NOVILOG

株式会社ノヴィータが運営するブログメディアです。メンバーのこと、文化や価値観、ノウハウ、様々な活動などについて発信します。

デザイナーのキャリアを諦めない!~両立できてなくても大丈夫!? 頑張りすぎない2人育児のリアル~

こんにちは、川田です。

ノヴィータ入社歴10年、デザイナー歴20年になる、アートディレクター・デザイナーです。設立から17年目になる弊社で初めて、2回にわたる育休を取得しました。現在は5歳3歳の2歳差姉妹を育児中で、時短勤務をしています。

新卒時からデザインに携わり、2017年の第一子出産までは仕事一筋でしたが、家族のサポートを得ることが難しいこともあって、出産を機に時短勤務に切り替えて育児を優先する働き方を選びました。「育児と仕事」をテーマに社内LT大会で4回ほど発表した内容をふまえ、まだまだなにが正解なのかわからないけれど、デザイナーとしてのキャリアも諦めたくないわたしの「イマココ」をまとめてみました。

 

ロールモデルとなるママデザイナーの不在

出産後に、無事長女を0歳で保育園に入園させて職場復帰した当初、ママデザイナーが周囲におらず、ロールモデルとして参考にできそうな情報も収集できませんでした。それならばと、「時短や育児優先でもキャリアを諦めず、ママであることを武器にした働き方を開拓しデザイナーワーママのロールモデルになる!」と自分で道を切り開くつもりで完全両立の野望を掲げていました。

「ワーママの先輩方に話を聞けばだいたいの課題は解決する」「たくさん話を聞いて効率よく子育てをクリアしていこう!」と。一度「育児と仕事」を両立するペースを掴んで攻略することができれば、仕事をこなす速度は以前同様に戻っていくと考えていました。ですが、子どもが成長する度に新たな課題が生まれ、クリアしても次々に新しいボスが現れるのです。

1.突然の保育園からのお迎え要請

  • 37.5度以上になると保育園では預かってもらえないので、迎えに行かなくてはいけない。
  • 乳幼児は熱が出やすく、集団生活なので病気をもらいやすい。

2.自宅での作業の難しさ

  • 子どもを見ながらのリモートワークは不可能に近いくらいハード・・・
  • 食事の世話、オムツ替え、お風呂、姿が見えないと泣く&泣いたら抱っこエンドレス・・・
  • 子どもを遊ばせながら目の届くところで仕事をするが、対応も多く集中できる時間は10分と持たない・・・

3.時短が予想以上に時短

  • 終業時間はあっという間にやってくる。
  • 以前の残業ありきの時のような余裕はなく、お迎えのタイムリミットがあるため、退社時間に確実に業務が完了するよう逆算して行動。日々時間に追われるような感覚に・・・

4.新規案件を引き受けづらい

  • 新規はスケジュールが読みにくいものが多いので、引き受けても他のスタッフの負担を増やすのではないかという不安。
  • 定期案件で割とコンスタントにリソースが埋まっているので、積極的に手を挙げづらい。
  • 大規模な案件に携わりたいが、アサイン期間が長いと完遂できないのではないか。

復帰当初はこんな当たり前の子育てあるあるにも手一杯になってしまい、復帰後の理想と現実の差に心が折れそうになっていました。

先輩ママの声が参考にならないかと、クリエイター系ワーママのセミナーなどに参加して両立の糸口を探したのですが、ヒントは得られるものの、完全に取り入れられるものばかりではありませんでした。

いま考えてみれば当たり前なのですが、「育児と仕事」の両立の難易度は、環境・子どもの素質・職種などによって千差万別で、状況が異なる人が実行していることを真似しようとしても自分が実現できるわけもなく、できない自分への自己嫌悪に陥ってしまっていたのです。それに気づくことができたため、「エッセンスとして取り入れつつ、無理なく継続できる目標に掲げ直す」ようにしてみました。

 

  • 「残業デーを作る」
    • 業務時間を増やすのではなく、スキマ時間でインプットの機会を増やす
  • 「シッターさんに家事の一部を頼む(食事の作り置き)」家事を曜日で区切る
    • 負担の大きい食事の準備は休日に作り置き
  • 「家事は夫が得意なので、ほとんどやってもらう」
    • 得意不得意に合わせ、家事育児は可能な内容・時間帯で分担
  • 「仕事を持ち帰って家でやる」
    • 線引きが難しいところ、都度やり方を変えながら要検討
  • 「保育園の送り迎えを家族に頼む」
    • 送りは出勤時間の遅い夫に頼み、迎えは時短勤務の自分が担当
  • 「仕事に集中できる環境作りのために周囲に働きかける」
    • まずは今手元にあるものを確実に、地道に信頼関係と実績を作る

