NOVILOG

株式会社ノヴィータが運営するブログメディアです。メンバーのこと、文化や価値観、ノウハウ、様々な活動などについて発信します。

紙とWEBと時短と母と(No.3 川田優生さん)

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飛び込んでみたら、違うスポーツだった

「紙」か「WEB」か。

いまだにこの不毛な対立(もうそんなこと言っている時代じゃないと頭ではわかっていても)は、うっすらあるように思う。とりわけ、「紙」媒体出身者が「WEB」業界に転身して、真っ先に痛感する違いー。それはいったいなんだろうか。

新卒で広告代理店の制作を担う製版会社に入社、新聞や雑誌の広告や企業のパンフレットや冊子のデザインを手がけ、その後転職した小さなデザイン会社でも、大手企業のパンフレットやポスター、季刊誌のデザインを企画から担当。3年間のフリーランスデザイナーを経て約10年間、生粋の「紙」媒体デザイナーだった川田優生さんが、バリバリの「WEB」世界、つまりノヴィータに入社したのは33歳のとき。

「紙の世界でデザイナーとして長い間培ってきた自分の能力を、どうWEBの世界で生かせるのか。入社前はちょっとワクワクしている部分もありました。ところが、実際に入ってみたら、デザイン面はもちろん、仕事の進め方、会社としての文化、ルール…。ありとあらゆることが違いすぎて、完全に打ちのめされました。自分がこれまでやってきたこと、評価されてきたことはなんだったんだろうって」

川田さんがいちばん感じた、紙とWEBの大きな違い。

それが「スピード感」だった。

「まず、WEBの世界は、圧倒的に納期が短いんです。紙の世界では、依頼があって形にするまで、じっくり考える時間があります。なんなら1か月考え続けることだってある。たとえば広告ポスターなら、誰に向かってどう見せるか。コンセプトや見せ方など、うんうんと考えて考え抜いて、これだ! と思ってからデザインをします。つまり、手を動かす以前の〝考える時間〟がいちばん長く、もっとも大切な期間。〝9割考えて1割でつくる〟といっても過言ではありません」

一方、WEBの世界は顧客から依頼を受け、「形にしてみせる」提案の提出が翌日、というケースもある。もちろん、じっくり考える案件もあるが、いちばん求められるのは、顧客の要望をすくいとり、しっかり分析し、〝今〟を切り取る感覚でもって提案をする。その提案までのスピード感こそが大事だと、痛感したという。

 

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「紙の世界で、ひとつひとつについて、じっくり考えるクセがついてしまっていた気がします。ノヴィータでは、各自が複数の案件をスピーディに、かつマーケティングの視点をもって堀下げ、提案、同時進行でデザインもすすんでいく。アプローチの仕方から、社内および顧客とのコミュニケーションまで、あらゆる部分が違いました。カルチャーショックでしたね、ほんとうに。脳みその使い方が根本的に違うというか…。たとえるなら、まったく違うスポーツをいきなり始めてしまった感じ。そもそもルールも使う筋肉も違うから、一から鍛え直さないとダメだな、と痛感しました」

 

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自分の居場所は自分でつくる

そしてもうひとつ、川田さんがぶちあたった壁が、フリーランス時代と激変した働き方。

「ノヴィータにジョインするまでは、フリーランスとして本業でデザイナーをやりながら、友人のセレクトショップも手伝っていました。

アクセサリーの販売や買い付け、営業や店舗のディレクションまで担当していて。自分のペースで自由に、好きな仕事をしていたわけです。

しかも、入社した当初は、ショップの仕事を続けながら、週3、4日の勤務も認めてもらっていました。

2足のワラジをはきつつ、数年ぶりにチームで仕事をするという現実。いろいろ戸惑うことが多かったですね」

33歳と、それなりにキャリアも積んできた。自信だって、プライドだってある。なのに、ノヴィータでの働き方に溶け込みきれていないことにジレンマを感じる日々。

とことん落ち込んだ川田さんは、「まずはノヴィータのやり方を身につけよう」と心機一転、初心者向けのWEBデザインを一から勉強し始めた。

自分の居場所は自分でつくらなきゃ、と必死でした。ただ、これまでとの違いに嘆いているだけじゃダメだ、と。

恥もプライドも捨てて、まずはノヴィータのやり方を知って、ノヴィータの文化に自ら溶け込もう。そう思ったんです」

その努力の甲斐あって、社内のクリエイティブアワードを数回受賞。社内でも「デザインの川田」を徐々に印象づけていく。

「自分が生み出すデザインのクオリティに自信がない時期にいただいた最初のアワードは、自信を取り戻すきっかけになりました。また、個人だけでなく、チームでアワードを受賞したときは、ひとりじゃなくてチームで獲得できたという、その結果が何よりうれしかった。チームメンバーとのコミュニケーションもスムーズになって、ノヴィータで働く自分を、ひとつずつ肯定できるようになりました」

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デザインにも「母」にも、正解はない

紙で学んだデザインの知見や思考、アプローチを、WEBでも生かしたいー。

これまでの仕事と今の仕事にようやく折り合いがつけられたころ、デザイナーからアートディレクターに就任。入社して3年がたっていた。

「川田はアーティスト肌。デザイナーとして、よくも悪くもデザインにとことんこだわるタイプです。でも、その紙で培ってきた視点や思考を、もっとWEB上でのアウトプットにいかしてほしい。自分で手を動かすだけでなく、もっと広い視野でデザインにアドバイスを。そういう意図もこめて、アートディレクターに指名しました」と会長の小田垣は話す。

翌年、第一子を出産。産休・育休を経て2018年5月に復職し、週5日の時短勤務に。その後、2019年8月に第二子を出産。母として、アートディレクターとして、試行錯誤の日々が続く。

「紙とWEBのデザインの世界に、やっと折り合いがついたと思ったら、次はデザイナーとしての自分と母としての自分に悩みはじめました(笑)。子育てをしながらデザインをするのは、やっぱり、どうしても物理的に厳しい面があります。リテイクのやりとりにすぐに対応できなかったり、十分に考え抜く時間をキープできなかったり。焦りや不安もありました」

そんな川田さんが忘れられないひと言がある。

「時短勤務で、仕事も子育てもいっぱいいっぱいだったある日、三好社長に〝正解なんてないし、走りながら考えていけばいいんじゃない、一緒に〟と言われたんです。彼女も子育てしながら働くママ。そうか、この会社は〝働き方を一緒に考えてくれる会社〟なんだとあらためて実感しました」

 

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そもそも川田さんがノヴィータに入社したきっかけは、セレクトショップを運営しながら週4日勤務でもOKだった、という点。

「ノヴィータの働き方に関する考え方の柔軟さは当時も今も変わりませんね。いや、今のほうがもっと進化している気がします。社員みんながライフステージの変化に合わせて、本当の意味で自由に働き方を選べる場所。形を変えながら長く務められる場所。私自身も思考錯誤しながら、ノヴィータがそういう会社になっていくのが理想です」

 

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