NOVILOG

株式会社ノヴィータが運営するブログメディアです。メンバーのこと、文化や価値観、ノウハウ、様々な活動などについて発信します。

採用時の要件定義は的確に

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はじめまして、こんにちは。ノヴィータ会長の小田垣です。

ノヴィータは僕が創業した会社です。そして創業から一緒にやってきたメンバーが今は継続してくれています。

最近、採用について突き詰めて考えていくうちに、採用だけでなく会社とは何か、会社にいる目的とは何かを考える機会が増えてきた。その間に思い浮かんだことをつらつらと、フランクに、3回に分けて書いていこうと思う。

この会社の創業者は、日々こんなことを考えています。
今あなたがこのNOVILOGを読むことになったのも何かのご縁。
ざっくばらんな口調になるけれども、しばしお付き合いいただければと。

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採用について考えることは会社のすべてを考えることに繋がる

「相談があるんですけど」と部下から言われると、「あぁ、退職の話だな」と思う。
面白い企画の相談や開発の話だったりすることはほとんど無い。       
すぐに「退職の話だな」と思うようになったのは、そういった事例が多かったからだ。
でも今はもう、部下からの「相談」に身構えることはなくなった。昔と比べ離職数は遥かに減り、「相談」を受けることも減っている。
いきなり退職の話から始まって面食らったかもしれないけれど、現在の離職数低下に至るまでの採用活動を通したさまざまな気付きについて、ぜひ共有させてほしい。

 

さて、僕たちがいるのは、流れの早いIT業界。人が辞めていくのは日常茶飯事だ。特に、インターネット広告制作やマーケティング支援の事業領域では、そのスピードは下手すると技術の進化よりも速い。それにはもちろん理由がある。
IT業界では目まぐるしく流行が入れ替わり、横文字の流行り言葉があふれている。ビッグデータ、DX、エッジコンピューティング……新しい言葉があちこちで囁かれる度に、自分の実力以上に「世の中から必要とされている」と思い込まされる人が出てくる。

自己肯定感を持っているのはとても素敵だけれど、求人市場で過剰に自分の価値を高く見積もるよう洗脳されていやしないだろうかと思うくらいだ。
僕の体感では、この業界は売り手市場だと考えて入社してくる人もかなり存在するように思う。そしてあふれんばかりの向上心と共に「もっと輝ける場所があるはずだ」という自負もあり、流動性はとにかく高い。       

 

一方、企業が採用のために出稿している求人広告は、正直言うと良いところばかりをつまんで、こねて、膨らませているフシがあり、結果として、求職者にはどうしても悪い面が見えにくい。(最近では、あえて現実の悪い部分、いわゆる”ガチ”な部分もさらけ出す手法もあるけれど)       
流動性の高い人材と、全てが分かるわけではない求人広告。
いざめでたく採用となっても、実際の勤務開始後には何らかの形でミスマッチが発生してしまうこともある。これが、早期に人が辞める原因の一つだ。

   

経営者としての僕の本音は、試用期間中にミスマッチだと気付いて、自ら身を引いてくれたら御の字。入社後数年が経過して、大きな仕事を任せ始めた頃に辞められると本当に痛い。仕事を教えたり、慣れてもらったりするのにはそれなりの手間と時間がかかっているから。
でも痛いのはこちらだけじゃない。天職ではなかった仕事に数年を費やしてしまった方も、人生において決して軽くはない痛みを負ったとも言える。
だから決断は早い方がいい。お互いにね。

 

ちなみに僕は、退職相談を受けた場合は引きとめないことにしている。引き止めないもんだから大抵の場合すぐに会話が終わってしまい、「あの手この手で退職慰留の交渉があるだろう」と場に臨んだ相手の方がフリーズしてしまう。
相手が固まってしまっている間、僕の頭の中では「この人が抜けた後の穴をどう埋めようか?」「いつまでに何をしてから辞めてね」など、退職までのタスクの洗い出しが始まり、会話が終わることには一通りシミュレーションが終わっている。

 