ワーママに攻略法はないし、ロールモデルもいらない

「育児と仕事」の両立について理想と現実の差を受け入れたころ、二人目を授かり2度目の育休を取得しました。子どもが2人になって大変さは2倍以上となったものの、コロナ禍も相まってフルリモートワークとなったので、通勤時間がなくなり時間に余裕が生まれました。

1回目の育休取得後は、「時短でも諦めない働き方を模索して、自分にしかできない仕事をしたい」「出産前のようにアートディレクターの仕事で評価されたい」という理想に対し、実現できないことで自分を追い込み思い悩んでいました。しかしながら、2回目の育休取得後は、「誰にでも適用される攻略法はない」「今までできなかったことが今できるはずがない」と納得し、仕事が中心の生活から離れてみて見えてきた「今は人生の中で一番子どもを優先すべき時期である」という思いを大切にすることにしました。

ますます理想から遠ざかっていくことへの不安はあるものの、頑張ればできること、頑張ってもできないことの線引きができるようになり、マミートラックにむしろ全力で乗ってみようと考えたのです。

マミートラックとは・・・出産を終えた女性が仕事に復帰したにも関わらず単調な業務しか与えられなかったり、育児のために「残業ができない」「休むことが多い」などの理由で、出世コースから外れてしまうことを指す言葉。(引用:社会人の教科書) 本来はネガティブなワード。

そこで、まずは私の現状について、社内のLT大会を使って周知することにしました。子どもが体調不良になった際に起こることや、夕方に稼働できない理由など、「リアル」をわかりやすく周囲に伝えることで、業務状況について理解を深めてもらえたらと思いました。

 

今までだったら、「子どもが熱を出したので帰宅します」と宣言すると、

  • 引き継ぎをお願いして誰かの稼働を圧迫する
  • 稼働を押し付けられた人の不満が募る
  • 引き継ぎを繰り返すことで迷惑をかけている意識に苛まれ、自分で抱え込んで夜中や休日に対応する
  • 体を壊したり自信をなくしたりする

という悪循環が発生していました。申し訳なくて声を上げることができない、という状況を変えるために、まずは背景を理解してもらう必要があると考えてLT大会の発表資料を作りました。

社内LT大会で「育児と仕事のリアル」を周知し、業務理解を深めてもらえたことで、時間を掛けて全員が働きやすい環境をお互いに作り出せるようになったと感じています。

 

無理せず続けるために。「できていない・・・」と思わなくてもいい!

1度目の育休取得後からの変化は他にもありました。

自分以外にも、育児をしながら勤務するメンバーが増えたのです。試行錯誤しつつ「育児と仕事」の両立をどうやっているのか、自分のやり方を発表したり情報交換したりすることで、孤独感から脱却することができました。

1度目の時は社内に同じ境遇の人があまりいなかったため、「子どもの都合優先になって業務を疎かにしていると思われているのではないか」「私の働き方を理解してもらえていないのではないか」という言い知れぬ孤独感があったのですが、それも払拭されました。

正直なところ、1度目の育休取得後と変わらず理想通りに上手くやれてはいないけど、あのとき自分が喉から手が出るほど欲しかった、上手くやるためのコツやアドバイスではない「育児と仕事のリアル」を、今悩んで孤独感を感じている人たちに対して、「結構みんなやれてなかったりギリギリだったりするよ!大丈夫!」と届けられている気がしています。

 

 

このような経緯を積み重ねてきて、いまではある程度自分の裁量でスケジュールをやりくりできる案件を、優先的に対応させてもらうことも増えてきました。自分が急に対応できなくなる場合を常に想定して、いつでも引き継ぎできるようドキュメント化しログを残し、あらかじめサブメンバーを立てて都度状況の共有を行って、業務が属人化しないように気をつけています。結果として、他のメンバーが急な病欠や有給取得の際などに、自分が快く引き継ぐことでお互いに協力し合う状況をつくりだせるようになりました。

育児をしていて一番つらいのは「孤独感にさいなまれること」です。追い込まれている時に解決策やアドバイスを聞いても、「自分だけがこんなに辛いのでは…」「自分だけがうまくできていないのでは…」と、できない自分を責めることしかできなくなってしまいます。

そんなときには、他の人のやれてない話を聞いた方が安心できることもあります。

社内LT大会がなくても、もし発表機会があるなら自分の現状について共有してみてはいかがでしょうか?理解が深まることで協力を得られたり、「自分も悩んでます!」などの共感を得られたりするかもしれませんよ。おすすめです!

 

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