NOVILOG

株式会社ノヴィータが運営するブログメディアです。メンバーのこと、文化や価値観、ノウハウ、様々な活動などについて発信します。

「主体は学生! 教育をテーマに学生と教職員が一緒に作り上げる広報メディアが実現」東京学芸大学・正木先生、金子先生

ノヴィータでは、民間企業の案件だけでなく大学や各種教育機関の案件にも積極的に取り組んでいます。

今回は、東京学芸大学での事例です。在学生が卒業生のキャリアについてインタビューする交流イベント「みちしるべ」、「教育を面白くする」をテーマに学生と教職員が一緒に運営するWebマガジン「edumotto(エデュモット)」のサイト制作を担当しました。制作にあたりご協力いただいた同大学の正木先生、金子先生にお話しをお伺いしてきました。

ノヴィータでは、オウンドメディアの立ち上げも一から行っております。オウンドメディアにご興味ある方は、今回の事例は制作のアイデアやヒントになるかと思いますので、是非ご一読ください。

ノヴィータへご依頼いただいたきっかけと先生方のご専攻

インタビュアー
先生方には過去、弊社が運営しているWebメディア「ラシク」にも登場していただきました。

正木先生
はい、記事では大学と地域との取り組みや次世代教育に関する話をさせていただきました。

インタビュアー
正木先生は、東京学芸大学卒業後、一度デザイン事務所へ就職されたのち、現在は学芸大学「芸術・スポーツ科学系美術・書道講座」で教鞭をとられています。広報戦略室の室長もされ、大学広報への関わりを機に、学内広報誌「TGU」を創刊し発行活動に従事されてきました。企画や取材、データづくりにいたるまで、学生が主体となって手がける「TGU」は、その編集方針が功を奏して、それまでの学内広報誌以上にアピール力を持った大学広報メディアへと成長して、現在はWebマガジン「edumotto」へ受け継がれています。

金子先生の専門分野は社会心理学、教育支援協働学で、東京学芸大学 教育インキュベーションセンター長も務められています。「Explayground(エクスプレイグランド)」では、ラボを作り、大人も子どもも関係なくプロジェクトに参加し、「遊びから生まれる学び」を社会実装しながら、新しい公教育の形、学びを軸としたコミュニティの形成をおこなっています。「未来の学校みんなで創ろう。PROJECT」では、産官学民子ども、みんなで学校を創造していく仕組みを模索。このように、企業と大学、学校をつなぐ協働の推進、新しい「学びの場」の研究開発、普及に取り組まれています。

先生方の興味深い活動が気になる方は、こちらの記事もご参照ください。

正木先生 ラシク記事
大学を街のプラットフォームに。東京学芸大、正木先生と話す教育の未来

金子先生 ラシク記事
VUCA時代、「生きる力」を育む、学びの本質とは?「遊び」と「学び」の深い関係性【前編】
シェアスクール、親子ワーケーション、EdTech「新しい学び」=大人も子どもも一緒に問題解決すること【後編】

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話し合いにより、大学広報の課題解決につながるメディア構想ができ上がった

インタビュアー
そもそもノヴィータとのお付き合いのきっかけは、どのような事からだったのでしょうか?

正木先生
東京学芸大学では、2019年に「遊びと学びをシームレスにつなげる」ことで教育にイノベーションをもたらす「Explayground事業」がスタートしました。そのプロモーションをしたときに、関心を持っていただいた御社会長の小田垣さんから「母校だし、なにか一緒にできることないですか?」と言ってこられたのがきっかけです。

色々と話していく中で、「卒業生とのネットワークがあまりないですよね」という話題になって、大学の広報戦略の一環として何か卒業生とのネットワークがはかれないか?という話題を振ったところ、「みちしるべ」の立ち上げにつながりました。

 

東京学芸大学 正木賢一先生

インタビュアー
「みちしるべ」とは、東京学芸大学とノヴィータがキャリアに関しての共同研究として実施している、「教育」と「多様性」をテーマに卒業生と在校生が交流を図るイベントです。毎回さまざまな東京学芸大学の卒業生をゲストに迎え、これまでの道のりや今考えていること、未来への思いについて、在学生が登壇者へ質疑応答を行い、実施した様子は動画で配信しています。

この「みちしるべ」を実施することになった背景はどのような点だったのでしょうか?

正木先生
東京学芸大学は、国の教員養成大学としての役割を担っているため、教職としてのキャリアしか無いと思う学生がいるのも実情です。その一方で、学校にかぎらず社会全体から教育を支援していけるような人材の育成が急務という感覚もありました。

課題観として、卒業生とのネットワークの希薄さ、キャリア教育、産学連携というテーマが3つあって、つながってできたのが「みちしるべ」。金子先生は教育インキュベーションセンター長でいらっしゃるので、起業したいという学生に対してアントレプレナー的な教育の関わり方の間口になるのでは?と思い、立ち上げ時にコラボレーションしました。

金子先生
学芸大には、産官学民からなる多様な参加者が主体的に未来に向けての新しい学びを創造するプラットフォーム「Explaygroud(エクスプレイグランド)」があります。これは教育のイノベーションを目指していく場です。

教員養成大学でもあるから教員になる選択肢が一番であるのはいいのですが、選択肢を一つだけにする、その一つだけ持てば良い、ということではないのでは?と課題意識をもっていました。それを考えると、まずは卒業後のキャリアが見えて、色んな人と出会う場があればいいのではと。

教育者養成という意味でとらえて、教育マインドをもった人を育てるというのが大学のミッションだと思っています。

卒業生と在校生がつながる場「みちしるべ」をやったことで見えたキャリアの多様性

インタビュアー
実際に「みちしるべ」をやられてみていかがでしたか?

