての機会」として重要であるとは思っていましたが、顧客側のバリュー理解、そして自社サービスに対しての提供価値理解においても非常に重要な施策でした。
連続で何回も対応してみて、難しさ、そして奥深さを噛み締めています。
コミュニケーション機会としても、取材コンテンツとしても、自身の力量が問われますし、やり方によってよくも悪くもなるなと感じています。
双方の効果を高めようとするなら顧客の事業理解は欠かせず、少なくとも事業への興味を持って、自分自身が話せるものを増やす必要がありました。
個人的には「成り代わる」勢いで顧客を理解するのが重要だと感じています。
キャリアが浅い時に、「事例インタビューは、得意とするところに頼んだ方が良い」という先輩の意見を聞いたことがありましたが、まさにこのことなのかも、と今になって思い返されます。
私自身、導入事例記事を書き、インタビューすることによって広報としての持ち札が増えたように思います。また、アウトプットにこだわることで、BtoB企業の広報として、その力量につながる実感がありました。
今後もできるだけ導入事例記事に携わっていくことで、コンテンツ作成やコミュニケーションスキルを上げることはもちろん、サービス担当とは別の「窓口」としてお客様と関係をつくっていきたいです。
ノヴィータの導入事例記事(2024年)
今回書いた考えをもって、2024年に担当いたしました導入事例記事を最後にご紹介させてください。
- 「制作と開発間のカルチャーギャップが今後の参考に」Siwakee・青柳伸宏様
- ICT教育の専門性を活かした講座に対し、より実務的な立場から支援 会津大学様
- 舞鶴で「デジタルマーケティング講座」が成功した理由~京都府舞鶴市のデジタル活用~ Vol.1
ノヴィータのサービスにご興味がございましたらお問い合わせください!
コーポレートサイトもぜひご覧ください。
仲間を求めています! 募集中の職種はこちらから(Wantedly)