NOVILOG

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引き継ぎの苦労を「部門の課題」と捉える~ニ度の産休育休での工夫~


ノヴィータ広報担当 兼 NOVILOG編集長 中根です。

会社で働いていると産休育休などをはじめ、チームのメンバーが長期間不在になる場面があるかと思います。SNSでは産休育休に伴った業務の引き継ぎのことや、引き継ぎを受けたメンバーの苦労が議論の的となることも多く、それらを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

ノヴィータの営業部では、この数年で産休育休をニ度取得したメンバーがいます。現在は復帰し、休みを取得する以前と同じように活躍していますが、休む前には苦労や不安があったそうです。それと同時に、業務を引き継いだ側も、これまで頼りにしていたメンバーの不在や、慣れない引き継ぎ業務への向き合い方に苦労したといいます。

長期の休み(休暇・休業など)を取得し業務を引き継いだ立場、業務を引き継ぐことになった立場それぞれの視点で感じたことを今回はお伝えしていきます。産休育休などを控えて業務を引き継ぐ予定の人、業務の引き継ぎを受ける予定の人、チーム内に引き継ぎが発生する予定でマネジメントを行う人はぜひ読んでみてください。

 

引き継ぐ側の苦労、引き継ぎを受ける側の苦労

一般的に会社では、メンバーが長期の休暇や休業を取得する際、業務の引き継ぎが発生します。ノヴィータの営業部でも同様で、産休育休を取得するメンバーがこれまで担当していた業務は他のメンバーが受け持つことになりました。
その時、引き継ぐ側、引き継ぎを受ける側それぞれでこんな不安や苦労を感じていました。

引き継ぐ側の苦労1:休みを取ることへの遠慮

第一に挙がった苦労は、気持ちの面だったそうです。出産や育児のための休みであり、子供が生まれるのは喜ばしいことなのに、仕事に対する責任もあって、休むとなるとどこか申し訳ない気持ちを感じていたのです。復帰後、二度目の産休育休を取得することになったのですが、二度目はその気持ちがさらに大きくなりました。

引き継ぐ側の苦労2:引き継ぎ資料のまとめ方や、引き継ぎの進行イメージが持ちづらい

もちろん業務の引き継ぎの際にも苦労はありました。これまでずっと取り組んでいた業務だったこともあり、引き継ぎといっても何をどうまとめればいいのか、どこまで引き継ぐのか具体的なイメージがなく、始めは気持ちだけ焦ってしまいどうしていいか分からないことも多かったそうです。
引き継ぎ資料を作って、いきなり実務をお願いすることにも不安がありました。その不安は、どういう状態で引き継ぎをしていれば自分が安心して休みに入れるか、見極めきれていなかったのも要因にあったとのことでした。

引き継ぎを受ける側の苦労1:引き継いだ業務が自分に務まるのかの不安

1度目の引き継ぎの時は初めての経験で、不安を感じていました。新しく対応するお客様や要員さんもいらっしゃって、引き継ぎの前後で関係者の方々にも影響やストレスを与えてしまうのではないかと思っていたのです。
ですが2度目の引き継ぎ時はほとんど不安を感じることなく引き継ぎを受けることができました。1度目で不安を潰せたことが大きかったのですが、そのポイントは後述します。

 

苦労を「課題」とすることで解決方法を探る

担当している業務を他のメンバーに任せる立場、慣れない業務の引き継ぎを受ける立場、それぞれで違った不安を感じていました。ですが1度目の引き継ぎを経て、2度目の引き継ぎでは、引き継ぎを受ける側のメンバーの不安は軽減。その理由は不安や苦労を「課題」と捉えて対策したことにありました。

引き継ぐ側の工夫1:早めに相談する

気持ちの面の不安は、少し早めに上長や社長とも相談することで楽になったとのことです。相談することで産休育休に入る準備の段取りが見えてきて、引き継ぎにも身が入っていったように思います。

