NOVILOG

株式会社ノヴィータが運営するブログメディアです。メンバーのこと、文化や価値観、ノウハウ、様々な活動などについて発信します。

「地元を盛り上げる助けにもなれば」フルリモート営業として、東京から会津へUターン(No.15 田中未希さん)



「大の負けず嫌いで、昔は部長にすら負けたくないと思っていた時期もあります。やっぱり営業なので数字をとってきて稼がなきゃいけないというか。どんな時も心の片隅に『会社のみんなのために、数字を上げたい』って気持ちを持って動いているので、そこは頑張りたい

オンライン取材のモニター越しに、なんとも頼もしい言葉を返してくれたのはノヴィータの営業部リーダーである田中未希さんだ。

田中さんは現在、出身地である福島県会津若松市にご家族と共に暮らし、フルリモートワークでSESの営業として活躍している。主な仕事内容は、東京や会津の顧客・パートナーへの営業や開拓だ。 

フルリモートワーク営業というのはノヴィータとしても大きな挑戦の一つとなっている。
本人のUターン希望と会社の意欲が上手く重なったこの状況が開始してから、5年が経過した。 

「最近、お客様に『僕、すぐ田中さんに連絡しちゃうんだよね。なにか問題が起きてもスピーディーに解決してくれると思って』と言っていただいたことがあって、嬉しかったです」

距離を感じさせないレスポンスの早さで、お客様との信頼関係を築いているようだ。ただ、レスポンスが早く、仕事ができる人にはタスクが集中しがちである。この点をどう思うか尋ねてみたら、意外な回答が返ってきた。

「私は忙しい方が好きなんです。忙しさが増すのは、実は何とも思ってない」 田中さんは営業活動に邁進するだけでなく、このNOVILOG上でも多数の記事を執筆し、情報発信にも積極的に取り組んできた。
今回はそれら過去記事も適宜触れつつ、ノヴィータの敏腕営業、田中さんの足跡や活躍を紹介していきたい。

実は苦手だった営業職。育成やチームを意識して変わったスタンス

田中さんは東京で就職。広告代理店で営業や総務、フランスの子供服を取り扱う会社などで働いていたそうだ。

「子供服を取り扱う会社では社員数が少なく、多岐に渡る業務を担当していました。フランスの方とやり取りして子供服を仕入れたり、仕入額を元に販売価格を考えたり、公式サイトのレイアウトやデザイン、掲載コンテンツの提案をしたり。店舗販売のディスプレイデザインなんかもやってましたね」

田中さんのレスポンスの早さ、問題解決能力の高さはこの経験が下地になっているのではないだろうか。
長く一つの専門職を続けることもそれはそれで大事だが、さまざまな分野で経験を積んだほうが、顧客の困りごとをより深く聞ける。想像力が働きやすくなるためだ。
その後、田中さんは再び転職することになり、営業職への再チャレンジを決める。

「実は、営業職は一回経験した際、自分に向いていないと思っていたんです。でも転職することになって適職診断テストをやったら『営業は向いている』って結果が出て。
当時転職を支援してくれたエージェントの方にすすめられて1回だけ受けた営業職での面接の感触がよかったんですよね。その時の面接官と話をして、『この人の下なら営業職ができるかも』と思ったのを覚えています。入社後にはその人の部下となりました。その後は上司の背中を見て学んでいくのみならず、分からないことはしっかりと聞いていって、自分の型を自分で形作っていった感じですかね。
SES営業での『物を売るのではなく、仕事を探している人をサポートします』という部分を魅力に感じました。当時の上司とは、今でもお付き合いが続いています」

再度営業となって経験を積んだ後、田中さんは2016年にノヴィータに転職。その後、教育する側に回った田中さんは、新人育成で壁を感じることとなる。この時のことについては下記記事をご参照いただきたい。

