NOVILOG

株式会社ノヴィータが運営するブログメディアです。メンバーのこと、文化や価値観、ノウハウ、様々な活動などについて発信します。

地方在住デザイナーが思う、リモートワークのリアル

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はじめまして。ノヴィータでデザイナーをしている伊藤です。

2009年に入社して以来、ずっと東京オフィスに勤務していたのですが、昨年、夫の仕事の都合で九州に移住しました。遠距離ということもあり一時は退職も考えましたが、会社からリモートワークでの勤務を快諾してもらい、今は、地方在住デザイナーとして程よい距離感で仕事をさせてもらってます。

 

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※先日までいた旧オフィスでは内装も担当。ペンキで壁を塗りました!(2014年)

 

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※飲みの場が好きで、よくメンバーと飲みに行っていました(2016年)

私が今の働き方になってから、1年が経ちました。昨今、リモートワーク制度を取り入れる会社が増えてきているようですが、地方リモートワーカーの内情について話したいと思います。  

どこでも、自由に? 「リモートワーク」の罠

「リモートワーク勤務」について話すと「パソコンがあればどこでも働けていいね」「自由そうでいいね」「干渉されずにすむから集中できていいね」とか、皆さん結構良いイメージを持たれている方が多い印象です。

確かにそのイメージに当てはまる部分もあります。ただ、そこはメリットでもある反面デメリットにもなりかねません。

「パソコンがあればどこでも働けていいね」→家のパソコンが壊れたら仕事にならないんです(ノヴィータでは情報漏洩のリスクも踏まえて、基本的には会社からPCを貸与されています)

「自由そうでいいね」→作業環境にぽつんと自分ひとり…自宅兼オフィスで時間の制限をつけづらいので、仕事の終わりどころを決めるのが難しいんです

「干渉されずにすむからいいね」→すぐ話しかけられる相手がいないから、単純に淋しいんです…。たわいもない会話ってきっと良い効果をもたらしていると思うんですよね

ちなみに、私の勤務形態はリモートワークになった時点で、月〜金の7時間の時短勤務になりました。フルタイム勤務から時短勤務になり、使える時間がかなり減ったことで、今までの働き方のままでは勤務時間内で業務が終わらなくなりました。リモートワークを開始した頃は、家事を終えてから仕事を再開したりもしていて、結局ズルズルと残業をしていました。3ヶ月ぐらい経った頃には、環境の変化も手伝って体調を崩してしまうこともありました。

ここまで言うとリモートワークをディスっているようですが、そんなことはありませんよ! 私が陥った「罠」は、誰のせいでもない自分が仕掛けたものだったのです。

結局のところ、新しい環境になったのに、今までと同じやり方でしか仕事をしていなかったんです。環境の変化とともに、自分の仕事の進め方も改めて見直すべきだったんですね。私はそれに気づかず、当たり前に今までと同じやり方をしてしまっていました。

悠々自適な田舎暮らし? 「地方リモートワーク」の罠

がむしゃらに働いていた20代から、30代を過ぎて自分の仕事・住まい・家族について考える機会も増え、人によってはUターン・Jターン・Iターンといった選択肢をとる方も多いでしょう。

実際、私の夫もその一人で、私はそこに付いて行くことになったわけです。まさか、自分が九州に移住するなんて思ってもみませんでしたが、地方での暮らしは私の性に合っていました。時の流れは穏やかで静か、メシも激ウマ、周囲の人もビックリするくらい優しくて、折に触れて「ありがてーありがてー」と感謝の気持ちでいっぱいです。

 

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※自宅近くの川。時々散歩に行ってはリフレッシュをしています

と、ここまでは良いことづくめ、ただし良いこともあれば悪いこともあります。

私の住まいは盆地で周囲が山に囲まれているのですが、今年の7月に起きた九州豪雨の際は自然の脅威を身近に感じ、とても不安を覚えました。特に、気象庁による災害警報が広域に渡ってかけられたことで、比較的被害の少なかった私の住む市にも避難指示が出され、どうしたら良いのかと一瞬でパニックになりました。

東京で暮らしていた時には経験のなかったことです。自然がより身近になったことで、こうした問題も起こり得るのだと痛感しました。災害警報が出た当日は、冠水などで停電になる可能性もあったので、早々に東京オフィスのメンバーやクライアントに連絡を取り、業務が滞っても問題ないように引き継ぎを済ませておきました。

ここまで言うと地方での暮らしをディスっているようですが、そんなことはありませんよ!