引き継ぐ側の工夫2:引き継ぎの仕方から相談する

業務の引き継ぎにあたっては、何をどのようにまとめれば分かりやすいか、引き継ぎを受けるメンバーに確認を取ったうえで実施しました。

引き継ぐ側の工夫3:実際にやってもらって確認する期間を設ける

資料を用意するだけではなく、産休に入る前には実際に業務を担当してもらい、発注書送付、見積書送付、勤務表回収といった実業務を2回回して実務のイメージを掴んでもらいました。

引き継ぎを受ける側の工夫1:引き継ぎ中にも同席・対応などをさせてもらい、流れを掴む

引き継ぎする要員様のヒアリングに同席させてもらい、実際にどのような対応をしているのか見せてもらいました。手を動かして一緒に対応させてもらったものもあり、本格的に引き継ぎを受ける前から流れが掴めたことは大きいです。

引き継ぎを受ける側の工夫2:不明点を相談しやすくする機会を設ける

引き継ぎ後の相談事項は上司に都度相談しました。週1で必ず開催している部会などの機会もあったので、気になることがあればそこで相談していました。

引き継ぎを受ける側の工夫3:いずれ出てくると想定される不明点を、引き継ぎ時点でなくすよう努める

不明点を都度相談しやすくする工夫は行いますが、前提として、想定しうる相談事項は事前に解決している状態でした。引き継ぎ時点で情報の徹底的な可視化を行い、シミュレーションも2回行って、事前に不明点をできるだけなくすように努めており、こちらについても後述します。

 

引き継ぎで起こり得る「課題」解決のポイント

双方の不安や苦労を放置せず「課題」として向き合うことでスムーズな引き継ぎになりました。その裏にはただ引き継ぐ内容を資料にまとめただけ、資料を読んだだけではない工夫やこだわったポイントがありました。

引き継ぐ側のポイント1:上司には特に、早めに相談する

上司には早めに伝えることがポイントです。早めに相談することで見通しをたてるためのアドバイスをもらい、慣れない引き継ぎの段取りや今後の計画も立てやすくなりました。
不在の際に、引き継いだ業務のサポートもしてもらったので、その意味でも上司との連携は重要だと感じました。

引き継ぐ側のポイント2:情報はできるだけ可視化し、誰が見ても一目でわかるように

引き継ぎ資料には参画者、クライアント、取引先、各担当者名、各担当者連絡先、勤務表提出フローなど必要情報全てをスプレットシートにまとめました。加えて参画者やクライアント、取引先の特徴やヒアリングのスパン、請求の際に気をつけることといった特記事項も一緒に記入し伝えることで、表を見ればどういう時に何をすればいいか一目で分かるようにしていました。

引き継ぐ側のポイント3:手を動かすシミュレーションは2回

資料での引き継ぎだけでなく、手を動かすシミュレーションも行いましたが、それも1回のみで終わらせないことにこだわりました。2回行ったうえで疑問点がないかの確認を取り、分からないことがない状態を目指していました。2回のシミュレーションは業務負荷が高かったのも事実ですが、ひととおりできたことを見届けられて、安心して休みに入れたとのことです。

引き継ぐ側のポイント4:引き継いで終わりではなく、不在期間も資料のアップデートを続けてもらう

復帰後、再度業務を引き継いでもらうことも見据えて、資料の更新があったら都度記入してもらっていました。そうすることで表を見るだけで進捗状況がわかるようになり、休む前後での変化のキャッチアップがスムーズになったように感じています。

引き継ぎを受ける側のポイント1:不安軽減のため、早めに引き継ぎを開始してもらう

長期の休みに伴う業務引き継ぎは初めてのことで不安だった中、産休に入る2ヶ月ほど前から引き継ぎを受ける内容の整理がされていたのが印象的だったとのこと。
2ヶ月前からの引き継ぎは一般的には少し早いように感じるかもしれませんが、不安なものも一緒に対応しながら確認させてもらえたので安心に繋がったようで、早めに引き継ぐことに悪いことはないなと感じたそうです。