正木先生
卒業生の多様なキャリアのモデルケースを提供する「みちしるべ」は、在学生にとっていろんな将来の選択肢や生き方を知るきっかけとなるので、大変有意義に感じています。また「みちしるべ」に登場する卒業生の根底には、人の才能、人の眠っている気持ちを呼び起こす教育マインドに満ちていることもわかり、私自身も同じ本学の卒業生として大きな励みにもなりました。

インタビュアー
なるほど、私の友人で氷河期世代に教員免許をとっても教員になれない人が多かったですが、その中で一度社会に出てから教員免許を取り直して教員になった人は、柔軟なタイプの先生で、生徒からは好かれるようですね。

金子先生
別に全員が全員、「社会人になってから教員になるべき」だとは思わないのですが、学校も企業も多様性が必要。画一化されるとでこぼこがなくなってしまう。学校でも、企業から出てきた人もいれば、ずっと歴史だけをやってきた人もいる。でこぼこがあるからこそ、いろんな子どもに対応できる。多様な人がいることで、子どもたちの多様な好きややりたいことを支援してあげられるようになるのだと思います。

 

東京学芸大学 金子嘉宏先生

正木先生
自分らしいパフォーマンスが活かせるかが大切で、前提が違うと言われちゃうとそもそも個性が活かせない。だからこそ「みちしるべ」をやっていて意味があるのは、先輩の社会経験をしてきた生の言動が、理屈抜きに在学生に刺さるからだと思います。

インタビュアー
在校生の方から、東京学芸大学では教員になる以外に卒業生の実績が見つからないと思っていたけれど、大学のホームページにあった「みちしるべ」を見て、卒業生の多様な活躍を知るきっかけになったと聞きました。まさに大学広報として成功していますよね。

正木先生
大学広報の観点からも「みちしるべ」は有益な取り組みだと考えています。在学生と卒業生とのネットワークからうまれるところに普遍性と持続性があるので。卒業生の様々な職業観に触れることを引き金にして、在学生自らが、こんなことが仕事としてやれるのなら自分もやれるのでは?という気持ちが生まれてきます。

金子先生
教員という仕事は生徒指導から、授業など、全部を自分一人で行う傾向があります。また、教育という特性上、正解を伝えることに重点をおく傾向があり、価値観が一つというところに陥りがちで多様化しない。実際はそうじゃないことを学生のうちから知っておいて欲しいですね。

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学芸大学初のオウンドメディア「edumotto(エデュモット)」は学生主体のメディア

インタビュアー
「みちしるべ」の次に企画した、東京学芸大学のブランディングを目的とした公式ウェブマガジン「edumotto(エデュモット)」ですが、実施に至った決定打はどこでしたか?

正木先生
これからの大学広報のあり方やメディアの動向を考える中で、先の学内広報誌「TGU」で培った学生たちが主体的に運営できるような組織とメディアづくりを提案し、そのタイミングでノヴィータさんにお願いしました。そして「edumotto」が実現しました。

「edumotto」は「TGU」同様に自給自足の広報活動がコンセプト。血の通ってない広報ってナンセンスで、自分達が自らこうしたいという発信する主語は学生。いっそ運営企画から学生に任せる(本気で一緒にやる)のがいいんじゃないかと投げかけたら、生き生きとしたコンテンツが立ち上がりました。そして学生と教職員が協働で編集チームを組成して運営することにしました。先生も授業で接点がない学生がインタビューに来るから、インタビュー時間がどんどん伸びて普段話せないことを学生に話してくれたりなんてことも。

インタビュアー
まさに相乗効果ですね!学校内外から「edumotto」のような場があってよかったという声はありますか?

正木先生
これまで本学にはバラエティ感に富んだオウンドメディアがなくて、エデュケーショナルエンターテインメントとして「edumotto」は強みだと思っています。

 

 

金子先生
「教育をもっと面白くする」をテーマにコンテンツを発信しているので、学生からも評価が高いです。ただ、目指すところはマネタイズしながらの「edumotto」の自立運営で、ここはまだまだですね。

今後は、学生たちと企業との接点を増やして一緒に何かを作り上げてみたい

インタビュアー
今後ノヴィータと取り組んで行きたいことがありましたら、教えてください。

正木先生
メディアづくりに限らず、学生たち自身が学びの環境をどうしていきたいかを引き出してあげたい。そのためにも卒業生や社会人とのつながりや関係を築くことが大切。そこで私の研究室では共同研究先の企業の方々が気軽に出入りできるようにして、学生にとっては思いもよらぬ接点が生まれるように心がけています。ノヴィータさんとの付き合いもそう。コンテンツ作りのためのイベントとか取り組んでみたいですね。

金子先生
「Tokyo Education Show」という教育研究のフェスを2023年8月に開催予定です。企業さんからも協賛いただいて開催するのですが、こういうイベントなどを通じて、大学生と卒業生や事業会社などとの接点を増やしていければと思っています。

 

取材の様子

まとめ

「みちしるべ」の根底にある教育マインド、そして「edumotto」で行っている「自給自足の広報活動」というコンセプトにも深く共感しながら、お話を伺いました。

今回の「edumotto」のように個性豊かなメディアの立ち上げは、丁寧なヒアリングの結果、お客様のやりたいことをしっかり取りまとめ、一から制作の伴走ができたからこそ実現に至っています。

ノヴィータでは、大規模組織のWeb制作やオウンドメディアの立ち上げも行っております。事業会社、公社・団体、官公庁など幅広い業界でのコンテンツ作りに対応しております。コンテンツアイデアから壁打ちし、メディアプランに落とし込みたいWeb担当者の方も、ぜひお問い合わせください。

 

 

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