あなたは、無理筋な案件を受けないといけない人でいたいですか? それとも、自分が望む仕事を依頼される人になりたいですか?
若いビジネスパーソンの中には、無理な要求をするクライアントから、仕事をしぶしぶ引き受けたという苦い経験をした人もいるかもしれませんね。
今回は、仕事の本質を理解したい人へ向けて「言われたことをやるのはただの作業。言われてないこともやるのが仕事」というメッセージを伝えたいと思います。
このメッセージは、僕がノヴィータの会長として、普段から社員メンバーへ口が酸っぱくなるほど言っている内容なのですが、きっと「仕事がつらい」「仕事がつまらない」という悩みを抱えるビジネスパーソンの気付きにもなると思っていますので、一読してみてください。
追加の発注や別のクライアントを紹介してもらえる理由とは
もし、あなたが仕事を発注する立場なら、どんな業者さんに頼みたいですか?以下の3つの業者さんから選んでみてください。
1.言ったことだけ完璧にやってくれる業者さん
2.言ったこともやりきれない業者さん
3.言ってないことまでもやってくれる業者さん
どれを選びましたか?誰しもが3の「言ってないことまでもやってくれる業者さん」を求めているのではないでしょうか。
しかし、多くの場合が1の「言ったことだけ完璧にやってくれる業者さん」、もしくは、2の「言ったこともやりきれない業者さん」です。
2は、もちろん論外ですよね。
1でも、もちろん十分なのですが、世の中には競合相手がたくさんいます。競合が多ければ競争も激化します。つまり、合格点の仕事ができても、選ばれない可能性が高くなってしまいます。
では、目指すべき3の「言ってないことまでもやってくれる業者さん」とは、どんな業者さんでしょうか。それは、「クライアントの最終目標がどこにあるか?」を見通して、返答ができる業者さんです。例えば、クライアントに「良いデザインのECサイトが欲しいんだ」と言われたとします。それを深堀してみると、次のようなことが考えられます。
・ただデザインがかっこいいECサイトかな
・ユーザーが頻繁に利用してくれるECサイトのことかな
・集客の動線まで考えられたECサイトのことか。それなら、集客プランまで考えよう
・集約プランを思いついたら、リピーターが発生するための仕掛けを考えて、運用のやり方まで含まれたECサイトのプラン設計を提案してみよう
このように、クライアントが本来どこを求めているかを探り、返答できるとGOODです。すると、クライアントから徐々に信頼されて仕事全般を任せられるようになります。
自分の望む仕事が来る人になりたければ、3.「言ってないことまでもやってくれる業者さん」になりましょう。
仕事の依頼先を浮気しちゃうのは仕方がないこと?
再び、お客さん目線で考えてみましょう。
自分が仕事を発注するときに、納期や時間に余裕があったりすると、他の業者さんからも相見積もりを取ったり、別の業者さんから提案を受けたりしちゃいませんか?
