こんにちは、ノヴィータで取締役してます坂本です。
みなさん、一日の内に、どのくらい笑うことありますか?
最近、ここ数年の自分を振り返る機会があったのですが、
普段の生活だけじゃなく、仕事においても「笑う」ことが大切だということを
改めて感じたので、笑うことの効果について、ちょっとお話します。
まず、笑顔でいた方が自分も、周囲も楽になることが増える。
気を抜くとかなり強面なので、余計に効果を得られたのかもしませんが、やわらかな表情でいるとフラットに会話しやすいですし、顧客もにこやかな表情の人の方が相談しやすいはずです。
会話しやすい環境であれば、部下が遠慮や萎縮してコミュニケーション不足を引き起こし、結果トラブルに繋がるようなことは激減します。
会話が弾むからこそ、日々の変化もキャッチアップしやすくなります。
無理のない範囲で、笑顔を心がけることで部下にも、業績にも、とても良い変化が出てきたと感じられることもありました。
※無理すると続かないので、無理のない範囲で続けることが大切。
そもそも「笑う」前はどうだったのか
笑顔を心がける姿勢の大切さに気付く前は、ただ自分の気持ちを押しつけがちな、勝ち気で圧の強い人でした。笑
圧が強めなのは元来の性格もあると思いますが、例えば、サブとして同席した会議でも自分の意見を一つは言えるようにしたいと思ってますし。超がつくほど高圧的な相手にこそ、私の存在を認めさせたくて前のめりでした。ただそんな振る舞いを良しとしつつも、振り切れていなくて、気を抜けば「私はレベルが低いのかも…」などとくよくよすることもあり、その迷いを振り切るための努力もしてきました。
これが良くも、悪くもだったんです。
"許せない"が止まらない
私はいつしか「自分がしないようにしていることをする人が許せない」という考えを止められなくなっていきます。
例えば、会議においての許せない例として
1、言いたいことをまとめて来ず、手ぶら参加
(心の声)会議が進まない!会議の意味!!
2、人任せにして、自分の意見を言わない
(心の声)なんで参加した? あなたが会議に参加してる意味とは!?
3、声が小さくて離れた席だと聞こえにくい
(心の声)ひとりじゃない。相手がいること忘れないでほしい!!
など。
こうした人と会議を開くと決まるものも決まらず、ただ時間がかかったりすることが多く、結果、生産性が低くなります。
当時の私は『感情が先走り、相手を受け入れられていない』という点に気づけていませんでした。端から相手を受け入れようという気持ちがなかったんですね。
もしくは、Aさんがそうだったから、きっとBさんもそうだろうという固定観念が強すぎたのだと思います。
行き着いた先は、許せないが止まらないからイライラして空気が悪くなり、相手は萎縮しますます意見を言えなくなっていく負のスパイラルでした。
自分の嫌っている非生産的活動を、自分が加速させていたとは思いませんでした。
貝のようにすべてを閉ざしていく部下
いつもみても機嫌が悪いイライラした空気をまとっていました。
何かしらの不満からのイライラ、上手く行かないことが増え焦りでソワソワ。
目くじら立てるほどでもないことも、いつの間にか質問攻めになっていて、傍でみてた人に「詰問は止めたほうが良い」と言われたこともありました。
きっと当時の部下からは情緒不安定で、理不尽な上司に見えていたでしょうね。
そんな上司のもとでは誰だって、言葉を発さずに深い海の底で貝になりたいと思ってしまうはずです。実際、部下の発言量は激減していきました。部で開く会議は、水を打ったように静かでした。
笑わない上司の下で、笑えない部下たちの苦悩
上司が笑わないことによって、部下たちはどんどん追い込まれていきます。
・同じ空間にいることが辛くなる。
・「どうせ何を話しても理解してもらえない」と思ってしまう
・会話量、頻度が減るので、理解や共感する機会も減る。広がる一方の距離。
・攻撃から身を守ることで必死。
・敵対意識が芽生える。
このようなことが起きているチームで仕事をすると、報連相が滞ります。
報連相がなくなったチームでは、円滑なコミュニケーションができなくなっているのでジワジワと駄目になり……やがて崩壊が始まります。
部下たちは何を思うのか
不協和音が爆音で流れるような荒んだ環境下で、部下たちは
・問題発生後に慌てて報告をする。焦るけれども認められない。
・上司の助言が聞こえていても、抵抗があって素直に行動に移せない。
・こんな場所から離れたいという気持ちを募らせる。
こうなってしまうと業務への向上心やスキルアップなど望めませんでした。
部下たちに任せた案件で社外・社内のどこかしらから不満が噴出。ミスやトラブルが増える一方でした。
私は、上司としても、プレイヤーとしてもこの状況を上手く対応できませんでした。
目の前で発火したトラブルへの対処に追われていると、自分自身が担当している案件に充分な時間が確保できず、精度が下がっていきます。
