NOVILOG

株式会社ノヴィータが運営するブログメディアです。メンバーのこと、文化や価値観、ノウハウ、様々な活動などについて発信します。

LAXIC発。TOKYOテレワークアワード受賞者で集まってみて、「もっと頑張ろう」と思った話

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ノヴィータ広報担当 中根です。

ノヴィータは今年3月、第1回「TOKYOテレワークアワード」の推進賞を受賞しました。「TOKYOテレワークアワード」とは東京都主催のアワードで、テレワークの推進を図ることを目的とし、「テレワーク東京ルール」宣言企業の中からテレワークに関する先進的・モデル的取組を行っている企業・団体を表彰するものです。
受賞企業はノヴィータ含めて22社(大賞2社・推進賞20社)。

 

www.novitanet.com

 


受賞のポイントを動画にもしていただきました。

youtu.be

 


設立当初よりノヴィータは働き方に関して柔軟な考えを持っており、週3正社員・有事の際の在宅勤務・子連れ出勤なども受け入れ実績があります。2017年から地方からのテレワークも受け入れてはいたものの、働き方を表彰をいただくのは初めてでした。受賞を大いに喜んではいたがプレスリリース対応等で必死になっていた私の横で、

「受賞企業のお話を、ノヴィータが運営するママ向けWEBメディアLAXIC(ラシク)で取材させていただいたら、(実践者でもあるノヴィータ・LAXICが聞くことで)テレワーク等の働き方や人材活躍に関してもっと濃いお話が聞けるのでは。座談会の後で連携もできれば、社会課題の解決に向けたいろんなことができるかもしれない

と、LAXIC編集長・小山からアイデアが。

 

テレワーク、男性の育休、副業などがまだまだ珍しかった2015年8月に「ワーママを、楽しく。」を掲げLAXICがローンチ。6年間、ママの働き方について等身大のロールモデルを取材しては社会に向けて発信をしています。
6年経ち、世の中も大きく変化しました。例えば、育児中のママに限らず、病気や介護など、制約の中で働く人が増えています。また、男性版産休など法整備が整いつつあり、ライフを重視するのはもはや女性だけではなくなってきました。
そのような状況に対応し、働き方に理解ある会社も増えているものの、そういう会社ばかりとも言えない状況。LAXICでまだまだやれることはある…そんな思いでの提案でした。

全くつながりがないところからの突然のお声がけでしたが、なんと8社もの会社様が集まってくださり、座談会・LAXIC合同取材が開かれました!

 

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座談会の様子。オブザーバー参加・LAXIC編集部も含め、20名ほどの方々にお集まりいただきました

座談会メンバー

  • 株式会社船場 経営企画部 コーポレートコミュニケーション室 中田 倫未様
  • 株式会社ショーケース 代表取締役社長 永田 豊志様
  • e-Janネットワークス株式会社 経営企画室 田尻 智子様
  • 株式会社エイアンドピープル 管理本部 リーダー  菅井 沙紀様
  • 株式会社エグゼクティブ パブリックリレーション部メディア担当責任者 鈴木 はるな様
  • CLINKS株式会社 経営企画室 採用チーム 課長補佐 戸坂 妹子様
  • 株式会社j Career 総務部次長 増田 佳子様
  • 日都産業株式会社 総務部係長 萩原 雅和様
  • 株式会社ノヴィータ 代表取締役社長 三好 怜子

 

ここからは各社の印象深いお話について、ノヴィータやLAXICの目線から、ご紹介させていただきます。

 

人材を大切にする姿勢と、続ける大切さ

まずご紹介したいのは、数年にわたりテレワークに取り組んできた会社様のお話。e-Janネットワークス株式会社と、CLINKS株式会社は、2社ともテレワークを促進するツールのご提供をされていらっしゃることもあり、テレワークの実践は数年以上です。
e-Janネットワークス株式会社では5年前、2016年からテレワークをしているそうです。最近ではワーケーションの制度も取り入れ、年間60日使えるそう。外国籍の社員の方が2割ほどいらっしゃるなどもあり、帰省と組み合わせた事例もあるそうです。
CLINKS株式会社も2016年からテレワークをされているとのことでした。戸坂様は3人のお子さんがいらっしゃるそうですが、「会社に支えられ、育児との両立の苦労は特に感じていない」とおっしゃるほど働きやすい社内の文化や制度、ツールのシェアをしてくださいました。