「前に頼んだ時は、確かに完璧に仕事をしてくれたけど、実はもっといい業者が居るんじゃないか?」って思うのは、自然なことだと思うのです。
例えば、この人と付き合おうと決めたのに、まだ決めきれなくて、実はもっといい人がいるんじゃないかと思い、ついつい浮気しちゃう、そんな優柔不断な男の心境です。
(たとえ話ですが、いろんな方に怒られそうですね…。すみません…。)
だからって、「黙って浮気してたのね!キーーー!」とクライアントに怒るんじゃなくて、「言ってないことまでもやってくれる業者さん」に自分がなっちゃえばいいと思うんです。
望んでいることを先読みして提案してくれる、いわば本命の彼女のような存在になってしまえば、他の業者さんに相談する余地がなくなると思います。
クライアントの要求の先にあることを提案しなくてはだめ
僕は仕事柄、自社だけでなく他社の事例もたくさん見てきました。
だから、成功したプロジェクトと失敗したプロジェクトではチームでの取り組み方がどう違ったかが分かります
失敗していくチームは、仕事を自分ごととして取り組んでいないことが特徴です。
例えば、自分の責任の範囲だけを主張して目指す目的に向かっていなかったり、チームメンバーに興味がなく自分の保身ばかりを考えていたり、メール一つとっても、指示のみで感情が排除された冷たい文面が躍っていたり、すると雰囲気が悪いばかりか、成果が出せないチームになってしまいます。
また、プロジェクトを成功させるには、プロとしてクライアントの要求の先に何が起きるのかを予言しなくてはなりません。
ここで伝えたい「予言」とは、例えば、クライアントから「良いデザインを期待しています」と、ざっくりした要求を受けたとき、クライアントの先にいる顧客を想定して、その顧客が商品を購入しやすく、購入したことを拡散しやすい設計になっているデザイン提案をあげることです。
提案する人が考える個性的なかっこいいデザインを提出することや、良いデザインとは何か?という個人的な感想の詰まった提案書を提出することは、クライアントには求められていません。
僕は経営者として、また経営者を支える立場として仕事をしてきました。だから、収益をあげることができないものは継続性がなく資本家から預かったお金がなくなるだけであって、それは「良い」結果とは判断されません。
このことを理解している管理者(管理職、教育係)が少ないので、従業員の多くはその知識を得ることができていません。
また、発注する側も、
1.良いデザインって言えば伝わると思っている
2.何が良いデザインかが分かってない
そのため、大雑把に「良いデザイン」と表現するしかなく、言っている場合があります。
だからこそ、クライアントに本来あるべき「良いデザイン」について、わかりやすく説明し、腹落ちさせて、聞く耳をもたせることに本気にならなきゃいけません。
この予言が、クライアントにとって本当に良いものなら、提案はすぐに採択されます。
仕事はできる人のところに集まってくる
不思議なもので、仕事は、「仕事のできる人」の所に依頼が集中します。忙しくて納期がギリギリになろうとも、完璧な「仕事」をしてくれる人に、誰だってお願いしたいもの。では、「仕事ができる人」とはどういう人なのか?それは、3の「言ってないことまでもやってくれる業者さん」に自分がなることです。
クライアントの要求の先の先まで考えてあげれば、絶対に仕事がくるようになります。
仕事に困らなくなると、仕事の依頼が殺到します。すると、今度は案件を厳選し、断らなきゃならなくなる仕事がでてきます。
これは、仕方がないことです。皆が平等な1日24時間しかない中で、仕事を受けるにはどうしても限界があります。
だから、無理な要求をするクライアントから仕事の発注がきたら、「ごめんなさい。実はもう案件をお受けする余力がなくて。」
今度は、こう言って返事ができるんです。
他にも、次のような案件も嫌々受け入れなくて済むようになります。
・急な納期、少なすぎる予算
・丸投げで責任のすべてが自分にくる
・クライアントの担当者が付き合いづらい
これらの条件が1つでもあると、自分を守るために「言われたことだけをやりました。後は知りません」と言ってしまったり、クライアントに言われたことだけやって納品してしまったり、つまり「仕事」ではなく「作業」をしてしまうことになります。
ドキドキできるのが仕事の価値
こうして、3の「言ってないことまでもやってくれる業者さん」になれると、おのずと、自分がやりやすい仕事、やってみたい仕事、やってみたい人と仕事ができるようになっていきます。
自分が好きな仕事だけ選んで、受注できたりもします。
言われたことを粛々とやる日々も、もちろんありますが、自分や自分のチームがこれまで経験したことを知見としてクライアントに提供し、クライアントのリソースを使ってまた新たな経験をしていく。
こんなに楽しい仕事ってないと思いませんか?
これからは、クライアントから言われたことだけではなくて、プラスαの提案をしてみましょう。自分や自分のチームの経験を活かして、自信がなくても少し背伸びをしてみてはいかがでしょうか。
一度経験すると、クライアントへ要求の先を提示してみるドキドキ感は、きっと病みつきになるはずです。
だから、ビジネスパーソンには、こういう「仕事」をしていってほしいと、常々、願っています。
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