こんにちは、Webディレクターの鈴木です。ノヴィータに入社したのは2021年で、それ以前は広告代理店に勤めていました。当時の職種はコーダーで、業界としてはノヴィータと同じWeb業界でしたがディレクターへの転職は挑戦でもありました。
今回は「コーダー出身のディレクター」として、これまでの経験が活かされたことや役に立ったことを紹介した社内のLT大会の発表を記事にしました。
Webディレクターになりたい方、クリエイティブ職からWebディレクターになったときどのようなキャリア・スキルが活かせるのかと、知りたい方にぜひ読んでいただきたいと思います。
役に立っていること1 制作工程のボリューム感を把握できる
私のコーダーとしてのスキルはこのようなものでした。
- HTML、CSSを使ってのWebサイト制作が一通り可能
- HTMLチェック、修正
- 装飾やJSと組み合わせたアニメーションの実装
- CMSは、WordPressのデザインテーマをスクラッチで作成可能
- 投稿機能カスタマイズ
- プラグイン導入
過去に制作業務を担当していたことで、大枠ながら制作工程のボリューム感を把握することができます。このスキルは、Webディレクターの業務の中でスケジュール設定や調整に非常に役に立っています。
スケジュール調整を検討する場合、制作業務経験のないWebディレクターの方は制作チームに工数を確認するところから始めると思います。しかしながら、制作業務経験があると、ある程度の作業ボリューム感を想定したうえでコミュニケーションを図ることが可能です。
とはいえ、作業ボリューム感を想定できているとしてもその感覚だけでスケジュールを決定してしまったり、制作チームに相談する時点で決めつけたりはしないように心がけています。特に相談をする際には想定の作業工数が希望的観測にならないように、必ず根拠を添えています。
なぜ根拠を添えるように心がけているかというと、過去の自分のスキルを元に試算しているからです。実際に制作業務を担当するメンバーとの間には、コーディングスキルをはじめ、状況に違いがあります。お客様の要望に対して「過去の自分のスキルであれば、この制作の作業ボリュームだとこのくらいの工数がかかる」という自分の肌感覚で算出した作業工数であることを忘れずに、制作メンバーとすり合わせをするようにしています。
役に立っていること2 準備や制作フェーズでちょっとしたサポートができる
Webディレクターはクライアントが抱えている課題感からWeb制作の要件を洗い出すのみならず、課題に対してWeb制作だけにとどまらない解決策を提案する業務を行っています。クライアントにとってよりよいと思われるアウトプットを提案していきますが、その内容のイメージがつきにくいものだと、関係各所との意思疎通が難しくなってしまいます。
関係各所というのは、対クライアントだけでなく対社内も含まれます。クライアントの「こんな感じにしたい」という抽象的な要望を具体的に落とし込むために、すりあわせのため、そして実装のための事例を収集するなど労力がかかってしまうのです。
制作の経験があると、クライアントの要望を聞く段階で「このサイトのこの動きだとイメージに合いますか?」という具体例を提示したり、「このCSSとライブラリを使ったら実現できそう」というように制作フェーズで起こりうることを想定し一歩踏み込んで話をまとめたりすることができます。
他にも画像加工ツールを扱った経験があるので、リサイズのような画像素材の下処理や細かい調整、使えないサイズの判断を事前にすることも可能です。
このように私のスキルは、ディレクション業務の中でも制作要件を定める際に必要となることのサポートや、制作チームとのコミュニケーション精度を高めるといった場面でとても役に立っています。とはいえ、”配慮”という理由をつけて、制作チームから上がってきた成果物に勝手に手を加えることは絶対にしないよう注意しています。
仮に手を加えるとするならば、「この作業はここまでだったら自分で処理できそうなのですが、やっても良いですか?連携時にはこのような状態で提出します。」と必ず細かく確認して制作チームの承認を得たうえで着手しています。くどいように感じるかもしれませんが、チームプレーである以上、認識齟齬を発生させないため必要な配慮だと考えています。
また、ディレクターとして要件を整理して伝えていますが、技術的な指示はしないようにも心がけています。よりクライアントの要望に近い状態になるよう、制作チームの選択肢を増やすイメージで情報連携をおこなっています。
役に立っていること3 ディレクターでありながら制作にも携わることができた
コーダーとしての自分のスキルセットを正確に伝えたところ、ディレクション含む窓口対応から制作・公開までをワンストップで担当できることに強みを感じてもらうことができ、記事コーディングまで含めた案件にもアサインされました。
Web制作の現場では、クライアントからディレクター、ディレクターから制作チームといった体制で動くことが多いですが、関わるメンバーが多ければ多いほど、相談ごとや質問の回答を得るまでに確認プロセスをいくつかたどる必要があります。ですがディレクターと制作を兼任する体制をとることで、相談ごとや質問が発生したときに比較的早めに回答できる利点がありました。
このように、自分にできることを知ってもらった結果、スキルが活かせる場合もあることを実感しました。
ノヴィータでは社内LT大会のように自分をアピールできる場があります。そうした機会に自分のこれまでの経験・スキルなどを知ってもらえるよう積極的に発信していくのも大切だなと感じました。同じ社内であっても、互いのスキルセットについて詳しく知る機会があることで、普段とは少し違う内容の仕事を依頼し合うチャンスが増えるからです。
制作の経験を「強み」に変えて、信頼されるディレクターに
入社してしばらくの間、同じ業界でも畑の違う自分の経験が、今のWebディレクターという職種にどうやって活かせるのかと本当に悩みました。悩んだ結果行きついた答えが、自分の持っているコーダーのスキルを「少しずつ」「謙虚な気持ちで」Webディレクター業務で日々活かしていくというものでした。
周りの方に意見を聞いてみるとお褒めの言葉をいただくこともあり、制作の経験があるディレクターとして信頼を得られているのを実感できることも増えてきました。
ノヴィータでは新卒からディレクターとしてキャリアを積んでいるメンバーもいますし、制作業務をメインにしつつもディレクション業務も一部担っているメンバーもおり、それぞれに強みがあります。ひとつ言えるのは、ノヴィータではディレクションというスキルをとても大事にしている会社だということです。この環境でディレクターとして評価していただけることは、自分のスキルや経験を強みにできていると感じ、嬉しく思っています。
クライアントにとってよりよいと思われるアウトプットを追求する中で、「制作の経験があるディレクター」であることにより、制作アウトプットの選択肢を出したり、やりとりをスムーズにしたりと、ディレクション業務の幅を広げられています。これからも信頼していただけるよう行動を積み重ね、クライアントからも社内からも、もっと頼りにされるディレクターになるのが今の目標です。
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