ノヴィータも2016年からトライアルを開始、2017年から本格的に取り組んでいます。テレワークを数年継続したことで、兵庫県豊岡市と連携しテレワークを前提とした雇用創出の取り組みにつながったり、自治体のワーケーション模索を支援するサービスを始めたりするに至りました。
今でこそノヴィータは賞をいただくほどに「うまくいっている」ように見えますが、はじめは全くそうではありませんでした(よろしければ過去のブログもご覧いただきたいです)。自社の経験からすると、やった期間、そしてどれだけ本気で取り組んでいるのかが大事なのだろうと思っています。

 

日都産業株式会社のエピソードも印象的でした。「2017年、結婚を控えたデザイナー社員が、ライフイベントが変わることを見据え社内に働きかけたのがきっかけ。それまでは事務所以外で働くことが考えられなかった。」その後コロナ禍をきっかけに制度化し、今は全員が対象になったそうです。

ノヴィータでのテレワーク導入のきっかけも、社員の地方転居に際し、「テレワークをいずれやりたい」と昔発言していたことを覚えていた三好が社員の退職を引き止め、テレワークを打診したところから始まります。その後、取り組みを継続し、対象となるメンバーを徐々に広げて今に至ります。

 

座談会では、「コロナ禍を機にテレワークを開始」とした会社様もいらっしゃいました。そのうちの1社、株式会社ショーケースは社長自らコミットを示し、「原則出社禁止」という強いメッセージを出したそうです。
浸透にはトップメッセージとともに、仕組みの工夫が大切という話題も。CLINKS株式会社は当初、顧客の事情もあり在宅勤務できる人とできない人がいたとのこと。「テレワークを浸透させるために必要な機器やコミュニケーション手当を支給し、各部署にテレワーク率のノルマを設定。実際に体験してもらうことで在宅勤務の割合を維持。デメリットがないと分かってもらうようにしている」とのことでした。

 

振り返るとノヴィータでも、全社テレワーク推奨直後からトップメッセージを出す機会を増やしていました。他の理由でそうしていた要素も大きかったのですが、スムーズな全社テレワークを行うには結果的によかったのかもしれません。
特にノヴィータはボトムアップをかなり大事にしている組織です。折に触れてアンケートをとり、それを施策に活かす場合も多くあります。ですがテレワークの環境下では、ボトムアップの文化を維持するにも、まずはトップのコミットメントとトップメッセージの強化から始まっているかもと気付かされました。

 

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週1、15分間の全社朝会。トップダウンメッセージ強化をきっかけとして、2020年7月に開始

株式会社j Careerの増田様が「人材を大事にしている発想からの取り組みが多いと感じた」とおっしゃってくださったのがまさにと思います。トップのコミットメントや会社の考え方が、テレワークという在り方にダイレクトに反映されているものであると強く感じました。

 

「テレワークが前提」。各社コミュニケーションに工夫

座談会で多くの話題を占めたのがコミュニケーション。同じ場所に居ないため人の雰囲気が見えなくなり、テキストコミュニケーションでも埋めようとするも書き方で解釈が割れたり。各社視点は近く、よりよいアイデアを探求されていました。

ノヴィータ代表の三好もリアルコミュニケーションを大切にしていたので、2020年4月の緊急事態宣言でテレワークを本格化させた時に戸惑ったエピソードをシェアしておりました。女性が多いとその場の雰囲気を読む力が長けている場合も多く、テレワークでやり方が変わり戸惑っていらっしゃる方も多い肌感覚がある、とも。リアルコミュニケーションが多い・お得意な方が多い会社だと、その手法を一度遮断されることになるので、テレワークにてそれ以外のコミュニケーションを試行錯誤するのも相当な苦労とお察しします。

とはいえ、このテレワークの状況を前提とした工夫をされていて、「働き方の選択肢が増えたことで、新しい手法が得られたと考えれば良い」という会話がなされていたのが非常に印象的でした。

 

株式会社エグゼクティブでは「まるでオフィスに居るように、という環境を心がけている」とのこと。Slackで「おはよう」など日常の一言からコミュニケーションを喚起するチャンネルを運用されていました。