こう整理してみるとなんだか冷たくて嫌なヤツっぽく見えるけど、何度もこういったやり取りを経験した結果、やっとこんな風に動けるようになっただけだ。最初からこんな冷静に対応できていたわけじゃない。
僕の好きなジョジョ風に言うと、「『やめられる』と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!」……って感じかな。
大げさかもしれないけど、中小企業の経営者のほとんどは、「従業員からの相談=良い話じゃない」と思っている(はず)
でも、さっきも言ったとおり、僕だって最初からここまで割り切れていたわけじゃない。

 

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本当に待っているのは退職の相談じゃない 

20XX年、従業員数が10数名まで増えたかと思うと、退職者数も急に上がり始めた時のことを思い出す。従業員数10名未満の頃は「こんなにいい仲間たちとこんなにいい関係で仕事ができるなんて、やっぱ経営者として人望あるんだなぁ」とかのんきに思ってた。       

でも従業員数が増え、売上が億を超えるようになると辞める人間も増えてきた。入っては辞め、入っては辞めの繰り返し。この頃に入ってきてくれてた人たちには申し訳ないけど、きっと街で声をかけられても思い出せないと思う。どんな仕事を一緒にしたか、記憶も辿れないレベルだ。ほんと、ごめんなさい。
この頃は、案件を受注したいのに明らかなリソース不足。必要な人員はそれぞれの部門の部門長がなんとかしてた。とにかくみんな必死だった。 だから必死に採用活動を始めるけれど、何を頼りに採用活動をしたら良いのかが分からない……。

こちらが欲しい技術を持っていると履歴書に書いてあるから採用したいけど、報酬レベルが合わない人。すごい経歴を持ってるんだけどそれだけに「なぜうちの会社に?」と疑問に思うようなベテラン。「やる気はある!」としか言えない新卒の学生。    
膨らむ採用・教育コスト。疲弊する精神。

 

今思い出すだけでもかなり辛い時期だったけれども、それでも、あの修羅場を乗り越えたからこそ、「採用力」がついたように思う。 
応募者をきちんと集められる媒体の見つけ方や、大量の母集団から優秀な人を絞り込む効率的な方法を編み出せた。
そして採用専任のスタッフを抱えられるようになったのは売上高5億が見えてきた頃。バックオフィスがある程度整ってからのことだ。       

             

僕は思う。

もし、本当に本気で、長く定着してくれる人を採用しなくちゃならないなら、以下をやりきる必要がある。

  •  信頼できる、応募をきちんと集められる媒体を見つけて出稿を取り決める。
  • 「来てほしい人材」の希望を思い浮かべながら原稿を作成する。
  • 応募者のレジュメや面接での様子を見ながら出稿済原稿を細かく修正する。

一連の流れの中で一番大事なのは、自分たちの仕事に対する客観視だ。日頃から求人原稿を書く訓練をしていない人は自分たちの仕事を自分たちの視点でしか書けない。客観的に書かれていない原稿は、求人のメリット・デメリットが表現しきれておらず、さっき話したミスマッチに繋がりやすくなる。

ただもちろん、自分たちの仕事を一番良くわかっているのは当事者である自分たちだ。
だけど「具体的に、詳細に、ありのままを書けば応募者に全てが伝わる」というのは大きな間違いで、多くの場合、自分たちの希望するようには伝わらない。    

自分の仕事を自分で紹介するのはとても難しい……改めてそう思う。特に求人票という一種のラブレターは、客観視に努めすぎても意味をなさない。業務内容を客観的に表し、かつ、応募者を集められる魅力も兼ね備えた文章でなければならない
実務に関わっていない採用専任メンバーの取材力、文章力を鍛えた末にやっと、客観的で的確な原稿を作成し、本当に欲しい人材の採用が出来るようになる。   

 

こうしたさまざまな試行錯誤の甲斐もあって、うちの採用活動では徐々に長く残ってくれる人たちを集められるようになった。       

 

そして今の僕はもう、部下から「相談があるんですが」と言われても、退職を想像することはなくなった。
求人原稿、採用活動をブラッシュアップしていくうちに、「誰と何をしたいのかを、明確に定義」できるようになったから、というのもその理由の一つかもしれない。
ゴールが明確なら、志(こころざし)を同じくする仲間は集めやすくなる。

     

でも、まだ新しいビジネスの相談は来ない。

僕は待っている。

部下からの楽しい相談を。新しい、ワクワクするような提案を。