NOVILOG

株式会社ノヴィータが運営するブログメディアです。メンバーのこと、文化や価値観、ノウハウ、様々な活動などについて発信します。

不器用で人見知りな、縁の下の力持ち(No.1 川村育夫さん)

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創業メンバーは引きこもり?!

窓を開ければ、目の前は首都高。びゅんびゅんと走る車は24時間眠ることはない。騒音とネオンとときどき振動と。渋谷区幡ヶ谷のわずか7畳の小さなワンルームで、たった3人でスタートした「ノヴィータ」は、今年で設立15年目となった。

「創業者の小田垣栄司(現会長)が社名をどうしようか悩んでいたとき、たまたま開いたイタリア語の辞書に “NOVITA”という単語があって、それがぱっと目に飛び込んできたらしい。“斬新”という言葉の意味もノヴィータという音の響きも一発で気に入ったそうで、社名にしたと聞きました。まあ、僕は『ドラえもん』の“のび太”が由来だと思っていますけど(笑)」

そう笑う川村育夫さんは、「ノヴィータ」創業メンバーのひとり。小田垣さんとの出会いは大学時代までさかのぼる。東京学芸大学卒業後、フリーターをしながらイラストレーションの専門学校へ通っていたところ、すでにベンチャー企業の重役として活躍していた小田垣さんに「アルバイトしてみない?」と声をかけられたのがはじまりだった。

独学で乗り切ったインターネット黎明期

「アルバイトで入社してから、いきなり代理店の名刺を渡されてそこにディレクターって肩書が書かれていて。ホームページの制作が主な業務でしたが、WEBやインターネットに関しては、僕、ド素人ですよ?なのに、顧客のヒアリングから見積もりの作成、制作ディレクションまで担当することになって…。誰も何も教えてくれないし完全に丸投げ&放置プレイ。仕方がないからほぼすべて独学で学びました。今じゃ考えられませんが、当時はインターネット黎明期。ある意味、おおらかな時代でした」

仕事内容はもちろん、“働く”という意味すらよくわからないまま、タイトな納期の案件をがんがん引き受け、朝まで仕事漬けの日々。 「2、3週間家に帰れないこともありました。でも、就職をした経験はないし、働くってこういうものなのか、与えられた以上は責任をもって納品することが仕事だと、特に疑問を抱くことはなかったですね。今思うと、ほんと真面目!当時の自分を褒めてやりたい(笑)」

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毎日が入稿日。「ノヴィータ」にジョイン

2006年、小田垣さんが創業した「ノヴィータ」に参画。インターネット広告のディレクションから制作までを担当。最初は社内に制作スタッフがいないので、複数のパートナーさんとやりとりしながらでした。

「もう、毎日が入稿日。ヒアリングした翌日にデザインを数案出すなんて当たり前ですから、顧客対応のとき以外は自宅で黙々と作業をしていました。完全に引きこもりです(笑)。

当時もやっぱり、なぜ働くのか、この仕事が好きなのか。考えたこともなかったです。というより、日々目の前の締切に追われて、余計なことを考える暇なんてまったくなかったというのが正しいかもしれません」

ほとばしるような情熱はないと気づいた

実は川村さん、大学は工芸科で、金工や木工を専攻。ということは、手先が起用で“ものづくり”志向、WEBデザインや制作は、実は性に合っていたのでは?

「そう思われがちなんですけど、違うんです。金工や木工って、自分がこうしたいと思うデザインをコツコツと、削ったり磨いたりしながら形にしていくものでしょう? ところが僕は、立体的にものをとらえる感覚が鈍くて。イラストや漫画のような2次元の表現は得意ですが、3次元は苦手。これって結構、致命的ですよね(笑)。

 それともうひとつ、手を動かすこと自体は好きなんですが、“こういうものを作りたい!”という、内側から溢れ出るような情熱が僕にはないと気づきました。特につくりたいものもなければ、たとえ作品ができあがったとしても、それを誰かに見てほしいという強い想いもない。  一方で、クリエイターの人がもつ熱量というか、ものづくりへの情熱には惹かれていました。だったら、そんな人たちをサポートする側にまわりたい。彼らが気持ちよく作品づくりができる環境を整え、アイディアを具現化し、世の中に出て行く仕組みをつくりたい。裏方として、リスクや懸念事項を洗い出し、土台となるものを“こっそり”つくりたいと思っていて……。そっか」

ふっと、川村さんがつぶやいた。 「僕にとって、この“こっそり”というのがポイントかもしれません。意見や感情を交差させながら、がしがしと一緒に何かをつくっていくというより、“こっそり”、だけどきっちり、仕組みをつくって支えたいんですよね

ノヴィータという居場所

——縁の下の力持ち。

自らをそう分析する川村さんは、一見するとクリエイタータイプにも見える風貌だ。

「いやいや、人前に立つのは苦手だし、感情を出すのも苦手。いわゆる “エモい”っていうんですか、感情に訴えかけることができる人がうらやましいです。小田垣なんて、まさに(笑)。アイディアを、情熱と熱いトークで具現化しちゃいますからね。でもそういう人たちの一助となるために、あれこれ考えるのが好きなのかもしれませんね」

ノヴィータと歩んで15年。無我夢中で走り続ける中で、仕事とは何か、働くとはどういうことか。そして、「ノヴィータ」とはどういう場所なのか。答えは見つかったのでしょうか。

「うーん…。どうでしょうねぇ…。できれば働きたくないんです(笑)。願わくば、部屋にこもって毎日大好きな漫画を読んでいたい。それが理想。なんで人って働くんですかね…」

照れ隠しだろうか。インターネット黎明期から独学で学び、数えきれないほどの案件に携わり、自ら手を動かし、考え抜き、粛々と、誠意をもって対応してきた。踏んだ場数、経験値の高さは誰にも負けない。そして、「決して自らアピールはしないけれど、川村さんはだれよりも、人のことを最優先に考えて仕事をする」という周囲の声も。

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会社が長く強く楽しく続くための仕組みづくり

「考えることが好きです。一見、答えが出ないと思われるものでも、整理整頓して、あれこれ考えて、答えを導き出すのが好きなんです。ただ、あまりにも考え込みすぎて、自分の中で腹落ちしないと前へすすめないのが欠点。それと、自分の想いを正しく他人に伝えるのはいまだに下手です。究極の人見知りですから…。でも、もう、そうは言ってられません」

気がつけば、会社はどんどん大きくなり、今や部下を複数抱える身となった。

「ひとりで自宅にこもって黙々と手を動かしていたころとは、仕事や仲間に対する意識は変わってきました。何のために働くのか。何にやりがいを感じるのか。今は、ノヴィータで働く人みんなが、自分がやりたいことを楽しく自信をもってやれるような仕組みを、土台をつくりたい。これからも長く強く楽しく会社が存続していくために、“こっそり”、でもしっかり、仕組みづくりをしていきたいと思っています」

不器用で人見知り。けれど、静かにじっくりと会社を支える縁の下の力持ち。 「僕、ノヴィータ以外で働ける気がしないんですよね」 ちょっとはにかみながらそう話す川村さんからは、ともに成長してきた「ノヴィータ」への愛が滲み出ていた。