幸い大きな被害もなく、かつ災害が起きた時の心構えができたことは良かったです。きっと東京のメンバーにも、リモートワークで起こりうる問題について考える良いきっかけになったんじゃないかと思います。

リモートワークは想像力が物を言う

ノヴィータでは、リモートメンバーとの連絡やミーティングにSlackやZoomといったコミュニケーションツールを使用しています。離れてても簡単にコミュニケーションを取れる便利な世の中になりましたが、それでも直接コミュニケーションに勝るものはないと感じます。

例えば、文章に自分の感情を上手く乗せて伝えることができれば良いですが、即座に内容を理解してもらえるよう要点だけをまとめた文章では、微妙なニュアンスが伝わりづらいです。また、どうしても回線などの物理的な影響を受けるので、ミーティング中の肝心なところで音声が途切れたりフリーズしたりするのもよくある話です。

すぐ隣にいればパパッで済む話なのに、距離によって思わぬタイムロスをしている場合があります。でも、そんなことを言っても時間は待ってくれません。少ない情報の中から必要なものをピックアップしたり、過去の経験からこうしたら良いのではないかと考えたり、相手にこまめに連絡をしたり、自分なりに試行錯誤をしながら、なんとかこの1年リモートワークをしてきました。

 

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※自宅の作業スペース。お気に入りは友達が餞別にくれたお手製のスピーカー

リモートワークによる社会との関わり方については、今もまだ正解は分かりません。ただ、離れていることが障壁にならぬよう「想像力をフル稼働して相手のニーズを捉えること」こそがリモートワーク成功の近道になっているような気がしています。

また、一口に地方勤務と言っても、住んでいる場所は様々です。この夏は、私が住む地域以外にも、各地で台風や豪雨が多くありました。環境の違いによって受ける、災害をはじめとした様々な影響があるので、地方リモートワークに取り組む際にはそれぞれの環境を考慮していく必要があります。現在ノヴィータでは、12人のリモートワーカーがいて、東京以外にも全国6都市に働く仲間がいますが、遠方にいる人にとっては別地域の災害などの状況が察しにくいです。ここも、想像力が問われるところだと思います。

地方移住でも、自分のキャリアを諦めなくて良い

でも、私のように家庭の事情で地方に移住しても、リモートワークを利用することで自分のキャリアを諦めなくて良いんです。

しかも、最近では営業職や管理職の方々もリモートで仕事をされるケースが増えてきました。

かつてのリモートワーカーと言えば、私のようなデザイナーなど、いわゆるデスクワークをする技術系の人間が多い印象でした。予想するに、勤務時間の大半はほぼPCとにらめっこという環境だと、比較的外的要因(ここで言う外的要因とはクライアント折衝などのことを指します。)の影響を受けづらいので、リモートで働くための環境構築がしやすかったことが一因だと思います。

ノヴィータでも、今年の6月から営業職の女性メンバーがリモートワークを実施し始めました。彼女も元々、私と同じく東京オフィスで共に働いていたメンバーです。

ノヴィータのリモートワークは2017年から本格的に始まり、今や、私が行うデザイン業務や先述した営業業務をはじめ、採用業務、広報業務、バックオフィス業務などをフルリモートワークで行う例ができてきています。まだまだ実験的な段階ではありますが、どんどんリモートワークのネットワークが広がって全国各地に多様な職種の仲間が増えている現状を見ていると、いよいよリモートワークで不可能なことはないんじゃないか、とさえ感じています。これからさらに、リモートワーカーが増えていくだろうと思いますし、それを考えるととてもワクワクします!

 

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※2019年上期社員総会でコメントしている時の様子(2019年)

そして最後に、ノヴィータでリモートワーク勤務を希望される方にあらためてお願いしたいことです。

リモートワークは、スキルよりもまずは積極性!これに尽きると思っています。東京オフィス勤務などで、事前にお互いの人となりを知ってからリモートワークを開始した場合は、同じ場所で過ごした時間がコミュニケーションの強い後ろ楯になります。しかしそうでない場合は、自分から興味を持って相手にコミュニケーションをしかけていかないと仕事になりません。結局のところ、遠隔での仕事であれ、必ず誰かとのやり取りが発生します。すぐに相手の様子を窺い知れない環境にいるからこそ、充分すぎるくらいにアンテナを張り巡らせておくことが重要です。ノヴィータでは、採用後すぐにリモートワークをスタートしたメンバーも増えていますが、どの人も、自発的なコミュニケーションを取るのが上手だなぁと思います。

そんな方と一緒に働ければ、自分のキャリアを諦めることなく、さらにノヴィータという環境を使いながらリモートワークの可能性をもどんどん広げていけるのではと思っています。興味があれば、ぜひ遊びに来てください!

 

※2021年2月をもって退職しましたが、ご本人の了承を得て掲載しています。

 

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