万全の状態であれば間違いなく出来るはずのことが出来ず、顧客を満足させられないというイライラや焦りが募ります。
実際、この負のスパイラルが猛威を振るっていた2016年や2017年頃は、私の稼働の何割かは顧客へのクレーム対応でした。大小様々なトラブルがありました。当時の『嫌な気分の記録更新時代』は、今だにフラッシュバックして汗でびっしょりになります。
いつも誰かが不安にまみれていて、怒られ謝っていて、誰も幸せじゃなかった。
成果をあげるどころか、悪化が止まらない時を過ごしていたんです。
負のサイクルを断ち切るキッカケになったのは…
転機は突然やってきました。
2017年の終わりが見えてきた頃に、部のみんなを支えていた主要メンバーが体調を崩したことがキッカケでした。任せていた仕事に穴が空きかけ、フォローに走り回りながら「どうしてこうなった?原因は?いつから?」と頭の中を?が埋め尽くしました。
主要メンバーの体調のことだけでなく、これまでの積もりに積もったものが悪さをして周囲も自分も、辛くなってしまいました。このままじゃマズイ。すぐにでも環境を変えなきゃ。
何から手を付けようかと一瞬迷ったけど、まずは部下と私の関係を改善することから始めようと決めました。
最初に心がけたのは「自分で自分の機嫌を悪くしない」こと。
周囲からどう見られているかは想像ついていたので、根深く大きな課題からスタートします。抽象的な目標ではあるものの、簡単なステップから取り掛かれて、効果が大きそうだと思ったのです。
ただ、これを実現するには『坂本美由紀』をよく観察し、知ることが必要でした。
自分は何が嫌で、どんな時に嫌な気持ちになるのか、好きなことは何か、周りからはどんな人物だと思われているのか。
自分のことなのに、意外と誤解してたり、新しい発見がありました。
次に、情報収集しギャップを知る。
周囲と沢山雑談をしました。そして、坂本美由紀に関する情報を集めました。
ノヴィータで行われている360度評価を、他の人よりも2~3人多くコメントをもらえるようにお願いに行ったこともあります。家族にもヒアリングしました。
中でも多い傾向にあったのは
・言いたいことだけ言う、いつも怒ってる
・仕事ぬきで話すと面白い人
という意見です。
実際に情報収集していると、このような情報を耳にすることができました。
「坂本さんは、部下を育てるどころかイジメているだけだ」
私の直属の部下が発した、私への不満の声です。
彼らが不満に思っていることは態度から分かっていたものの、直接言われることはありませんでした。一番届けたかったはずの私には、言えなかったのでしょう。
これを聞いて「私の気も知らず、なんてこと言うんだあいつらは」と瞬間的に思いましたが、同時に改善しようとする意見を聞けていなかったことによる機会損失を思い知りました。
結局、自分の機嫌を損ねているのは自分の行いでした。
チームで表彰。ついでに、業績まで伸びてきた。
気持ちを良い方向に持っていくよう心がけ始めると、笑顔になれる余裕がつくれるようになりました。さらに心境の変化があり、仕事を前にしたときに、チームメンバーとして対等に接したいという気持ちが育ちはじめ、部内の雰囲気は徐々に変わっていきました。
今のチームメンバーになってからは、さらに状況が好転し、毎朝の朝礼での近況報告や、オンラインランチや飲み会などを進んで開いたりとコミュニケーションの場がポコポコと自然発生しています。
あんなに毎日鬼の形相だった私が、部下と朝から談笑してるなんて夢のようです。笑
仕事の面でも変化があり、トラブル対応で時間をとられることがほぼ無くなり、トラブル対応していた分の稼働は、メンバーのフォローや企画提案や新規サービスメニュー開発にあてることができています。トラブル対応0件の記録は2018年から更新中です。
このトラブル多発時期で鍛えられたメンバーたちが、培ったノウハウを駆使し高いサポート力で、安全に運用業務を任せていただけるチームとなりました。少数精鋭で密なコミュニケーションとホスピタリティから生まれるキメ細やかな仕事ぶりがとても好評です。
そしてついに2020年。
社内イベントで『最もチームワークを発揮したチーム』として受賞に至りました。自己満足じゃなく、周囲からもそのように評価してもらえるとは感慨深いものがあります。
笑顔が大切だなんて今更、取るに足らないこと。
と思った方もいるでしょう。
でも、本当に笑顔でいることができていますか?
自分の機嫌、自分で損ねるようなことしてませんか?
周りの人の笑顔、奪っていませんか?
『笑顔が、笑顔を呼ぶ』ことが、私にはものすごい発見だったし、ものすごくチカラを与えてもらったひとつです。
ちょっと煮詰まってしまってる人こそ、『笑う』ところから再出発することをお勧めします。
坂本
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