株式会社ショーケースもリアルに近いコミュニケーションを心がけているそうです。テレワークは会社との距離が希薄になるという危機感があったそうで、取り組みの一つとして「オンライン運動会」を実施。オンラインで、借り物競争、クイズなどを行い汗を流されたとのことです。この取り組みは各社から驚きの声が! オンラインだからできないと思い込んでいることはありそう、と思わされました。

株式会社船場は「社歴の浅い社員向けに質問プラットフォームをリリース」されたとのこと。ノヴィータでもテレワークになってからの入社参画メンバーが徐々に増えており、オンボーディングについて、出社時とはやはり勝手が違うことを実感しています。ノウハウの言語化と、その情報を取り出しやすいところに貯めておくことは、特にテレワークでは欠かせないのではないでしょうか。

株式会社j Careerが取り組んでおられる「スケジュールツールに予定を入れて可視化」することも重要なひとつ。離れていてもなんとなく動いている感じを出すのは大事だと、個人的な経験からも思います。しかも社長様から、毎日「困ったらいつでも声をかけてね」とメッセージもあるとのことで、安心して働ける雰囲気につながっているのだろうと思いました。

 

ノヴィータも社内コミュニケーションは工夫をしています。テレワーク導入後から週1で全社の朝会を行うようになった他、チーム内の朝礼や終礼を推奨。
また、特徴的なのは雑談会です。いろいろなテーマで開催を試行錯誤していますが、ママを集めて育児などをテーマとした雑談を行う会が最も盛り上がっており、普段の業務では接点のないメンバー同士の交流や、育児等の情報交換の場にもなっています。

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雑談会を開始した時の様子。当初はオフィス勤務者と在宅勤務者をつなぐ役割だった(2019年ごろ)

 

昨年を境に、テレワークは皆のものとなった

昨年以前は、テレワークを取り入れていても「会社に来れない人のための特別な働き方」という雰囲気だったのが、特別なものではなく皆のものになったよね、いう話題もありました。
LAXICの媒体特性からかママのご出席者様も多く、ママは特に助かっているのではという話にも。「妊娠中の時に電車に乗れなくなり、テレワークできてすごく助かった経験がある」「子どもは体調不良だが私は健康だった時の、働く選択肢ができた」などのエピソードにみなさんうなずかれていました。

そして、テレワークが真に「皆のものになる」ためのヒントも、たくさん話されていたように思います。ノヴィータも実践してきて、まさに! とうなずいたものをいくつかご紹介します。

 

社長が女性、正社員も女性100%の会社である株式会社エイアンドピープル。ですが、菅井様がおっしゃるには「女性100%は、キャリアが絶たれないように寄り添った組織づくりをした結果論であって、女性を集めたわけではない。」とのことでした。「ワーキングマザーと言って状況が同じ人ばかりではなく、必要な支援も様々。女性の働き方を注目いただくことが多いが、性別で区切るという考え方ではなく組織づくりをしたい。ママが特別というわけではない」というのはうなずくばかりでした。

ママに向けてではなく、全員に向けて。というのはノヴィータでも同じです。ノヴィータも女性が7割を占めますが、育児中のママに限らず病気や介護などと両立しながら働く人も受け入れています。性別を問わず恩恵を受けられるように働く環境を創った結果、まわりまわってママの働きやすさにつながっています。「働く場所が一箇所であるとは限らない」という価値観から、リモートワークはより本質的な考え方のもとに組織を作れる機会になると捉えて、コミュニケーションのあり方や評価の仕方を考え続けています。

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ノヴィータの働き方も「性別を問わず恩恵を受けられるように」という考え方で、どのように実現できるかを試行錯誤しながら運用中

 

株式会社船場は「ワークライフインテグレーション、仕事と生活を分けすぎない発想」を提案していらっしゃいます。ノヴィータ代表の三好も考え方が近く、オンオフは柔軟なほうが良いという考え方を持っており、ライフの部分も柔軟でないと実現はしづらいのでは、と感じているようです。その考え方はノヴィータの働き方にも反映されています。