「新人営業から一人前へ!成長につなげた取り組みとは?」

「私の『当たり前』は相手の『当たり前』ではなかった。
でも
相手に期待していることをきちんと言語化して、話し合ったりしてお互い分かり合えましたね。あの経験があったから今、チームとして上手く動けてるんだと思います。
最初に負けず嫌いの話をしましたが、今はリーダーという肩書きがついて、自分だけじゃなくてチームとして売上を上げるんだ、目標達成するんだって気持ちが強くなっています。
フルリモートであることに加えて、子供もできて時短で働いているので、どうしてもチームのメンバーに頼らないといけない部分もありますし。
自分を支えてくれてる営業チームのメンバーはもちろん、自分の今の働き方を受け入れてくれてる会社、他チームのメンバーにも、思いに応えられるように頑張らなきゃなって思っています」

田中さんは実は、会津でフルリモート営業として働き始めた後に、産休・育休を取得している。

会津へのUターン、講師という新たな挑戦

しかし、田中さんが会津へ帰ることを決めたのは自分の子育てのためではなかったそうだ。
田中さんは兼ねてからずっと、いずれは地元で働きたいと考えていたらしい。

「私は一人っ子なので、育ててくれた母や祖母を、いずれ自分が守ってあげなくちゃいけないと思っていました。
新卒の時は東京で就職しましたが、「いろいろ吸収して10年くらい経ったら地元に帰ろう」と思っていて、ちょうど10年経ったときに在籍していたノヴィータでリモートをやっていました。
正直、タイミングが良かったとも思っています。私より前にリモートワークをしてた人が、2、3人いたので、上司への相談後、三好にも相談してみました。ダメだったら辞めるなり、戻って地元に就職するなりするつもりでしたが、「辞める必要はない」って言ってもらえて。それで段階的に少しずつリモートと帰郷を進めていき、やがてフルリモートに移行できました」

さて、田中さんはフルリモート開始後の2019年、営業とは異なる仕事も担当することになる。
母校である会津大学短期大学部で、講義を担当したのだ。
こちらについては下記記事が詳しい。

地元と後輩への思い。会津大学短期大学部「情報デザイン」授業の取り組み

「2019年のUターン後、自分の母校なのでまずご挨拶しに行って、そこから始まったご縁です。
当時は適任の方がいなくて先生もお困りでしたし、自分が母校のお役に立てるのならばと提案させていただきました。
この経験もあり、2022年度、2023年度は短期大学部の方々から非常勤講師のご依頼をいただきました。私はデザイナーではないので最初は難しいと思ったんですが、会社としてもちょうど講義などの仕事が増えていたこともあり、お受けすることにしました。『田中さんにやってほしい』と言われてすごく嬉しかったんですよね。それで、自分でできる内容をご提案して、いろいろと上長とも相談した上でノヴィータの社員として講師をやっています」

田中さんの授業は自分のキャリアを磨いていく方法、デザイン思考をどう活用していくかなど、実務に基づいた話を提供し、学生に自分の未来像を考えさせる内容だった。最初の2019年こそ1回だけの特別講義として依頼されたものだったが、2022年度、2023年度は数ヶ月受講するカリキュラムとしてご依頼をいただいているそうだ。

この、会津大学短期大学部講師を務めることになった経緯を聞くと、田中さんの営業スタンスが見えてくるように感じられる。「クライアントに寄り添い、困りごとを解決していく」という点でコンサルティングに近いものがあるのだ。

会津大学短期大学部での授業前の打ち合わせ風景

「やっぱりお客様ありきで動いている」と田中さんは語る。

SESの営業では、クライアントと紹介されるエンジニア、双方の話をしっかりと聞いて、橋渡しできなければ全員が満足できる結果には到達できない。物言わぬ自社商品を売り込んでいくタイプの営業とはアプローチの仕方が異なる。

田中さんは普段はSESの営業としてエンジニアを紹介しているが、この講師業については、クライアントのニーズに合致する人物は田中さん本人だったのだ。
それでも、最終的に「お客様の困りごとを解決する」という点では普段の営業とゴールは変わらない。
それが田中さんの営業、ノヴィータの営業なのである。