引き継ぎを受ける側のポイント2:引き継ぎ内容は複数人で確認する

引き継ぎには上司も関わって実施。事前の確認だけでは抜け漏れがあると考え、1ヶ月前から上司も伴走して様子を確認した結果、やはり言語化できていなかったものがあると判明しました。例えば「お客様に確認」と記載があるものでも実際にやってみると「いつ頃?メール?電話で?」など、客観的に見る目線が増えると、細部の気になる点や確認事項が出てきます。それらについては引き継ぎの間に一緒に埋めることができました。

引き継ぎを受ける側のポイント3:復帰後の引き継ぎを見越して、資料の更新を続ける

引き継ぎ資料はスプレッドシートの形で共有してもらい、これまでどのような対応をしていたか詳しく知ることができました。ヒアリングを行う期間や対応する期間などもどんなに細かい内容でも記載してあったので、産休・育休に入り一人で引き継ぎ業務を担当するようになっても、大抵のことがまとまっていて不安はなかったとのことです。
引き継いだ後そのシートを活用させてもらい、ルールが変わる場合はその引き継ぎのスプレッドシートに記入して、復帰後に変更点を伝えられるようにまとめていました。

引き継ぎを受ける側のポイント4:経験する・可視化する・複数人の目を通すことで不安は軽減できる

1度目に引き継いだ時は、代わりが務まるのか不安しかありませんでしたが、2度目の引き継ぎではほとんど不安を感じることなくスムーズに引き継ぎを受けることができたそうです。
綿密な引き継ぎをしてもらったこと、不明点があった場合に上司と相談し1つずつ解決していったことで、ひととおりの経験ができてイメージがつかみやすくなったためです。もちろん、2度目の引き継ぎ時点で対応内容など変化した部分もありましたが、2度目も産休に入る前に何度か会話をして細かく引き継ぎしていただいたり、一緒に対応もしていただいたりしたことで不安もなくなりました。
1度目で経験した業務であったこと、業務に必要な情報の可視化をしていたこと、都度上司に相談したことで不安を潰せた様子です。

 

長期の不在は誰でも起こり得る。引き継ぎやすい、復帰しやすい仕組みを

業務の引き継ぎを受ける立場では、これまでの業務にプラスして他の人がやっていた慣れない業務をトラブルや滞りなく進行することへの不安がありました。ですが、その不安を潰す工夫を行ってみると、休みから復帰しやすい環境づくりにも役立つ実感があるようでした。
また、今回休みを取得したメンバーは営業部でずっと走り続けてきたメンバーでもありました。引き継ぎを通して、業務内容の可視化とともに、これまで明確になっていなかった業務の気づきやノウハウもまとめたことで、自身の業務の棚卸しにもなったといいます。

もともとは自身の業務負担だけでなく、「相手の業務負担」「関係者へ与える影響」を考えていたからこその不安でした。人と人とをつなげることを大切にして業務にあたっている、ノヴィータの営業部の考え方が現れていると感じます。

でも、この考え方だからこそ、引き継ぎの苦労を「課題」と捉えて部門のこととして解決を試みることができたとも言えます。結果、双方の立場から解消策を探り、引き継ぎ後のスムーズな業務、そしてスムーズな復帰につなげました。

いずれ復帰したら業務が手元に戻ってくる前提で資料化し、情報の更新をし続けたこと。そして、復帰を見据えて引き継ぎを行い、実際に2度の復帰を行えたことが重要だと考えます。2度目の引き継ぎでは1度目の振り返りもできており、双方にとっての成長に繋がっています。

今回引き継ぎを受けたメンバーも、今後業務を引き継ぐ側になる可能性は十分ありえます。綿密な引き継ぎを受けた経験は今後、自分が引き継ぐ側になった時の基本になるのではないでしょうか。

業務を引き継ぐことへの申し訳ないという気持ちや、引き継ぎを受ける側の戸惑い。それらを個人の苦労で終わらせず、誰でも「引き継ぐ側・引き継ぎを受ける側」どちらにもなりえるため、悩みは業務や部門の課題としてとらえて解決する。この考え方は、今後の労働人口減などを鑑みるに重要な視点です。
産休育休のみならず、病気や介護での休みなど、ライフイベントと仕事の両立はどの人にも無視できないものになりえます。部門やチームで引き継ぎを行う際に、この記事が参考になれば幸いです。

 

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