日都産業株式会社の「業務を細かく分け、在宅でできる業務・出社しないとできない業務を分けた」というのも、テレワークの文脈でまだ多くは語られていない印象ですが重要な考え方です。
ノヴィータも業務整備観点から業務を細かく分けることを心がけています。メンバーの管理をする立場になった人には月1の研修に出てもらい、働き方はじめ、個性をふまえたマネジメントを行えるようスキル向上を見据え、業務分解、業務フロー設計の発想をつけてもらうようにしています。業務分解の発想は短時間勤務でも仕事の意義を伝えるところにも影響があり、まわりまわって、性別関係なく育児、傷病、介護などを前提とした多様な働き方を受け入れられる素地になると思います。

 

1時間半とかなり限られた時間での座談会ではありましたが、語り尽くせないほど各社がたくさんお取り組みをされていることを強く感じました。チャット欄で取り組みをシェアしてくださった会社様も。
LAXIC記事では前後編、2記事にわたり、このブログで記載した以外のお取り組みについても触れられています。ためになる取り組みばかりですのでぜひご覧ください!

 

▼前編

laxic.me

▼後編

laxic.me

 

実践者として課題を見つめ、情報発信と言語化に取り組む

今回の対談に参加した、ノヴィータ社長 三好、LAXIC編集長 小山からのコメントです。

 

▼ノヴィータ代表取締役社長 三好より

多くの会社が未曾有の危機を目の当たりにし、変革をしてきた2020年。
今回の企画にご参加いただいた会社において、一部の人ではなく、経営者はもちろん、働く社員一人一人の言動が各社の「テレワーク」を推進させ、受賞に繋がったのだなと、皆様のお話を聞いて、確信いたしました。
想定外に対して「できない」ということは簡単ですが、「どうやったらできるか」を経営者として引き続き模索し、テレワーク環境整備を行うことで、さらなる発展を目指せる会社を1社でも多く増やせるよう、今回ご参画頂いた皆様のお知恵もかりて、進めていきたいと思っております。

 


▼LAXIC編集長 小山より

今回、突然のお声がけにもかかわらず、多くの企業様にお集まりいただきとても嬉しく思います。限られた時間の中で対話させていただくにはあまりに大きなテーマで、終了10分前は「まだまだお聞きしたい!」という想いでいっぱいでしたが、ギュッと凝縮したお話を伺えて非常に勉強になりました。
働き方は100社あれば100通りで正解はありません。お集まりいただいたみなさまも常に試行錯誤を繰り返しておられ、いい仲間ができた気がいたします。今後もぜひ情報交換を行いながら、事例やTipsをメディアに包んで社会に還元できますと幸いです!

 

私も取材に同席し、一歩先を行っている皆様とご一緒できた今回の場がいかに貴重だったか、とりわけ噛み締めた話題をシェアさせてください。

「テレワークは、会社に来れない人のための特別な働き方から皆のものとなって、それがいろんな働き方につながっていることがわかった」。e-Janネットワークス株式会社の田尻様からのコメントです。皆のための働き方であるとするならば、それをもっと広げていくことがきっと求められる。そのために、お集まりいただいた皆様と力を合わせつつ、どうすればいいのだろうかという思案の機会にもなった座談会でした。

日都産業株式会社の萩原様がおっしゃっていた「まだまだ取り組めることがあると思ったが、自社だからこそ寄り添えることがある」という一言も、非常に印象的でした。
何かを変えていくには間を埋めていくことが大事ですが、視点をふまえた言語化が欠かせません。個人的には、今回お集まりいただいた会社のようにできているところと、そうでないところが分断してきている印象です。そんな中、リアル出社も一定必要な事業をされている会社様の取り組みは、とりわけ貴重な事例で発信する価値があるものと感じます。

ノヴィータは発信者でもあり実践者でありたいと思っています。
言語化の大切さと難しさも痛感しつつの主観的なレポートではありましたが、実践者として気になるポイントをご紹介させていただきました。(各社取り組みのすべては紹介しきれず…ぜひLAXICの記事をご覧ください!)

 

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「TOKYOテレワークアワード」受賞動画撮影の様子

 

今回の座談会で終わらず、今後も各社様と一緒に、働き方の選択肢が増えるよう社会に発信できればと思っています。
各社の取り組み、ノヴィータの価値観にも共感いただいた他社の実践者の方ともぜひ、繋がりたく、よろしければご連絡をいただければありがたいです!

 

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コーポレートサイトもぜひご覧ください。

www.novitanet.com

 

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