一つの問題解決が新たな縁を作り、更には地域を盛り上げるきっかけにもなる

講師として授業を担当しているのは田中さんだけにとどまらない。
田中さんの営業活動が発端となり、ノヴィータの他メンバーも複数、会津で講師を務めている会津大学 女性のためのITキャリアアップ塾」の存在だ。

「働きたい人が働ける環境」を地方でつくりたい~会津大学様との取り組み~

「インキュベーションオフィスで出会った地元企業の方に、ノヴィータが県内外の大学と教育関連の仕事をしていることや、Web制作やWebデザイン制作などを主力事業としていることなどを説明しました。そうしたら、その会社さんは会津大学 女性のためのITキャリアアップ塾のお仕事をしていたんです。そちらが『一緒に会津大学へお話を聞きに行けませんか』と提案してくれました。元々その会社さんがやっていたプログラミングの授業に加えて『新しくデザインの授業を始めたい、それをノヴィータさんにお願いしたい』と言っていただけて、今に至っています」

この「会津大学 女性のためのITキャリアアップ塾」では、IT基礎・Webデザイン基礎コースについてノヴィータのメンバー複数人がオンラインで担当している。

会津大学外観

「カリキュラムの内容から考えなければならなかったので最初はすごく大変でした。でも毎年ブラッシュアップを加えていって、もう4年連続でお話をいただけていますので、ありがたい限りです」

大学側担当者と関係性を構築し、節目節目で振り返りをするなどといった業務は一般的な営業と共通点は多いが、授業カリキュラムの作成などは最早「SES営業」という職域を超えている。しかしこれも田中さんが目の前にいるクライアントの困りごとに寄り添って問題解決に尽力した結果なのだ。
会津大学では、女性のためのITキャリアアップ塾とは別の枠で、就業体験という形でバナー作成から納品までを実際に行い、デザイナーとしてビジネスに繋げていけるようにする授業なども行っている。

田中さんはこのように日々の営業活動から新たな縁を生み出し、SESの営業だけでなく、大学講義受注など新たなビジネスチャンスを生み出せている。流石営業部リーダーである。
今後の展望についてお伺いしてみた。

「Uターンして戻ってきた人間として、外から吸収してきたものを会津に広げていきたいなと思っています。そういう人が増えることを期待しています」

田中さん自身が、この期待像を体現している最中という印象を受けた。

 「そうやって活躍できる人が増えれば、もっと会津は盛り上がっていけるんじゃないかな。その支援を進めていけると嬉しいですね」

<取材後記>

ノヴィータのメンバーインタビューを執筆する際は、取材対象のメンバー以外にも日程調整や事前打ち合わせなどで複数のメンバーにご協力いただいている。その中には、記事で紹介した会津大学での講座やジョブマッチングがきっかけでノヴィータに入社したメンバーも存在する。田中さんと同様、福島県からのリモート就労らしい。

Slackで「実は福島から繋いでいます」とお伺いしたときに衝撃を受けた。先に居住地を伝えられなければ全員東京にいるのかと思いこんでいたためだ。自分の感覚が時代遅れになってきていることも再認識した。

グローバルな仕事だけではなく国内だけの仕事も、オンラインであれば相手は日本のどこにいるかは分からない。

意欲と能力があり、通信環境が整えば場所を選ばず働ける。

会津大学の講座では、遠く離れた兵庫県豊岡市在住のメンバーがリモートでオンライン登壇することもあったそうだ。全国支社があるような企業では普通のことかもしれないが、全ての企業がそうではない。

会津ー豊岡ー東京など、多数の地域を連携させた共創の取り組み。ノヴィータの多様な働き方支援が生み出した一つの成果だと言えるだろう。私の取材記事もその一助になれれば幸いである。

(インタビュー・文 石林グミ)

 

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